文学+WEB版

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文芸批評と文学研究の雑誌『文学+』 運営「凡庸の会」、3号刊行中。 WEB版は中沢エクセルシオール忠之が運営。 連絡はbonyou.org@gmail.com 雑誌の購入はTwitterのプロフィール欄から是非! https://twitter.com/bungakuplus

最近の記事

干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(第一一回)

文芸時評5月・荒木優太 ハリー・リーバーマン『アダルトグッズの文化史』(福井昌子訳、作品社)を読んでいて次のことを知った。一九六六年、ウィリアム・マスターズとバージニア・ジョンソンの『人間の性反応』が発表され、女性の性的快楽に関して大きな発見がもたらされた。つまり、フロイトの主張とは反対に、女性の絶頂にとって肝要な器官はヴァギナではなくクリトリスで、しかもマスターベーションしているあいだ女性は何回も絶頂に達することができるというのだ。快楽目的ならば男の身体は完璧に無用の長物だ

    • シュルレアリスムの手帖 第一回

      オートマティスムへの戸惑い:前編 袴田渥美1. 手帖を開く――この連載企画について  1924年10月の『シュルレアリスム宣言Manifeste du surréalisme』から、もうすぐ100年になる。シュルレアリスムがいつはじまりいつ終わったのかは定めがたいところもあるが、第一宣言から100年を記念して、「シュルレアリスムと日本」と題したおおきな展覧会も開かれている。  驚かされるのは、この『シュルレアリスム宣言』とは100年前の文章であるということだ。たとえば形式や

      • 干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(第一〇回)

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        • 考えるあゆみ(第五回)

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        • フーズ・ワールド・イズ・ディス?――ヒップホップと現代世界
          6本
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        • 2022年9・10月の記事
          5本
          ¥500
        • 2022年6・7月の記事
          6本
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        • 2022年11月の記事
          2本
          ¥500
        • 2022年8月の記事
          5本
          ¥500

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          干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(第九回)

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          干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(第八回)

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          フーズ・ワールド・イズ・ディス?――ヒップホップと現代世界――

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          ポエムはみんな生きている(第八回)

          雪とARの香り ni_kaハートや星がデコデコと、偽宝石がAR空間にたくさん散りばめられた、ソトヅラばかりがやたらまばゆいきみのスマートフォンに残る、たくさんのイメージに分裂したkittyちゃん、お父さんからの最後のメール受信日は、今日から、何年か前。 ――今日は時間取れない また今度―― と、淡白な、この一行返信。で、これっきり。 「連絡くれればすぐに逢いに来るからな。離れていても、俺たちは一生親子なんだから」なんて言ってたのにね。 きみは、小ちゃな時からkittyちゃ

          ポエムはみんな生きている(第八回)

          干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(第七回)

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          干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(第六回)

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          再魔術化するテクスト──カルトとスピリチュアルの時代の文化批評

          第七回 死を分かち合う 倉数茂 0 ファイト・クラブ  前々回から、現代社会で人と人との関係性・共同性のあり方がどのように変化したかをフィクションの分析を交えて考察しています。  今回まず取り上げるのは、アメリカの作家チャック・パラニューク(1962ー)の『ファイト・クラブ』(1996)です(注1)。  普通『ファイト・クラブ』は主役のブラッド・ピットをスターダムに押し上げた映画として知られています。監督はデヴィッド・フィンチャー。1999年の公開時こそ興行成績が振るわな

          再魔術化するテクスト──カルトとスピリチュアルの時代の文化批評

          干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(第五回)

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          フーズ・ワールド・イズ・ディス?――ヒップホップと現代世界――

          第五回 廃止主義のために 韻踏み夫 「私はときおり、この世界全体は/ひとつの大きな監獄の敷地なのではないかと考える/私たちのうち幾人かは囚人で/私たちのうちの残りは看守だ」。世界は監獄化しており、かつそれにしたがって人々は囚人と看守に二分されているのではないかという予感。この素晴らしいエレジーが書かれたのは七一年だが、いまやますますこの感触は強くなっているのではないだろうか。「主よ、主よ、奴らはジョージ・ジャクソンを地面に横たえました」!  「合衆国で生を享け、幸運にも十八と

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          村上春樹と物語の現在――最新作『街とその不確かな壁』をゆっくり読む

          【書評】松田樹一、なぜいまさら『街とその不確かな壁』か――「ハルキ現象」の現在  村上春樹の最新長編『街とその不確かな壁』(新潮社)が、2023年4月13日に刊行された。  本作が作家自身によって葬られた幻の旧作「街と、その不確かな壁」(『文学界』1980.9)のリライトであるとか、改作によってコロナ禍の下でのロックダウン状態が反映されているといった時事的な話題は、いまさらもう、問わない。  注目したいのは、刊行直後の瞬間風速的な反応が終息してしまえば、本作を話題にする人

          村上春樹と物語の現在――最新作『街とその不確かな壁』をゆっくり読む

          再魔術化するテクスト──カルトとスピリチュアルの時代の文化批評

          第六回 「ナショナリズム」というゲーム 倉数茂 1 国家審美主義  前回のラストで、ファシズム研究における「国家審美主義」という考えを取り上げました。  国家審美主義とは、国家をひとつの芸術作品にしてしまおうという考え方です。国家を国民の安全や利益を守るために作られた単なる社会制度と考えるのではなく、芸術作品同様、それ自体崇高で美的な価値を持った創造物とみなすのです。国民は能動的に国家という美的作品の制作に参加しなければなりません。自らの血と身体で偉大な作品創造=祝祭に参

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          干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(第四回)

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