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モジュールの選択と採点方法:ロンドン大学会計学修士プログラム(MSc Professional Accountancy)

こんにちは。べえたです。

前回の記事では、ロンドン大学のMSc Professional Accountancyのプログラムの構成についてご説明しました。

今回は、講義(モジュール)を選択する上でのアドバイスや実際の採点実感について、ご説明します。

なお、記載している内容は、私が受講していた時期の情報に基づくものであり、各モジュールの内容はクオーターごとに変更や修正が入る可能性がありますので、あくまで参考情報としてご覧いただけると幸いです。


モジュール選択時の考慮事項

1.受講スケジュール

まず、モジュールを受講するスケジュールが最も重要なポイントです。

MSc Professional Accountancyは、最短半年で修了可能ですが、働きながら学習するとなると、半年で修了するのはかなりハードルが高いと思われます。

特に、Capstone projectの後半は、グループワーク(Icarus)の準備や日程調整が必要となり、合計7,000 wordsの資料を作成する必要があるため、他の科目との両立には、かなりの負荷がかかります。

このため、必ず最短での卒業を目標としない場合、以下のようなスケジュールをおすすめします。

(1)9ヶ月での修了スケジュール
①1つ目のクオーターでCapstone project(前半)と選択科目1科目を受講
②2つ目のクオーターでCapstone project(後半)を受講
③3つ目のクオーターで選択科目1科目を受講

(2)1年間での修了スケジュール
①1つ目のクオーターでCapstone project(前半)を受講
②2つ目のクオーターでCapstone project(後半)を受講
③3つ目のクオーターで選択科目1科目を受講
④4つ目のクオーターで選択科目1科目を受講
or
①1つ目のクオーターで選択科目1科目を受講
②2つ目のクオーターで選択科目1科目を受講
③3つ目のクオーターでCapstone project(前半)を受講
④4つ目のクオーターでCapstone project(後半)を受講

なお、Capstone projectは、4~9月と10~3月の2つのタイミングでしか受講できません。
また、選択科目についても、クオーターによって受講可能な科目が入れ替わるので、注意が必要です。
(選択科目は、各クオーターで2科目ずつ開講されています)

2.課題の系統(計算系・論述系)

各モジュールの課題は、大きく分けて、計算系と論述系に分類することができます。

(1)計算系
計算系とは、Excelのスプレッドシートに計算式などを記入して解答する形式です。
高校・大学の数学のテストや、USCPAなどの会計資格の問題をExcelで解答するイメージですね。

計算系に該当するモジュールは、以下の2科目です。

  • Analysing risk for decision making(ARDM)

  • Issues in investment management(IIM)

(2)論述系
論述系とは、Capstoneと同様に、Wordに記述する形で解答する科目です。

論述系に該当するモジュールは、以下の2科目です。

  • Capital markets and global perspectives(CMGP)

  • Global issues in finance and accounting(GIFA)

(3)おすすめの系統
興味のある内容を学習できる科目を受講することが第一優先ですが、学習の負荷という観点で言えば、計算系のモジュールがおすすめです。

論述系の科目では、課題として2,000~3,000 words程の文章を記述する必要があり、複雑な文章をアカデミックライティングの形式で記入することが求められます。

受講生の中には、英語ネイティブの学生もいる中、日本の方が文章力で高得点を取るのは、かなり難しいと思われます。
また、記述系の試験は、どうしても採点基準が明確化しづらいため、どの程度労力をかければ良いのかも見えづらいというデメリットもあります。

一方で、計算系の科目であれば、正答が1つしかない問題も出題されますし、計算力という面では、ネイティブの学生との差も大きくないため、不利な状況が緩和されます。

また、論述系の課題よりも、計算系の課題のほうが、解答に要する時間も短くて済むケースも多いため、労力を極力抑えたい場合も、計算系の科目がおすすめです。

もちろん、必須科目のCapstone projectは論述系なので、修了するためには、アカデミックライティングについても、しっかりと学習する必要があります。

モジュールの採点方法

1.計算系の科目

計算系の科目(ARDM、IIM)では、与えられた条件に基づき、リスクやリターンの確率や期待値、株式・債券の価格などを計算する問題が出題されます。

計算結果が誤っていた場合でも、Excelのセルに計算式を残していれば、その内容を確認し、途中式などに対しても点数を与えてくれます。

なお、計算系の科目の場合も、理論について説明を書く問題や、自分で条件を設定して自由に記載する問題なども出題されますので、学生間で全ての解答が一致しないように工夫されていることには、留意する必要があります。

2.論述系の科目

私は、論述系の科目はCapstone projectのみ受講したので、そちらについて記載します。

Capstone projectでは、課題において記載するべき要素が、採点比率と併せて明記されています。
(文献研究:20%、研究デザイン:32%など)

これらのそれぞれの要素が、10点満点で評価され、その評価とウエイトを掛け合わせた数値の合計が、最終的な得点として、成績評価に反映されます。

実際のイメージは、以下の表のようなものになります。

(※)各項目は、実際の採点項目と異なる可能性があります。

(採点例)

論述系の科目であるCapstone projectでも、できる限り採点基準を明確化しようと努力していることは感じられました。

実感としては、5~6点が各項目の基準点となっている感覚だったので、高得点を取るのはかなり難しいですが、配点比率を意識して、課題に取り組むのが効率的になりそうですね。

まとめ

今回は、モジュール選択についてのアドバイスと、採点方法についてお話ししました。受講を検討されている方にとって、参考になれば幸いです。

次回は、通信制でロンドン大学のモジュールを受講する際の留意点とアドバイスを記載したいと思います。


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