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「楽しい」ばかりだと…なんでダメなの?/おやこで通う小学校㉑


「これじゃあ結局、『楽しい』ばかりになっちゃう…」

先日、相変わらず珍獣・兄の付き添いで学校に滞在していた時
1年の普通学級の図工の時間に、先生が困った顔で呟いた一言だ。
これが、性根がおちゃらけているわたしのセンサーに引っ掛かった。ピピピ

『楽しい』ばかりになっちゃう…
『楽しい』ばかりに…
『楽しい』…
『楽しい』ばかりだと…

最高じゃないか!!!
何がだめなの!?( ゚д゚)ホワイ

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珍獣・兄は日頃、特別支援学級に通っているが
「交流学習」と称して、1年生の普通学級の授業に混ざることがある。
交流学習の割合は、子どもによって異なり
基本的に普通学級で過ごし、算数と国語の授業だけ支援級で個別に受ける、という子もいる。

ちなみに珍獣は入学式の翌日、普通学級で2時間過ごした時点で
「1組(普通学級)は辞めた」と宣言。
颯爽と教室を後にし(オロオロ付いていく母)
4月はおもちゃで遊び放題だった、ネバーランド=支援級を選択した。( ゚д゚)
以来、先生方に促されても、頑として普通学級に行かず
たまの交流学習に際しても、猛烈な拒否反応を示し続けている。メンドクサ

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冒頭の図工の授業に話を戻すと
この日のテーマは、「スタンプぺったん」。
ペットボトルの蓋やトイレットペーパーの芯など、様々な素材に絵の具を付け
特別教室の床一面に敷かれた模造紙に、スタンプの要領で押していき
1枚のアートを完成させる…というものだった。

真っ白い、巨大な紙が床に敷かれている時点で
30人を超える子どもたちは、皆ソワソワ。
その表情はどれも、「楽しいことができる予感」に満ちていた。
そして先生の説明が終わると
自分の体や素材を使って、思い思いにスタンプで描画を始めた。

大人数のいる場が苦手な上、自由な絵の具遊びは家でやり尽くしていることもあり
珍獣・兄は結局、授業にまったく参加せず。( ゚д゚)
少しだけ見学して、すぐに支援級の教室に戻ることにした。
だから短い滞在時間だったけれど、大勢の子どもたちが、生き生きと楽しんでいる様子は十分に伝わってきて
何だかわたしも、楽しい気持ちをおすそ分けしてもらったような気分だった。
そうして、ホクホクしながら去ろうとしたら
冒頭の、先生のため息混じりのつぶやきが耳に入った…というわけだ。

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『楽しい』ばかりじゃ、なぜダメなんだろうか?

わたしが、こう疑問を抱く根底には
学校全体に漂う、「学校とはかくあるべき」という固定観念に対する違和感があると思う。

「学校は、勉強をする場所である。
勉強とは、頑張って、耐えてやるものである。
勉強は、遊びとは違う。
だから決して楽しんではならない」

そんな観念だ。


これはメッセージとして、まず先生たちから発せられている。
それを子どもたちが受け取り、学年が上がるに連れて
「学校はそういうところ」という刷り込みが、彼・彼女らの精神に浸透していく――
そんな印象を受ける。

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幼児期は、遊びが生活の中心だ。
それが小学生になった途端、まるで修行期間がスタートしたかのように
遊ぶことも、楽しむことも「慎むべきもの」とされてしまう。

でも、家庭や、今春卒業した自然保育園での珍獣兄妹の様子を見てきて、わたしは確信している。
子どもは、遊びから学ぶ。
間違いない。
自然や、生活の場を舞台にして
大人の想定なんか軽々と超えて、遊びを様々に開発し、工夫し、発展させる。
そこから彼・彼女なりの発見をして、その身に落とし込んでいく。

それは、幼児から地続きの特に小学校低学年においても
そのまま当てはまる真理ではないだろうか。

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声を上げたり笑ったり…
そういう楽しい雰囲気が、先生たちからするといただけないのだろうか。
そりゃ、度を超えて騒がしいのは困りものだし
メリハリもある程度、大事だとは思う。
でも、特に体験型の学習では、五感が刺激されることで喜怒哀楽が豊かになり
「楽しい」の感情が表出するのも無理はない…
というか、当たり前じゃないか。

やっぱり、学校において遊んだり楽しんだりすることの
何がいけないのか、わたしにはたぶんずっと分からない。

もしも、特に根拠なく

「頑張らせないと」
「厳しくしないと」

と、先生たちが考えているなら
もういい加減、発想を変えたほうがいいと思う。

学校が、「楽しみながら学ぶ場所」と自らを再定義し、実装すれば
学校に毎日通っている子どもたちはもとより
学校に行かない選択をしている子どもたちの、何割かが振り向く可能性もある気がする。

次、同じようなセリフを聞いたら

「楽しくて、いいじゃないですか!
なんでダメなんですか?」

って、先生に明るく言ってみようかな…。

#子どもに教えられたこと

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