セル画ラボ

セル画ラボのスタッフが持ち回りで、TwitterやInstagramでは伝えきれないこ…

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セル画ラボのスタッフが持ち回りで、TwitterやInstagramでは伝えきれないことを書いていければと思います。

最近の記事

新人の皆さん 入社おめでとうございます(by 上井草太郎)

新年度スタートですね。 4月1日に入社式というところは多いと思います。 私も29年前の4月1日、リクルートスーツ(だったと思います)を着て、このアニメタウンに来たのでした。よく覚えてるのは、その日は金曜日で、翌日は土曜でお休みだったのですが、土曜の朝、NiftyServe(パソコン通信)に1通のメールが届いていました。当時、Niftyには「アニメ制作フォーラム」というコミュニティがあり、そこに参加しているみなさんはアニメ業界人であり、名前はネットでは公表していないけどOFF会

    • Anime Japan2023での出会いと再会(by 上井草太郎)

      3月25、26日の「アニメジャパン2023」パブリックデイが終わりました。 セル画ラボで現在修行中の、まいさんが会場スタッフとして参加したのですが、多くのお客様との出会いがあったそうです。その中から少しご紹介します。 一人の女性は、学生時代にアニメーションクラブに所属されていて、放課後は毎日セル画の制作をされていたそうです。就職活動ではアニメの仕上げ会社を希望されたそうですが「これからはデジタルになるのでセル画はなくなります」と言われ、この道に進むのはあきらめたのだそうで

      • アニメジャパンまであと5日(by 上井草太郎)

        TOP画像は今、心斎橋PARCOで行われている、セル画ラボのPOPUP(3月21日まで)です。私は東京で留守番ですが、現地に入ったスタッフの話によると、今回も熱心に塗り実演に見入っている方がいらしていたそうです。アニメの彩色に興味を持ってくれる若い人が増えると嬉しいです。 さて、今日もアニメタウンの一角ではアニメジャパン2023でお披露目するセル画の制作が進んでいます。 デジタルの現場ではカチっと「1クリック」で色が塗れますが、セルの現場は絵筆で、丁寧かつ繊細な作業が淡々

        • アニメーターGOZさん来訪(by 上井草太郎)

          今日はアニメーターGOZさんが現場に来訪されました。 これから着手するプロジェクトの打ち合わせのためです。 今回は情報解禁前ですのであまり書けませんが、セル画世代でない、GOZ氏とセル画の出会いによって、新たなセル画の可能性が切り拓かれて欲しい、と切に思います。 上井草太郎

        新人の皆さん 入社おめでとうございます(by 上井草太郎)

          エアブラシ(特効)の打ち合わせ(by 上井草太郎)

          TOP画像はとある町で見かけた、地域猫たちの縄張りパトロールの様子。下町はこう言う光景が見られるのがいいですね。 今日は私がかつてお世話になった「特効」のHさんに30年ぶりにお会いしました。「アニメジャパン2023」でお披露目する新作セルの「特効」の打ち合わせのため、アニメタウンまでお越しいただいたのです。「特効」とは特殊効果のことで、エアブラシなどを使って、セルに「質感」を与えたり、光の効果を表現する工程を指します。 私が新入社員だった頃、大変お世話になった特効のHさん

          エアブラシ(特効)の打ち合わせ(by 上井草太郎)

          羽田空港✈️ハネダハウスセル画展(by 藍ひろみ)

          今日は、セル画の実演がありました。 実際に間近で見れる機会がないので感動‼️ コンピューターで作るアニメーションとは全然違う、温かみを感じました。 セル画制作工程手作業で色を塗ることで、一つ一つの部分に細かいニュアンスが表現されてるから、見てるこっちもワクワクしてきます。 手作業で作っていたと思うと気が遠くなる^^; セル画時代のアニメを見直そう!! 塗りの実演は3月4日、5日の2日間だけですが、セル画の展示は3月8日までやっています。 ぜひお立ち寄りください。

          羽田空港✈️ハネダハウスセル画展(by 藍ひろみ)

          若い人たちへの継承(by 上井草太郎)

          TOP画像は台湾でFF会場への移動中、信号待ちをしているタクシーの中から撮った一枚です。日本語で言うところの「痛い人」とか「痛い格好」というニュアンスを中国語の「痛」で表現できるのか?と思いましたが、台湾人で「痛車道」という言葉を面白がれるというのは、日本語の「痛い」を理解しているということなのだろうか、と、由なしごとを思い巡らしたのがつい1ヶ月前。時の経つのは早いですね。 去年入った新人はアニメタウンのスタジオで今日も塗りの修行をしています。さらに4月からは2名入る予定で

          若い人たちへの継承(by 上井草太郎)

          20年ぶりに筆をもつ(by 上井草太郎)

          昨年末のコミックマーケット101において、「セル画ラボ」は初めて世に出ることになりました。セル画時代の経験がある職人が、デジタルの現場でまだ現役として活躍されている、このタイミングでその技術を若い人たちに伝える場=ラボを作りたい、という思いからアニメタウンに通い始めました。 少しずつですが新人も入り、ベテラン職人に筆使いを教わる、修行の日々です。 ベテラン職人も20年ぶりに筆を取ったわけですが、すぐに手が感覚を思い出し、セルの上にカブラペンで見事なハンドトレス(トレスマシ

          20年ぶりに筆をもつ(by 上井草太郎)

          台湾ファンシーフロンティア視察(by 上井草太郎)

          3年ぶりに台湾に来ました。ファンシーフロンティア(FF)という日本のコミケのような同人イベントの視察です。台湾も日本も、来ているお客さんが似ているなと改めて感じました。 小雨が降ったり止んだりでしたが、むしろ暑くなく、ちょうど良かったと思います。しかし夏は、日本のコミケ以上に、会場の熱気は大変なことになりそうです。 コスプレイヤーのくるみさんが、「ホロライブ」の「がうる・ぐら」のコスプレで参戦しました。くるみさんが広場に現れるとたちまち、囲み撮影が開始されます。シンガポー

          台湾ファンシーフロンティア視察(by 上井草太郎)

          渋谷PARCOに作画机が鎮座している(by 上井草太郎)

          まさか、こんな光景を見るとは思いませんでした。 オシャレな若者の街・渋谷のど真ん中、渋谷PARCO5階に、なんと「作画机」があるという、奇妙な絵。私、上井が30年前からお世話になっている、仕上げ界の大御所が、これからセル画に挑戦しようという若者に、全ての知識と技術を継承しようと、時間を惜しんで教えてくれている。なぜか、渋谷PARCOで。 PARCOでセル画の色塗りしてるんだもの、よく考えたらすごいことですよ。 嬉しかったのは家族づれで、ふらっと通りかかっただけなのに、塗り

          渋谷PARCOに作画机が鎮座している(by 上井草太郎)

          アニメタウンに戻ってきた話(by 上井草太郎)

          セル画ラボの上井草太郎です。読み方は、「うわい そうたろう」とでもお読みください。 私は30年前にアニメ業界に入り、エンタメ業界内で転職し、最近また戻ってきた、アラフィフです。 当時と変わらない、アニメタウンの駅ホームに降り立つと、時間が巻き戻ったかのような錯覚に襲われます。 自然と足は、私がかつて所属したスタジオのあったビルに向かいます。今は別の会社が入っていますが、半地下みたいな1階の佇まいに、懐かしさが込み上げてきます。 このスタジオの新人には、仕上げ会社での研修

          アニメタウンに戻ってきた話(by 上井草太郎)