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中東のカフェを独断で分類してみた=③

このシリーズの①では、中東のカフェを紹介する際の5つのキーワードを示した。

①庶民的 / ②開放的 / ③お座敷/ ④フレンチ / ⑤歴史の香り

この5つのキーワードを示したうえで、「①庶民的」で特徴づけられるいくつかのカフェを紹介したのが第1回。2回目の前回は、「②開放的」というキーワードでカフェを紹介した。

となると、シリーズ3回目の今回は、「③お座敷」がキーワードになる。日本でもあるまいし、「お座敷カフェなんて、ありえないだろ」という声が聞こえてくる。でも、ある。存在する。「イスに座らないカフェ」というものが。やはり、これは東洋的なのか、中東の中でも、東の方に多いような気がする。

ペルシャじゅうたんで有名なイランは、やはりじゅうたんも美しい。上の写真は、首都テヘランの北方、山のふもとにある避暑地ダラケという場所にある。

これもダラケのカフェ。外光も取り入れた明るく開放感のあるつくりなので、気持ちよく横になってチャイ(紅茶)を飲みながらのんびりできる。

ただし、イランもそんなのんびりしたカフェばかりではない。上のにぎやかな写真は、テヘラン北部の繁華街タジューリシュにあるカフェ。足をのばすのも一苦労。ちなみに、このカフェには女性が一人もいなかった。女性は禁止なのか、というとそういうわけでもない。女性OKのところと、そうではないところが存在しているようだ。


こちらは、流麗な4行詩集「ルバイヤート」の作者、オマル・ハイヤームの生まれた土地としても知られるイラン北東部ネイシャブール。カフェで、ルバイヤートの朗読会をしている人もいた。

ペルシャ湾をはさんでイランの対岸の国、サウジアラビアにも、「お座敷カフェ」は多かった。

区画が低いパーテーションで区切られ、1区画ごとにテレビが設置されているのが面白かった。サッカー観戦をしながら、超特大の水タバコをふかして、長い夜を過ごす、というのがサウジアラビア流。女性は完全「禁制」。

トルコでも、東のクルディスタンのほうに行くと「お座敷率」が上がっていく。上の写真は、トルコ・クルディスタンの「都」といえる東南部ディヤルバクルの郊外にあったカフェ。近くをチグリス川の源流が流れていて、メソポタミア文明を生み出した川のせせらぎの音を聞きながら、ゆったりとした時間を過ごすことができる。

「お座敷カフェは東のほうに多い」と言っておきながら、最後に、「西」のチュニジアのお座敷カフェを。

この記事のヘッダーにも使ったカフェだが、北アフリカの先住民族、ベルベル人特有の独特な色彩が美しい。首都チュニスの旧市街にあった。

地中海に面したリゾート地、シディブジドにあったカフェ。なんとも魅力的な空間だった。

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