惚れ惚れする酢豚
ーパイナップルが遠慮がちに2つ入っているー
今年の夏、母と2人で京都に行った。
その何日目かの夜ごはん。
満を辞してバスに乗る。
上七軒で降りて、念願の中華料理屋さん「糸仙」へ。
夏の夜の京都は涼しくて眩しい。
・・・
お店に入って、座敷に通される。
とりあえず瓶ビールを2人で半分こする。
普段、会社の人と一緒にビールを飲むときは、恥ずかしくて「(ゴクッ)あーー!」ができないでいるけど、この日一緒だったのは母だったので念願の「(ゴクッ)あーー!」を試しにやってみた。
やっぱり声に出した方がおいしくなる気がする。
来年の目標は、会社の人の前で「(ゴクッ)あーー!」をやってみることだな。
・・・
メニューを見て、食べたいものを片っ端から頼んでいく。
「春巻き、あんかけ揚げそば、鶏肉とカシュナッツ炒め、あと、、酢豚!」
頼んだものが次から次へと出てくるのも中華の楽しいところだ。
まずは春巻きを。
よく見たら長〜い1本が、かわいく8分割されて出てくる。
京都の春巻きは衣が卵でできていると前に何かで読んだことがある。
卵の皮は薄くてぱりっぱりだった。
中には、春雨?ビーフン?それともそうめん?みたいな麺が入っていた。
鶏肉とカシュナッツ炒めも。
花束みたい。
学生の頃、中国料理の調理実習でこの料理を作ったのだが、そのときも材料を全部立方体ぽくなるようにコロコロ切ったのを覚えている。
ねぎでも切り方次第でかわいくなれるんだな、と。
そして待ちに待った酢豚の登場。
記念写真を撮ってふと一息ついたところで事件が発生した。
「ハッ!!パイナップルが1つしかない!!」
そう言いながら一ミリも譲る気のない私に気づいた母は呆れたように「あげるよ(笑)」と言ってくれた。
しかしその次の瞬間、肉と肉の隙間から見つかった2つ目のパイナップル。
傲慢なところを見せるだけ見せて終わった醜い私、とほほ。
(これ、友だちの前とかじゃなくてほんとよかったな。)
てことは3人で行ったら争いが起きるということですね。
3人で中華に行くなら東京のティムホーワンがおすすめです。
恍惚とした色といい粘性といい見るからにはちみつっぽいたれ?がからまっている。
案の定、はちみつ絶対入れてるよね?って感じのとろんとした味だった。
しかも具がほぼ主役の豚肉しかないというのも京都の中華の特徴らしい。
これもまたいい。
主役しかいないところにたまに名脇役のパイナップルが挟まってくると、もうなんだか休む暇がない。
酢豚には野菜でつける緩急なんていらないのかもしれない。
あんかけ揚げ焼きそばは何の心配もしていなかったけどもちろんおいしかった。
もやしが豆もやしでびっくりした。
ここまで食べ終わってまだお腹に少し余裕があった私たち、シュウマイと杏仁豆腐を追加で頼む。
シュウマイはお肉が粗挽きでとろけた。
杏仁豆腐は端にある赤いゼリーがめちゃお酒味でびっくりした。
白い方(杏仁豆腐)はなめらかで弾力があるかわいい系。
食後のデザートって、胡麻団子みたいに爆弾級に重いやつも嬉しいんだけど、こういうつるんと締めくくれるのもいいなあ。
満腹になって店を出る。
お腹いっぱいで歩く夜の道は、何だか幸せなあかりが灯っているように見える。
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