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違う。そうじゃない……子どもの叫び声が耐えられない深いワケ

朝から末子がびぇびぇと泣く。ADHDの真ん中子がキーキーとうるさく騒いでいた。

「うるさいんだけど!キーキー叫ばないで!ママ限界なんだけど」

3人きょうだいの内,上の子はとっくに登校してしまったから,下の2人の小学生チームが朝のクソ忙しい時間帯によく騒ぐ。

だから,わたしの声もだんだんと大きくなる。

それを見ていた夫がボソッと一言。

「ほんと子どもが嫌いなんだね」

違う,そうじゃない。

「子どもが嫌いじゃなくて,わたしは叫び声がイヤなの。わたしの神経系が子どもの嬌声(きょうせい)に耐えられないだけ。わたしの自律神経が揺さぶられている生理現象なの」

夫に説明するけど,全然わかっていない。

朝は副交感神経から交感神経へ自律神経の切替の混乱期だからぼんやりしたり,逆に変なテンションになって,誰もかれも神経系は落ち着かない。

よもや子どもの声が母親の自律神経を攻撃するなんて思ってもいない。

みんなが混乱の嵐の中にいるのだ。

母親は,わが子の身の安全を確保する保安要員役をお腹に子どもが宿った時から担う。

それはホルモンの仕業だ。

オキシトシンという愛情ホルモンが自分の子どもをかわいがるように仕向けるし,親子間の情の通い合いを邪魔する者がいれば,それが夫であろうと「よそ者」として排除しようとする。

オキシトシンというと「愛情ホルモン」でよいものとされがちだけど,愛情の反対に「闘争反応」があるのだ。

子猫に手を触れようものなら,子どもを産んだばかりの母猫が「シャー」と威嚇するのはそれだ。

これは脳の生き残り反応で,生存本能なのだ。

生存本能の非常ベルの引き金が子どもの泣き声,叫び声だ。

子どもが泣いている ⇒ 子どもの命の危険かも ⇒ 子どもを守らねば
⇒ 交感神経フルスロットルの警戒態勢 ⇒ 闘うか?逃げるか?の判断

こんな感じで母親の脳内は,忙しくなる。

命に関わる危険な状況下では恐怖で集中力が高まり,脳は生き残りに集中してフルスピードで働く。

母親の神経には,他の音が重なっていても自分の子どもの声は,瞬時に聞き分けるように注意が向けられる,天然のノイズキャンセリング機能がある。

母親は子どもを守ろうとして,自律神経を毎日へとへとに消耗させている。

繰り返し言う。

子どもが嫌いなのではない。神経を興奮させ,エネルギーを奪う,子どもの叫び声が嫌いなのだ。

叫び声とはそういうものだ。

めったやたらと叫ぶものではなく,本当に命の危険がある時だけ叫ぶように,親は子どもをしつけていき,興奮した嬌声を発する神経回路は刈り取られていく。

こうやって親は自分の神経回路を子どもに貸してやり,子どもはその神経回路を借りる。

このやりとりがコミュニケーションであり,「協同調整」と呼ばれる愛情の絆となる。

子どもの神経回路はまだまだ未熟で勉強中だから,できなくて当たり前。

できるようになるために親は先生,まわりの大人たちは手助けをする。

だけど,自分がそのように育てられていない大人は,神経回路を貸せない。自分にないものは貸せないからだ。

子どもの叫び声は,かようにして深い意味を持つ。

このからくりを知ったら,日々子どものために命をすり減らして生きている母親に二度と「子どもが嫌い」なんて言えなくなるだろう。

子育てにおける父親の役割ってなんなんだろう。いつもいつも思う。

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論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。