見出し画像

「クリスマスの奇跡」は信じていなかったけれど

もしかしたら奇跡が起きたのかもしれない。

こんなことを口にすることなど思ってもみなかった。だが、奇跡が起きたと言いたくなるほど不思議なことが私の身に起きた。

体の不調が予期せぬ形で改善したのだ。



体の不調を諦めないと決めた今年の2月


「快適な体を手に入れることを諦めない」という覚悟で動き始めたのは今年の2月。世の中が日常を失う中、この状況だからできることをしようと心に決め、体の問題で宙ぶらりんになっていたことを解決しようとした。

そもそも「開腹手術」を受けた者は、それくらいの不調は甘んじて受け入れるべしと思っていた体の不具合だった。むしろ、それを不調と認めてすらいなかったかもしれない。

こんな自分が当たり前なんだ。不調はあって当たり前の体だ。そういう現実として受け入れていたが、悪あがきと不評をかったとしても何とかしたいと動き出した。

QOLをあげる覚悟を決めたのだ。


抱えていた不調はどんなもの?


具体的には、体幹がふらついて歩きにくい立ちにくいと感じていたことだった。普段の生活でもふらつくのだから、バスの中で立って乗車するときなど自分の体を支えるのは腕の力に頼るしかなかった。

それとは別に左股関節に違和感があった。椅子に座るとコリコリとした何かがあたるような感覚、姿勢によっては「圧迫感」があった。整体に通っていくらかマシになったが、それでも違和感はあった。

横になる以外の状態で、体は不快だったのだ。

立っているのも苦痛、座っているのも苦痛、歩いているのはもちろん苦痛。そんな毎日を私は4年近く過ごしていたのだ。お腹を開けた手術をしたことに間違いはないため、何かの不具合を疑ったこともあった。だが、全ての疑問は一つの言葉でかき消される。「命があるだけマシですよ」と。

それでも諦めきれず、それでも未来を諦めきれず、私は改善のために動いていた。わずかな期待を胸にQOLをあげるための手術を受けていた。今年の8月のことだ。

そのため少しは改善していたが、万全とはならず。これ以上を求めるのは無理なんだと現実を認めようとしていた。

それがこの12月初旬の私であった。



改善の予兆を感じたクリスマスの朝


そんな不具合が、クリスマスの朝、嘘のように消えていた。

よくよく振り返ってみると、クリスマス・イブから兆候はあった。

つまり何が起きたのかと記憶を辿っていくと、23日の過ごし方が、この奇跡をもたらした要因だと気づくことができたのだ。

23日に何があったのか?

大腸がんの疑いで、内視鏡検査を受けていた。病歴を鑑み、ほぼほぼそうだろうという覚悟で検査を受けていたのだ。

私にとって人生3度目のがんを覚悟して受けた検査。

結果は異状なし。ポリープのひとつさえ見当たらないほどキレイな大腸内部であった。痔もなく、出血の原因は不明なまま。信じられないほど良好な結果となったのだ。

その結果を知らされ、浮かれ気分で床に就いた23日の夜、私の体に変化が起きる。



医学的な根拠がないからこそ


エビデンスのあるものではない。医師のお墨付きがあるわけではない。そのことを予め断わっておくが、それでもなお、ここに書いてもよいのかと戸惑うほどのことが私の身に起きた。

体幹のブレのようなものは全くなくなった。左股関節の圧迫感も嘘のように消えている。実は腹部の見た目にも変化があった。上から見下ろすと左右非対称だったお腹の膨らみは、左右対称にほんわかと丸みを帯びた腹部になっていた。

つまり快適な体になっていたのだ。

24日の朝にそれを感じながらも半信半疑だった私。だが、25日の朝、その変化は確実なものとなる。本当に体の内部が変わったかのよう。可動域に制限を感じていた体幹部が自由を取り戻してきている。

医学的根拠はなかったとしても、実際に私の身におきたこと。エビデンスと呼ぶほどの再現性はないだろう。むしろ医学的根拠がないからこそ、奇跡という言葉が頭に浮かぶのだ。



想像も期待もしていなかった改善の結果


誰もが大腸内視鏡検査で改善を得られるわけではない。

誰もが大腸内視鏡検査のきっかけを得られるわけではない。そもそも「がんの疑いありき」で受けた検査だ。

これらを考えたとき、私はなんと幸運であったか。

だが、ただじっと幸運が降ってくるのを待っていたわけではない。体の不調を改善しようと動いてきたからこそ得られたチャンスであった。

私自身が努力を重ねたことには違いないのだが、それでも、この結果は想像だにしなかった結果だ。

想像しなかった結果を導いたこの幸運。

なぜこんなことが私に起きたのか。あれやこれやと想像してみても答えは出そうにない。だからクリスマスの奇跡というコトにしておこうかと思う。

クリスマスの奇跡は信じていなかったけれど。