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両親がふと姉にもらしたこと

「ねえ、お父さん、焼きそば食べて!」

「いいよ」

幼い頃の話から書く

父と夏祭りに行った話から始まる

「ねぇ、お父さん、唐揚げは?」

「食べるよ」

父の夢は息子と酒を飲むこと

父は父を幼い頃に亡くしていたので、そんな気持ちが強いみたい

「ねえ、お父さん、お好み焼きは?まだ食べれる?」

「食べれるよ」

今思えば支払いはもちろん父だ

そんなことは気にもかけず、幼い私は母の代わりに父を満腹にしなければいけない使命にかられていたのかも

「わたあめは?」

「すきじゃない」

中学生のころ、父に聞かれる

眉毛を手入れして、お風呂あがりに化粧水を塗って、部屋に父が入ってくると嫌がった

そして聞かれる

おまえは女なのか?


だいぶ父に食べさせた

甘いものをどうしても食べさせたい

「りんごあめは?」

「それは好きだから食べようかな」

私は心が満たされた


私は大きく(かなり)なりました

実家に帰ると、母もお料理はおやすみ。私がたくさん料理をつくる

「お野菜食べなさい」

水菜やトマトを、刻んだ玉ねぎとオリーブオイルで作ったドレッシングで和える

魚は新鮮なものを買ってきて、私がさばく

父の好きな食べ方に合うように

「お刺身も塩焼きも一人で全部食べちゃだめよ。お母さんにもとってあげて」

甘辛い煮魚は少しだけ

熱燗に合わせて少しだけ

まだプロ野球とか、夏っぽい音がするテレビをつけながら

お酒がなくなって、お食事も終わる

秋の虫が鳴きはじめて、夜風が街を冷ます

そんなころ、とっておき、お味噌汁。

私と母はあまりお酒を飲まないので食事の間に、父は食後に温め直したお味噌汁を飲む

カエルも鳴いている

夕飯が終わるとお片づけ。父はソファーでうたたね。

私は翌朝のお味噌汁の出汁を仕込む

母は何もかもやってもらって悪いねぇという

父は夢のなかでなにを見るのだろう


時折姉にもらすらしい、息子と酒を飲みたかったって 

楽しく飲んでもらえるようにお料理するのはまた違うみたい

お風呂とかも入りたかったみたいなの

恥ずかしながら私は姉とよくお風呂に入ってた、私が大学生くらいのころまで

父は拒絶

なんだか申し訳ない


母は母で、私には申し訳ないことをしたって、こないだ姉にもらしたらしい

生まれてきた子がどんな子で、どんな人生を歩むかなんて、わかりやしない

だから、親はできることをしてくれた

一時期私はそれをお節介だと呼んだけれど

2人の子に生まれて私は幸せよ

でも私が2人を幸せにできてるかって考えると、私は自信がない

だから親孝行をしようと計画をたてはじめた

小旅行

秋がいいかな、キノコとか美味しいものね、秋がいい

暑いのはダメね、疲れちゃうし

旅行と孝行で漢字似てるわね、今気づいたけれど

そうだ、旅行に行こう

旅行と行こうも響きが似てるわね、イビキの響きとかも響きが似てるわね

考え始めたら眠れなくなるから、今日はおやすみなさい。









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