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無知な末端書店員が「大型書店&大手出版社の偉い人」に伝えたいこと

またしても。

1980年に開業したJR阿佐ヶ谷駅前にある新刊書店「書楽」が、来年1月8日で閉店するそうです。

文豪ゆかりの街から本屋が消えるのは、たしかに切ない。しかし何よりも胸に響いたのは、20年以上同店で勤めてきた石田店長のひとこと。

「出版業界は『好きだから関わっている』、『好きだから本を支えたい』という人たちの熱意で支えられている部分が大きいと思う。ただ、それだけではダメなのかなと思います」

好きだから激務で給料が安くても辞めない。書店で働き続ける。そういう現場の熱意に甘え、いつまでも状況を改善しない業界では困ります。

「文化を守れ」みたいな耳触りのいい精神論はお腹いっぱい。現状に即した解決策を早急に進めないと、街の本屋がどんどんなくなる。

大型書店も他人事ではないです(私自身、職場の閉店を2度経験しました)。特にいまは深刻な人手不足。従業員を確保できないから閉店というケースも起こり得る。

ネットの影響? 娯楽の多様化? 問題はそこじゃないです。着目すべきは、置くだけで飛ぶように売れていた時代と同じシステムを続けていること。

返品率を下げ、本屋側の利益率を現状の約22%から引き上げる。一律ではなく、出版社と書店双方の売り上げ規模に応じたパーセンテージを設定する。その辺りの議論はどこまで詰められているのか?

無知な末端書店員ゆえの青臭い見解ですが、丸善や紀伊國屋みたいな大きい会社の利益率は上げるにしても街の本屋より低く定めてほしい。業界の盟主という自覚を持っているのなら、率先してそういう声を上げてもらいたい。これは大手出版社にも言えることです。

あるいは社会主義に近い発想。でも形式的平等と実質的平等ではないけど、全体の繁栄及びフェアな競争推進という観点で見たら、ある程度のバランス是正措置は必要かと。

引き続き考察していきます。

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