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「総本山」に伺いたいこと

建て替えのため5月8日で営業を終了する三省堂書店・神保町本店さんがnoteを始めてくれました。

私の中で同店は「本好きの総本山」です。十代の頃から頻繁に通っています。あるときは昼を食べてからシェークスピアの戯曲やカフカの小説を買い、近所のロッテリア(いまはもうない)で読み耽り、気が付くと外が暗くなっていました。

皆さんは「書店」と聞いたらどのお店を連想しますか?

私はここです。どうしても読みたい本があったら三省堂・神保町本店へ行けば間違いない。人によっては「紀伊國屋書店・新宿本店」だったり「ジュンク堂書店・池袋本店」だったり、もしくは近所の町の本屋さんだったりするのでしょう。こういうお店にはずっと続いて欲しいですよね。

昔勤めていた書店がなくなる際、お客さんに「これからどこで本を買えばいいの?」と訊かれて胸が苦しくなりました。今回は建て替えなので(2025~26年に新たな本店がオープンする予定とのこと)状況が異なるとはいえ、ここの常連さんも同じ気持ちかもしれません。少なくとも「書泉や東京堂が近くにあるし」とは思わないはず。

もちろん、どちらも素晴らしい書店です。お世話になっています。けどやっぱり三省堂・神保町本店とは比べられない。何かが決定的に違うのです。その存在感を角界でたとえるなら横綱双葉山、プロレスならジャイアント馬場さんでしょうか。

きっと従業員には「総本山」で働くことに対する責任感やプレッシャーが日々あったでしょうね。選書やフェア、補充注文に対する意識も私なんかとは全然違うはず。この本を切らすことは許されない、あの本は絶対に置きたい、なおかつ数字も残さないといけないみたいな。

もし可能でしたら、同じ書店員としてその辺の「秘めた矜持」を伺いたいです。スタッフの皆さま、営業終了まで頑張ってください。応援しています。

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