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「彷徨」という文字を見ると
「彷徨」という文字を見ると、思い出すことがあります。「彷徨」という文字を見ると、そのたびに、気持ちはひどく乱れます。
もう35年以上も前のことです。日本語ワープロが出た時に、わが家も「書院」というワープロを買いました。まだワープロが出たばかりの頃だったので、内蔵されている辞書にも、漢字数にも、限りがありました。
そしてそのワープロには、「外字」という文字枠が8つ用意されていました。外字というの
若い頃の、どうということのない話
ぼくが若い頃でも、中学生くらいになるとカップルができていた。放課後に、教室の窓辺に立って外を見ながら話をしている男女が何組もいた。ぼくはといえば、それが羨ましいとも感じずに、後ろを通り過ぎて帰っていた。
ぼくが初めてのデートをしたのは大学生の時だった。アルバイト先で知り合った女性を好きになった。適度に明るくて、目の大きなかわいらしい人だった。勇気を出してデートの申し込みをし、断られるだろうと思っ
「時が叶えてくれること」
「時が叶えてくれること」
双子を持つ親の離婚率は、そうでない人よりも高いのだと、かつて聞いたことがあります。ホントなのかどうか知りませんが、そんなこともあるのだろうなとは思います。双子を育てる日常は半端なく大変だからです。
私たち夫婦にも双子の女の子が生まれました。知っている限りでは、双方の親戚には双子はいませんでした。それだけに驚きもしました。双子を育てるのはどんなふうだろうと、のんきに
「もう悩む事はないんだから」
「もう悩む事はないんだから」
これも勤め人の頃の話です。2007年の春だったと思います。
朝からお台場で全社員会議でした。横浜駅から東海道線で新橋駅へ。殺人的な混雑ぶりでした。新橋で乗り換え、ゆりかもめで台場駅へ。こちらはうって変わってゆったりとしていて、乗り物は大きな空を浮かぶように進んでゆきます。はるかな海を遠くまで見つめているうちに、中空の駅に着きました。
大きなホテルの大きな会場で
「First Love」を耳にすると
「First Love」を耳にすると
コタキナバルというところへ行ったことがあります。わたしが勤めていた会社はグローバルな会社で、定期的に国をこえての会議があったのです。その時は、アジア地区の社員がそこに集まって会議をしたのでした。マレーシアのリゾート地らしく、美しい海岸に沿った建物からは、どこまでもはるかに海が見えていました。
しかし、外の陽射しがどんなにさわやかでも、わたしたちは一日中部屋
「韓国の詩人のこと」
「韓国の詩人のこと」
これもずいぶん昔の話です。ぼくが20代の頃だから40年以上も前のことです。荒川洋治さんと一緒に7人ほどで韓国を旅行したことがあります。韓国の詩人と交流したり、慶州にある大学で座談会をしたりと、日々は充実しており、すべては荒川さんが予定してくれたものでした。
その旅行に行くちょっと前のことだったと思います。許万夏さんという韓国の詩人と会いました。許さんはちょうどその時に日本