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【Oh Kevin De Bruyne】マンチェスターシティ1-0チェルシー

みなさんこんにちは、でででです。
今回はプレミアリーグ1位2位・ビッグマーケットチーム同士の対戦、マンチェスターシティ-チェルシーを振り返って行きたいと思います。

スタメンとフォーメーション

シティは目下リーグ11連勝中。僕が初めて書いたnoteがアーセナル戦だったが、そこから今回の対戦相手・チェルシーがリヴァプールと引き分けたのもあり、差は広がる最高の状態にある。
ただシティとしては、リーグはもはや取り飽きた、今年はリーグがほぼ手中にある中、目指すのは対戦相手が手に入れたもの・ビッグイヤーである。

そんな因縁があるカード、今日のシティはいつもの4-3-3。
CBルベン・ディアスの所がジョン・ストーンズになった以外、特にサプライズ的スタメン起用は無かった。
強いて言えば、左WGにジャック・グリーリシュが入ったくらいだが、リヤド・マフレズがAFCONで外れており、前のバックアップが少ないことを考えると前で融通が効くジェズスをベンチに置いて起きたいのは監督の頭だろう。となるとグリーリシュのスタメンは理解できる。

チェルシーは直近3試合はリーグカップ戦でいずれも勝利一方リーグ戦はホームで2試合とも引き分けと勝ちから離れている。

ブライトン・リヴァプール共にタフな相手だったことは間違いないが、最近のチェルシーは自分たちペースの試合がなかなかできない。
リヴァプール戦はコヴァチッチのシーズンベストクラスのゴール以降、リズムを取り戻したが、ブライトン戦は後半は全てブライトンのペースだったし、リヴァプール戦も形式上殴り合いに見えたが、0-2にされるまでは相手の手の内にいるような感じだった。

クラブ的な問題は前の形が固まって来ないこと。
ルカクなのかハヴァーツなのかジエシュなのかマウントなのかプリシッチなのか誰なのか・・・カードこそあれど、核がなかなか決まらない。
得点者が多いことが話題になったが、勝てなくなってくると、「固まっていない」と言われるのは辛いところである。

この試合のポイントは中盤のセンター2枚。
ここもカンテ・コヴァチッチ・ジョルジーニョというカードからどの2枚を組むかという問題があるわけだが、この試合はカンテとコヴァチッチで組んだ。ここの配置で「守備ベース」というのがなんとなく読み取れる人選だった。
前線は左からジエシュ・ルカク・プリシッチ。ハヴァーツ・マウント・ヴェルナー・ハドソン=オドイはベンチスタートになった。
配置はいつもの3-4-3である。

スタメンとフォーメーション

誘導するも発生する問題

序盤からチェルシーはとにかくコンパクトに守っていく。相手のCBが自陣で持っている段階から、とにかく縦幅は狭く、横は結構、真ん中は許さない。よってシティはサイドからの攻めを行うことになった。チェルシーは基本ベースでこのやり方があるが、シティは最近この手の戦いを強いられることが増えてきた。

前半の5分・14分、ストーンズ・ラポルテと相手のCBがボールを持っても中を塞ぐ姿勢は変わらなかった。ボールに行くか、コースを抑えるか、ロドリは潰すのか潰さないのか。対シティで発生する相手のやることリストよりもまずそこをベースにし、取れたら集団でカウンターに行けるという、トゥヘルらしい守り方だった。

5分の立ち位置。チェルシーの前3枚はコンパクトに、
SBに出てもとにかくパスコースを切って中を塞ぐ。

シティとすれば、サイドは許されている。また相手の縦がコンパクトなのでDFラインの裏も使える。
チェルシーの問題はプリシッチの守備である。ジエシュはBシウバがKDBが一列上がるのもあり、Bシウバを捕まえる役割がある。じゃあ逆のプリシッチはシティの今季のストロング・カンセロを含む、左サイドの球出しをある程度抑制するのが役割となってくる。

11分、ラポルテが持っている所から縦パスでKDBに通される。ラポルテからすれば、その左にいるカンセロにもパスを通せる=どっちにでも通せるポジショニングである。
結果KDB→カンセロ→グリーリシュと繋がりゴール前まで迫った。前半3分、ラポルテからロングボールでグリーリシュで裏を取ったように、左の緩さ、裏はシティの狙い目の一つになっていった。
 
23分、ここもラポルテのボールキープから。
基本チェルシーは相手のWGに対してはWBについていき、ここを外したくない。そのため相手のSBには自分たちのシャドー2枚が消す必要がある。
しかしプリシッチがここもボールホルダーにもカンセロにもプレッシャーを掛けず、カンセロに出たタイミングで焦ってアスピリクエタが飛び出すも、間に合わず、自分が見ていたグリーリシュに通され、アスピリクエタが飛び出したものと同じくして、前に飛び出したKDBに繋がりチャンスを作った。
プリシッチのプレスの緩さ、アスピリクエタのスピード勝負。ここの2点の問題がチェルシーの左劣勢を強め、奪いどころが消えていった。

右サイドは右サイドで、ベルナルドが下がってくる所をジエシュが見る必要が出てくるので、ウォーカーが空いてくる。
前述の通り、WB-WGから、Mアロンソ-スターリングになる。
しかしここは7分、Mアロンソがスターリングに抜かれそうな所を足で引っ掛けイエローカードをもらった時点で、質的優位で勝負できるなとシティは確信したと思う。

シティは開けてくれるサイドで発生する相手両サイドで発生する問題から侵攻。ただ、相手の後ろの最終ライン3枚のカバーも強く(特にグリーリシュはルディガーに苦しんだ)、チェルシーとしては前半はなんとか0で終わった。

23分、カンセロがフリーになった所からグリーリシュに繋がり、最後はKDBでチャンスを作る。
チェルシーとしては恐れてたズレが起こっていった嫌な形も、ルディガー凌いだ。

狙いは同じ"ズレ"のチェルシー

チェルシーの攻撃はボールを動かし、相手のズレを狙っていく。
ボール保持を無理して行うように見えたのは、3(Tシウバ・ルディガー・サール)-2(コバチッチ・カンテ)が相手の守備時4-2-3-1の配置に対せば3-1の4でくるので、計5vs4、数的優位で持てるようになる。
基本WBは保持では高い位置を取り、相手のSBがついてくる。すると相手SBがシャドーを見れず、中では3vs2が発生する。

シティは相手が持った時の数的不利が気持ち悪いので、とにかく序盤からプレッシング強度を高め、相手のミスを誘っていく。
3の真ん中・KDBの立ち位置はサールが持てばコヴァチッチ、ルディガーならカンテという掴み所になる。が、前で奪うには+1が欲しい。そこで2枚(ロドリ・Bシウバ)が前にくる。

9分、チェルシーが決定機を作った場面は左で回していた所からTシウバを経由し右に展開していった所から。
コヴァチッチを捕まえていたKDBが右の展開に合わせるも、カンテまでは距離がある。そこでシティはロドリが前に出て捕まえにくる。アスピリクエタを経由して、ロドリの空いたスペースから、ルカクが受け、ゴール前まで迫った。ラストパスのタイミング・もしくはルカクが自分でシュートを打っていれば、先制点というシーンだった。

13分は自陣後方から繋ぎから。後ろ5枚+アスピリクエタも含んだビルドアップから。ビルドアップで相手のプレッシャーを剥がしたカンテにロドリが第二の強襲をかけてくるも、ロドリの空いたスペースにいたジエシュが入り、ボールを受けた。最終ラインとルカクの勝負になるも、ジエシュのパスが大きく流れ、チャンスが潰れた。
決定機というのもあったが、トゥヘルがブチギレたのも考えると、チェルシーが意地でも後ろから繋いでいたのはこの狙いというのはなんとなく見てとれた。

フォーメーションの照し合わせ(チェルシー保持時)

生まれるべき要素が詰まったスーパーゴール

後半のスタートはメンバー変更なし。チェルシーはシティのパスズレから後半の15分までに2回ほどチャンスを作るも得点ができなかった。
シティは後半開始から、スターリングの走り込みから右の攻めを強めていく。
シティの得点は70分に生まれる。チェルシーの交代直後(プリシッチ→ヴェルナー、ジヤシュ→オドイ)だった。
ケパの捨て球をシティが拾い、カンセロにボールが渡ったところから。
ラポルテからボールに渡ったところでカンテが寄せるも取れない。ロドリ→カンセロと渡るも、本来ヴェルナーが行くところにアスピリクエタに行くもプレスがかからない。

ボールが渡ったKDB。カンセロのボールも少し横につけ、走らせながらボールを受けさせ前を向かせ、カンテからプレスを真っ向から受けないようにしたボールも見事である。
ルディガーはグリーリシュがいてプレスに行けないぞ。さあ最後は、というところで選択したのはシュートだった。少しタイミングを外し、右隅に完璧に流し込んでいった。シティからすれば相手の捨て球(フォデンの寄せがあってこそ)、交代直後で生まれた"ズレ"。ゴールはスーパーだったが、個々の献身性・交代直後の乱れ等、様々な要素から生まれるべきして生まれたゴールだったように見えた。

70分得点シーン。カンセロが持ったタイミングでは、完全にKDBが空いていた。

3-4-3→4-4-1-1も・・・

シティも流石に得点後は前半からの飛ばし気味もあり、攻撃のペースはスローに、守備もリスクマネジメントもあり、ラインを下げ気味にした。
チェルシーとすれば、別に「前半を0に、後半勝負」は試合開始前の狙いではなかったであろうが、ボールが持て、相手陣地でプレーする時間が増えていった。

チェルシーは80分に最後のカード、Mアロンソに替えてマウントを投入。この交代によって、右WBアスピリクエタが右SBになり、3CBが左にずれ4バック・マウントがトップ下の4-4-1-1へと変更された。
チェルシーとしては、球が持て始め、1枚1枚剥がしていく形が変わったということ、またサイドにヴェルナー・オドイと勝負できる人間を置けることからの変更だと思う。ビルドアップにマウントも降りてきて、オドイ・ヴェルナー・ルカクで勝負する。この形は3バックから変わらなかった。

が、ビルドアップで詰まるシーンが2回あるちぐはぐ感。84分はコヴァチッチがスターリング・Bシウバにパスコースを切られた所からピンチを招いた。
シティも後半ペースは落ちる、しかしそれと同様自分たちも疲弊していた。後半ボールを握るも、ルカクの孤立やWBがの攻撃参加の少なさ(71分、失点直後のアロンソのクロス→アスピリクエタ)と、押し込んだ際に4バックにしても3バックにしても、うまく攻めることができなかった。

感想

最初チェルシーが試合を進める中で、意地でも後ろから繋ぎにいくのが不思議だったが、振り返ると前半の2回のチャンスシーンと後半60分のシーンが作りたかったんだろうなと。
ルカクがストーンズとの1vs1を一発目で勝った時点で、シティがスターリングを使っていったようにストロングとしていくかと思いきや、そこまでポストプレー等もしなかったのは意外だった。

シティはある意味オーソドックスなスタイルで行き、ペップシティの原点回帰のような試合だった。ペップの2年目、勝ち点100OVERで優勝した年に似ていたように感じた。
この試合が100なように見えるし、まだ120は出していないように見えるのが怖い。いつもが60くらいに見えるのが、より怖さを増してくる。ただリーグカップで4部くらいを相手にガチメンバーで来たのは謎だった。交代枠も3枚フルで使い切らない試合も割とあるので、CLに頂点を持ってこれるのか。そこだけがシティの懸念材料のように見える。

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