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精神科医からエグゼクティブコーチへの転身!INSEAD・EMCの魅力とは?

INSEADのExecutive Master in Change(通称、EMC)にはどのようなビジネスプロフェッショナルが学びに来ているのか、実例を挙げてご説明します。
 
今回は、大学病院の精神科医の教授をしているクラスメイトの例です。
 
INSEAD・EMCは、“Together, we transform”をテーマに、「個人、家族、組織、社会」といったあらゆるシステムレベルで起こる“Change”について、組織論と心理学を用いた組織心理学の観点から、ビジネスプロフェッショナルに新しい視座を提供するプログラムです。
 
既にドクターである彼が、なぜINSEAD・EMCに来たのかは誰もが気になるところでした。彼はいつも私たちから、「今学んでいる心理学の分野なんて、君にとっては、朝飯前だよね~」などとからかわれていました(彼も否定しなかったので、きっとそうだったのでしょう笑)。
しかも、彼はドイツに住んでいるので、なぜ近くにフランスのフォンティ(フォンテンブロー)キャンパスがあるにも関わらず、わざわざアジアキャンパスを選んで“国際通学”をしているのかも謎でした。
 
彼のEMCへの期待は以下の内容でした。
 
「私は臨床とアカデミアの分野で長年キャリアを積んできました。ある意味、今到達できるポジションは全て手に入れてしまったのです。大学病院でも、それなりの地位にあります。しかし、これ以上の収入アップは見込めません。次のキャリアとして、ビジネス界に向けた、エグゼクティブコーチングをしたいと思っており、ビジネスのこと、経済界のことを全く知らない私は、ビジネススクールで学ぶ必要があると思いました。EMCを通して、ビジネス界との繋がりを築き、ビジネスの世界で活躍してきたクラスメイトから学びたいと思っています。」
 
そして、2年間のプログラムを経て、彼は目標通りにエグゼクティブコーチとして活躍しています。ビジネス界からの引きが強く、口コミを通じてクライアントも着実に増えているそうで、彼は待つだけではなく、積極的に行動し、学び直して自分をリポジショニングし、目標を達成しました。

ちなみに、彼は、EMCで提出した修論を、近々出版予定です。(!) 

今振り返れば、彼は授業後など皆でゴハンに行く際には、クラスメイトとの交流を通して、ビジネスの世界や、ビジネスプロフェッショナルについてよく知ろうと意識しているように感じました。さらに、彼は最初からクラスメイトに自分の弱点を打ち明けていました。「私はアカデミアの世界しか知りません。それが今後のキャリアの弱点だと思っています」と。だからこそ、私たち我々ビジネス界出身者は、「彼はビジネス界のことを知らないので、専門用語は気をつけよう」、「彼はビジネスプロフェッショナルについて知りたがっているので、この情報提供をしよう」と彼のためになるような接し方を考えることができました。
 
確固たるキャリアを既に築いた、キャリアに自信のある、40代後半、50代のプロフェッショナル(しかも男性)が、なかなか自分の弱点や改善点を他人にさらけ出すというのは、なかなかできることではないと私は思います。特に、私もお付き合いがあるので思うところがあるのですが、日本の大学教授や、学校の先生は、大学や研究機関という限られた社会、環境にずっといるため、ビジネスについてはあまり詳しくなく、ビジネスセンスに欠ける場合が多いのです。そして、日本ではそんな教授先生方が、”エグゼクティブコーチング”をされていることが実は多いのです。
 
それに対して、私たちビジネスマンは、「ビジネスのことを何も分かってない先生に、私の何が分かるんだ」「自分のおかれている状況を解ってもらえた気がしない」と呆れ、絶望し、諦めと落胆の気持ちで、「コーチングなんて使えない!意味なしっ!」「コーチは使いものにならない!」となり、しまいには、「コーチングは日本人には合わない!」という結論になりがちなのです。先ほどのクラスメイトの彼のような精神科医、大学教授のバックグラウンドに、ビジネスセンスが加わると、怖いものなしの最強のエグゼクティブコーチが生まれると思うのですが、日本ではまだまだこれからなのでしょう。

日本にはビジネスプロフェッショナルの真の壁打ち相手になることのできる、本物のコーチがまだまだ少ないのです。
 
INSEAD・EMCは、ただの心理学や、カウンセリング理論を学ぶ場ではありません。もちろんそれらの要素も学びますが、それら知識を私たちが実際生きる現実世界と結びつける方法を学ぶことが主です。

理論や知識といった“武器”を、実際の現実世界という“戦場”でどう使いこなし、どうやって“勝つ”か(そもそも自分にとっての勝ちとはどういうことなのか)を身をもって学ぶことができる場がINSEAD・EMCなのです。

クラスメイトの精神科医の彼にとっても、この点が彼の成長に貢献し、彼のキャリアを更に開花させた要因だと思います。
 
それでは、彼と同様のドクターでなければ、本物のコーチにはなれないのでしょうか。次の記事では、その答えとなるような、ビジネスサイドの代表的なクラスメイトについてご紹介します。
 
<おまけ>
今回の主役、この精神科医クラスメイトの彼。なぜドイツに住んでいて、近くにINSEADのフランスキャンパスがあるにも関わらず、わざわざアジアキャンパス(シンガポール)を選んで“国際通学”をしているのかという謎の答えですが、「フランスは近所すぎてつまらないから、より遠いシンガポールを選んで、通学ついでに東南アジア諸国をまわるため(実際、授業の度にバカンスをくっつけていました)」とのことで、私たちには全く参考にならない答えでした笑

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