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ハードボイルド書店員が「年末を実感する一曲」

これ、当時テレビで見ました。

1988年11月。「全日本プロレス中継」の冒頭で、ジャイアント馬場さんが記者の人たちに向けて「阿修羅・原ですが……○月○日付で全日本プロレスを解雇しました」と話したのです。

まだ小学生だったので「カイコ」が何を指すかなど知る由もない。お蚕の絵を頭に浮かべた記憶がかすかに残っています。言葉の意味はよくわからないけど原選手はもういない。その事実だけは伝わりました。

代わりに天龍源一郎選手のパートナーとして「世界最強タッグ決定リーグ戦」に出場したのは、若手のひとりだった川田利明選手。ライトグリーンのロングタイツを履いていたのを覚えています。

開幕戦の相手は、アブドーラ・ザ・ブッチャー&タイガー・ジェット・シンの凶悪コンビ。惜しくも敗れましたが、蹴りと飛び技でガンガン攻める川田選手のプロレスが好きだったので、メチャメチャ興奮しました。

あと「最強タッグ」の開幕戦といえば入場セレモニー。テーマ曲の「オリンピア」がカッコよくて胸に染みます。

公式ではないけど動画を見つけました。「89年」となっていますが、間違いなく88年のものです。

いきなり「え?」となりました。日本テレビの倉持アナウンサーが「撰ばれたる者の恍惚と不安の二つわれにあり。太宰治」と話している。。。

いやいやいや。

たしかに太宰も「葉」の冒頭にそう記しています。でもオリジナルはフランスの詩人ヴェルレーヌです(「葉」にもちゃんと書かれている)。さらに言うと、太宰の文章は「撰ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり」。いまだったらSNSでちょっとした騒ぎになったのでは?

興味のある方は↓を。

「オリンピア」を聴いて「今年も終わりだなあ」と感じるのは、昭和平成令和を通貫する「全日本プロレスファンあるある」かもしれません。

皆さまはどんな曲に「年末」を実感しますか?

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