見出し画像

「10月9日」は「○○の同志」を応援したい

元・タッグパートナー同士のタイトル戦です。

無骨なパワーファイトが売りで挑発的なコメントを発するEVIL選手と華麗なテクニックを駆使して静かに闘うSANADA選手。互いが互いの弱点をカバーし、長所を引き立て合う理想的なチームでした。

2017年、両者は初めてシングルで対戦しました。結果はSANADA選手の勝利。順当でした。年齢はEVIL選手がひとつ上。でもデビューはSANADA選手の方が4年早く、新日本に来る前からトップ戦線で活躍していたのです。

試合後にEVIL選手は「SANADAとの闘いはまだまだ続く」とコメント。同じユニットで組んでいたにもかかわらず。相当悔しかったのでしょう。

2020年に彼は所属していたロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを離れてヒールターン。内藤哲也選手を破ってIWGPヘビー級王座を獲得します。かつての相棒に対して「どうだ? お前の欲しいベルトを先に奪ってやったぜ」と思ったでしょう。そして今度はSANADA選手が悔しさを噛み締めたはず。

今年に入ってSANADA選手もIWGP世界王座を獲り、実績で並びました。「ウサギとカメ」でたとえるなら、ずっとリードしていたSANADA選手がウサギ、コツコツと努力して抜いたEVIL選手がカメ。いまはまさかの逆転に奮起し、なりふり構わず本気を出したウサギが追いつき、一歩先んじたところです。

私はずっとカメの立場でやってきた人間ゆえ、どうしてもEVIL選手に目が向きます。試合はもちろん、それ以上に生き様の勝負でひけを取って欲しくない。

おそらく観戦する人の大半はSANADA選手の側に立つでしょう。でも彼ら彼女らの多くも私と同じく「いまに見ていろ」のカメのはず。

悪党に声援を送ってはいけないなんてルールはありません。10月9日は勇気を出して「カメの同志」を応援しませんか?

この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

すごい選手がいるんです

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!