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ロシアという国を知るための4冊

ロシアでは今大統領選挙真っ最中。

結果が決まっている茶番劇。
とはいえ、この体制にもっていくまでに、不都合な者たちの命を強引に奪いまくるという、本当にこれは21世紀の現代で行われているものなのかと目や耳を疑ってしまうニュースが相次いでいます。

そんなロシアを知るための手がかりとしての本を3冊と映画を1本ご紹介します。

あらゆる社会問題に切り込んできた小林よしのりがソ連も切っていた

「ごーまんかましてよかですか?」

この決め台詞と共にあらゆる社会問題に切り込んでいく。
ほとんど公の場では語られてこなかった話。

政府がひた隠しにしてきたこと。
どこまで信じていいのかは、自己責任、ということなのでしょう。

この本自体は約20年前のものでちょっと古いですが、商業主義に抵抗した筆者の意気込みが伝わってきます。

大変戦争で日本が降伏宣言をした後に、ロシア(当時はソ連)軍は南樺太・千島へ侵攻。
つまり、今の『北方領土』というのは、戦争が終結した後にソ連が強引に奪い取ったもの、ということになります。

それ以外にも朝鮮問題や天皇家の後継問題にも切り込んだ問題作。
いつもとは違った視点から社会問題を見てみることは大事。

山崎豊子さん原作の終戦前後の日本を舞台とした作品。

第1巻で主人公壹岐正の壮絶なシベリア抑留生活が描かれています。

山崎さんの作品は『沈まぬ太陽』でもそうでしたが、緻密な取材データを元に正確な歴史描写が定評があります。

この作品もそうであるならば、太平洋戦争終結後11年間、ずっとこういった悲惨な状態が続けられていたという事実があったということになります。

壹岐は仲間がどんどん亡くなっていく過酷なシベリア抑留生活を耐え抜き、日本に帰って商社に入る。
物語はそこからまだまだ続くわけですが、この1巻だけでも文庫本640ページと読み応えがあります。

独ソ戦終結後のベルリンを舞台にしたミステリー

ここでは本来であれば、『同志少女よ、敵を撃て』を紹介するのが適切かもしれません。

しかし、申し訳ないのですが、私自身この作品を読んだことがない。
読んだことがないものは紹介できないので、こちらを紹介。
こちらも本屋大賞にノミネートされた作品だけあって読み応えのある作品です。


1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。

Amazon紹介文より

第二次大戦後の混乱するベルリンで起きたある殺人事件を追うミステリー。

歯磨き粉に混ぜられた毒が原因で亡くなったクリストフ・ローレンツという一人の男。
戦後で物資が窮乏する中、歯磨き粉という『高価』なもので殺されたらしい。

ローレンツは誰にどうして、どうやって殺されたのか?

恩人であるローレンツを殺したのはないかと疑いの目を向けられたドイツ人少女アウグステ。
警察ににらまれながらもローレンツの甥であるエーリヒに訃報を伝えるべく旅立つアウグステだったが……

聞き慣れないドイツ系の名前を覚えるのは難しいものの、最後の最後にいろいろな事象が一本につながると一気に理解が深まりました。

長い話ですが、読み切った時に納得感があるので、最後まで諦めずに読んでよかった~、と思える作品です。

重厚なテーマのミステリーを求めている方には特におすすめ。

冷戦とは何だったのか

ロビン・ウィリアムズ扮するクロナウアーという戦場DJの実話を基にした映画。

ロビン・ウィリアムズファンなのでかねてから観たいと思っていた映画の一つですが、ようやく観ることができました。

実はこの映画を観るまで戦場DJなる仕事があるなんてことは知りませんでした。

前半は正直クロナウアーのユーモアがいまいち理解できず、ロビン・ウィリアムズ映画としてはつまらないか?と思っていたのですが、後半トラックに乗った兵士たちを前に生DJをしだした辺りからこの映画の面白さが分かってきた気がします。

そして最後の衝撃的な事実、この映画はベトナム戦争がアメリカにとって何だったのか改めて考えさせるきっかけになったのではないでしょうか。

話し合えばもっと違う解決法が見つけられたのでは?
歴史にたら、ればは無いとは言え、そんなことを考えさせられる映画でした。

本日紹介した本


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