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[読書]よろこびの歌 宮下奈都

 希望しない高校に入り、静かに潜むような日々を送っていた玲。彼女から始まる物語の口明けは、決して良いものではなかった。でも6人の女子高生それぞれの心の葛藤は、違う物語を奏でているが、著者の巧みなコンダクトにより少しずつ前を向いていき、一つの歌に昇華していく。

 最後は必ずハッピーな方へ向うんだろうなと思いながら読んだが、想像以上にうまく一つにまとまっていき、なんだか心温かになる。彼女らの歌がどんなふうに届いたのかはわからない。それは我々読んだ者が感じてみることだ。さあ、眼を瞑り、彼女らの歌を聞いてみよう。

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