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廻る秘剣の物語―第ニ部―『業の秘剣 』[連載小説]

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どうだ?大盗賊の血が騒がねえか?この海を越えれば世界を統べる大都だ!(ごうのひけん)
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記事一覧

業の秘剣 第十三片 忌々しい

はっはっ、このときは俺も芸人になった気分だったぜ!

俺はすかさず前の男に耳打ちした。

「酒盛りには肴が大事ですって…お忍びなのはわかりますが、見てくださいこの部屋の作り!表からは寂れた酒場にしか見えないですが、中のそのまた中にやっと素晴らしく小奇麗な部屋!こんな隠れ家は初めて見ました。」

さらに給仕人に流れを委ねてみた。

「ここの部屋の戸締まりは万全かね?ほら…例えば…酒に溺れたヘル君のよ

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業の秘剣 第十二片 ッッ

暗い…

洞窟のようだ。はは、これは驚いた。

まさか穴が掘ってあるとはねえ。

とはいってもたかだか数歩の距離で先にさらに扉がある。

扉からは光がこぼれていたので足元は辛うじてみえた。

前の一人が先のドアにたどり着いたとき、真ん中の一人がつまずいた。

「ッッ」

これは驚いた。

この微かに漏れた声は女の声だ。

まさかこんな下町の夜中に異邦の…おそらく機の大都の…女が出歩いているとは。

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業の秘剣 第十一片 チャリ

俺は天を掴んだ心持ちだった。

これは一隅の機会だと直感でわかったんだ。

奴らがあえて全身を隠す必要はないと思ったがね。

前の男は店主に近づくと、こう言ったんだ。

「ヘル君を探していてね、探ったところどうも此処に居そうと踏んだのだが。」

店主はまたもや淡々としてやがる。

「誰から聞いたのかね?」

前の男はやたら高圧的だった。

「覚えているわけなかろう。さきほどの言葉では足りないのか?

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業の秘剣 第十片 西の言葉

ああそうだ、あれは大仕事だった。

月消ゆる日、西の果ての帝国の「機の大都」から女王と王室の一行が来ていたんだ。

まさか、いくら大盗賊の俺様でも一行から盗みなんてできやしない。

この「太陽と砂の国」の中心である「太陽の都」の最も高く堅い城壁に囲まれた「泉の庭」にしか女王と王室の一行は来ないはずだからな。

しかし…大盗賊の勘の鋭さを馬鹿にしちゃいけない。

俺は予知していた。

何人かの連中は

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業の秘剣 第八片 殺すとこすら容易

――ィィィィ……――

ルイの頭からノイズは消えた。

(はぁっ、はあっ、何だ?一体?)

(驚かせてすまなかったな。暴力は嫌いでね。最も直接手を下すのが嫌いなだけだけどね。



私はお前を心の中から殺すことすら容易だけど、ルイと仲良くなりたいからね。

此処で出会ったお礼に…記念かな…良いことを教えよう。

殺されるよりはマシだと思ってお前の履いているその壊れかけの靴の底を裂け目から破れ。)

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業の秘剣 第七片 青い鳥

第一章

(あっ、あつい…苦しい…焼かれる…

手が、いくつもの手が迫ってくる。この心臓を求めているのか?

な、なんだ?胸が引き裂かれる。

火!?火だ!日が近づいてくる。逃げなくては…逃げなくては…

駄目だ。脚を掴まれた。

このまま、火と心臓、火と心臓、手、手、手…)

「はっ…!」

青年ルイはハンモックの上で芽を覚ました。身体中から汗が吹き出している。

(夢か…)

――ドスン――

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業の秘剣 第六片 大王にはいったい何が

――目録は当たったようだ――

キケウスはほくそ笑む。

心臓に剣を刺せば入れ替わりは起こるが、他の場所に刺せば鋭利な刃物となる。

東の大王を討ち取ったときそこにあったのは秘剣で胸を自ら刺し、さらに腹を数カ所刺した死体だった。

秘剣は他の心臓はもとめても自らの心臓は求めないようだ。

試しに己の心臓に刃先を向けてみると…はは、感じるのは恐怖…他の心臓に刃先を向けているのとは違う。

しかし刃こ

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業の秘剣 第五片 刺し、ひねった

王子の中に入ったキケウスは高級奴隷に命じて敵襲を知らせる金を鳴らさせた。

キケウスは叫んだ。

「者共、警備を万全にせよ。私は父と共に隠し通路より外に抜ける。」

キケウスは王室の扉を開けさせると、中にいた高級奴隷達へ外に出るように命じた。そして、王と二人きりになった。

王が言う。

「一体何事だ。こんな夜中に、東の果ての国を打ち取ったばかりではないか。」

キケウスが言葉を返す。

「残党か

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業の秘剣 第四片 残る仕事

キケウスは秘剣の秘密を暴かんと、高級奴隷と下級奴隷を大きな閉ざされた部屋に集めた。

そこで高級奴隷の監視の元、下級奴隷に秘剣で心臓を突かせてみた。

そうするとまた身体は入れ替わった。

やはり、この秘剣の秘力は身体が入れ替わることらしい。キケウスは何組かにこの入れ替わりを試してみた。

そうすると、あることに気づく、この入れ替わり、魂の入れ替わりと呼ぼうか、それが相手の年齢性別人種を問わずに行

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業の秘剣 第三片 演技ではなさそうだ

王族の死刑執行の時だ。キケウスはその死刑執行人を申し出た。

その死刑執行の方法とは、手に入れた鉄剣で心臓を一突きするというものだった。

死刑執行の時がきた、王族は他の王族や貴族がみている前で磔にされた。キケウスが鉄剣を持ち、歩みよる。

合図とともにキケウスは心臓目掛けて、鉄剣を心臓に一突きした。まるで剣が心臓に吸い込まれて行くようだった。キケウスは奥まで鉄剣を差し込んだ後、引き抜いた。

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業の秘剣 第二片 死刑執行

太陽と砂の国へと帰還した将軍キケウスは凛々しい鉄の剣、鉄剣に思いをはしていた。

摩訶不思議な力を使って太陽と砂の国への侵略を繰り返してきた鉄仮面の軍将の事だ、この鉄剣にも何かの秘密があるのかもしれない。それにこの鉄剣からは何か魔力のようなものも感じる。

キケウスは軍官であるとともに貴族だ。屋敷には多くの奴隷たちを従えている。その中でも高級奴隷たちを一度密室に呼んでみた。

キケウスが奴隷たちに

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業の秘剣 第一片 閉ざされた秘密

序章

──秘剣の秘密は閉ざされた。誰も見知らぬ闇の奥へ──

太陽と砂の国、国の王たちは何代にも何代にも渡り国を治め続けた。

しかし、太陽の国の王たちは限りある命を恐れた。限りある命を永遠のものとせんと、王たちは様々な知略、策略を講じたと。

西の国の果てから東の国の果てから不老不死になると伝わる薬を取り寄せては試し、効果の現れんままに王たちは地下の墓地への中への沈んでいった。

だがあるとき

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業の秘剣―あらすじ

―業の秘剣―どうだ?大盗賊の血が騒がねえか?この海を越えれば世界を統べる大都だ!

業の秘剣―あらすじ

古代の大王国「太陽と砂の国」の下町の一角、不思議な夢をみた少年「ルイ」のもとに突如現れた言葉を話す青い鳥「ライズ」。

ライズは自らのことを世界を800年統べた後400年前に滅びた大王だと言う。

砂漠に囲まれたこの国の人々は『リネン』の規範という人のあるべき姿を維持する法を第一としていた。

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