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映画「リトル・ミス・サンシャイン」愛とは。

人間には2種類ある!
勝ち馬と負け犬だ!
ここにいるみんなは勝利を望んでいる!
諸君はまさに世界に羽ばたく輝かしい勝ち馬だ!
私が提唱する「負けないための9段階プログラム」を使おう!
洞察力とノウハウで負癖を捨て去ろう!
夢は必ず実現できるはずだ!
ためらうな!
愚痴は言うな!
弁解もいらない!
世界に羽ばたく勝ち組になろう!
Thank you.

 その情熱的なセミナーを聞きに来ているのはたった10人だけだったが、リチャードは自信過剰気味にこの九段階プログラムを、そして「成功した家庭」としての振る舞いを家族にも強要して小うるさい。
 実際は家計は破産しかかってるのに。

 幼い一人娘オリーブ(アビゲイル・ブレスリン)は6・7歳が対象の全米ミスコンテスト、で見事州の代表に選ばれ、いよいよ全米大会「リトル・ミス・サンシャイン」に出場することに。ちょっとぽっちゃりだけど、愛嬌たっぷりで視聴者としてもそれを疑えない!おじいちゃんの特訓で自信満々。娘を心から愛するママと、無口でニヒルな義理の兄と、自殺未遂したゲイの伯父と六人でオンボロのフォルクスワーゲンのバスで出発する。

 たびたび父の小うるささが皆とバッティングするなど紆余曲折ありながら目的地に近づいたコンテストの前夜のモーテルで、オリーブはおじいちゃんとふざけあって楽しんでいたが、おやすみと言って寝かしつけられた後におじいちゃんを呼び止める……。

(突然不安そうな顔で)「おじいちゃん」

「何だ」
「明日が怖いの」
「冗談だろ ライバルをコテンパンに打ち負かせ」

(消え入りそうな声で)「おじいちゃん」

「何だ?」
「私きれい?」
「オリーブ……。お前は世界で一番可愛い女の子だよ」

(オリーブ泣きそう)「口先だけよ。」

「嘘じゃない。お前を愛しているのは頭脳や性格じゃない。心も外見も美しいからさ」
(視聴者:本当にそう思う)

(消え入りそうな声で)「おじいちゃん」

(おじいちゃん、真剣に聞いてやる姿勢)
(今にも泣きそうな顔で)「負け犬はいや」
「なぜそんなことを考える?」
「だって……、パパは嫌いだって」
「Oh No…負け犬の意味を知ってるか?負けるのが怖くて挑戦しない奴らのことだ。お前は違うだろ?」

(オリーブ、うなづいて)「Yep.」

「負け犬じゃない 明日は楽しめ」
「そうね」
「敵をブッ飛ばせ おやすみ 愛してるよ」

 英語そのままの方がシンプルで美しい会話だ……。ぜひ聞いて、観て欲しい。愛って何だろう?改めて、自分の「愛」の定義を、見つめ直したくなる。

 リトル・ミス・サンシャイン、2006年米。脚本はマイケル・アーン、この後「トイ・ストーリー3」を執筆といえばもう何の説明も不要だろう。その後「スターウォーズ7・フォースの覚醒」と輝かしい活躍をしている。

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