カウンセリングを雑談と言う人からは全力で逃げろ
「占い師やカウンセラーは短命ですよ」
占い講座で先生に言われた。
先に書いたように私はADHD脳だ。
だから,「あなたは日本語が上手くないから」と,指導教授に言われたくらい,話は枝葉に飛びやすい。
さすがにカウンセリング場面では,そんなことはしない。
カウンセリングの主体は相談者で,カウンセラーは相談者の話に伴走し,相談者が自己認知を深め,自己成長を遂げようとすることに共感的理解を深めようとする。
カウンセリングは「言葉」ありきだ。
言葉が上手くなかったり,話せない子どもは,言葉が中心のカウンセリングではなく,プレイセラピーという遊戯療法になるし,大人であれば芸術療法のような言葉のいらないセラピーや動作法など動きが主体のものもある。
相談者のニードに合わせて,われわれカウンセラーは多種の技法を使う。
だけど,このニードがなかなか見えてこない人がいる。自分が何に困っていて,何をカウンセリングの目標とするのかがない人だ。
もちろん,それでもいい。カウンセリングを重ねることで,見つけていけばいい。
でも,「カウンセリングが何の役に立つのか。この間のカウンセリングはわたしには雑談に思えます」なんて言われたりすることもある。
そんな時は,なぜそう思うのかを相談者に尋ねる。相手がカウンセリング場面に慣れていたらとてもハッピーなのだけど,そうじゃない人もいるから何をカウンセリングに求めているのか,心理教育を行う。
カウンセリングは,言語能力が育っていることが大前提なので,言語理解力が弱めの人の場合,カウンセリングそのものが難しい。
カウンセリングは,割と,というか高度なことなのだ。
だから,カウンセリングの技法を駆使して,心理士はあれこれ試行錯誤して,相手との関係性を育て,ラポール(信頼)形成を図っていく。
また,相手がどうしてそのような考えに至ったのかの重要な背景を知るために受理面接(インテーク)では,生育歴だとか環境面を細かく聞いていく。
こういった質問も尋問にならないように相手に合わせて聞き方を工夫するし,これは大事な型だ。
でも,こんなカウンセラーの努力を「雑談」と切り捨てられてしまうと,こちらの意図が反故にされてしまって,なんだかむなしい。
「いつも相手を怒らせてしまう」
「あなたの言い方はひどいと言われる」
「まわりから人がいなくなる」
対人関係でこんなサインがあったら,もしかしたら,神経発達の未熟さがあるかもしれない。
特に,神経発達症(発達障害)のASD(自閉症スペクトラム症)の人は,自分がなぜ相手を怒らせたり,周りから人がいなくなるのかが気づきにくい。
ASDの特徴は,①言語能力の未熟さ,②コミュニケーションの苦手さ,③こだわり,④想像力の欠如と言われるように,社会性が薄いので,自分の言葉遣いが相手を責める,他責的であることにを想像しづらいからだ。
だから,ASDの人のカウンセリング場面では,言葉を使ってのやりとりよりも,「雑談」って,雑談じゃないんだよね。会話をスムーズに運ぶための潤滑油なんだよね。という,コミュニケーションのイロハから教えるSST(ソーシャルスキルトレーニング)から始めることがある。
すでに診断を受けていて,ドクターから「SST的なカウンセリングをお願い」みたいにカウンセリングのオーダーがあった場合は,共通認識があるから,話はそんなにこじれない。こじれたとしても,ドクターの指示を仰ぐことができるから,お互いに守られた中でカウンセリングができる。
でもそうじゃなくて,病院ではない場面で出会う人や自覚がない人には,「あなた社会性が薄いですよ。SST受けたらいいですよ」なんて,相手に失礼過ぎて絶対に言えないからまわりが悶々とする。
「雑談力の本なんてゴロゴロあるから読んだらいいですよ」なんて,気楽に言える関係性だったらいいけど,そんな物言いをしたら,「失礼ですね。わたしはそんなんじゃないです」って怒らせてしまうだろう。
大抵は,周りの人が気を利かせてそんなことは言わないから,「あの人,変わっているね」と,面と向かって言われずにひそひそ言われたりしているかもしれない。
「冷たいですね。見捨てるんですか」
そう思われるかもしれないけれど,カウンセラーだって人間だ。治療契約を結んだクライエントだったら職務を遂行するけれど,そうでない場面まで24時間カウンセラー役はしなくていいのだ。
もしカウンセリングの場面で自分の手に負えなければ,カウンセラーの交代だったり,なんらかの形で他者にゆだねることも担保されている。
関係性のバランスが崩れたままカウンセリングをしていても,それが双方にとってよくないからだ。
「答え」なんて,自分で見つけるしかないんだよ。
カウンセラーは,ヒントを一緒に探ることはできても,答えなんてその人にしかわからないし,わかろうと努力することが人生だよ。
人生は一問一答じゃないんだよ。いろんなグラデーション(濃度)があって,玉虫色だから面白いんだよ。
安易に答えを求めないで欲しい。もがき努力する課程を経験するために生まれて来たんだよ。すぐに答えが出る問題なんて,つまらないでしょ。
そんなことも年を重ねてわかるようになってきた。
カウンセリングを雑談なんていう人は,やはり未熟なのだろう。
「対話」は雑談ではない。対話の価値が分かる人と話したい。時間は有限だからだ。
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