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詩です、詩だと思って読むと腰が抜ける間抜け具合に仕上がっております。
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記事一覧

詩 真面目

詩 真面目

真面目だねって言われるたび
にっこりと笑うことにしてる
とんでもないとんでもないの
脳の中身を見せてあげようか
卒倒すること請け合いだから

詩 病苦

詩 病苦

一番きつい時のことは忘れてしまった。
誰に話しても落ち込ませるだけだから。
生きていればまた笑うことができるんだな。
その発見がわたしをまた立ち上がらせる。

詩 太陽

詩 太陽

心が美しい人に出会った日
自分の不足分に気づかされた
曖昧さで乗り切ろうとしたけれど
落ち込み具合はどうしたものか
大丈夫、あんたにも
必然性はあるよ
言い聞かす、言い聞かす
押し負けないように
恥ずかしさに負けぬように
太陽を見ていた帰り道

詩 爪

詩 爪

整えてもらった爪に塗ってもらったオイルは
ジャスミンの匂い
ただ透明なジェルネイル スクエアの形した爪
大満足で眺める 自然に笑顔が溢れる
自分じゃこうはいかない 不器用なわたしでは
きれいと思われたいな あなたにも
指先が羽ばたく 蝶が飛ぶように あてもなく
指先が動きだす あなたの居場所 探すように

買い物に行く

良人はあまりご飯を食べません
わたしの料理の腕がまずいのか
柿の種をぽりぽり小動物のように
むさぼっている
おさかなソーセージも好みらしい
いつの間にか
二本も減っている
良人は煙草を買いに行く以外
買い物には同行しない
最初は寂しかったけれど
今は気が楽
一人のスーパーマーケット
一人のショッピングモール
一人のデパートメントストア
本当に気が楽だ
購入した荷物たちが
肩に食い込んで痛くとも

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雨に閉じ込められて

良人は歯ぎしりをたてている
靴が濡れることよりも
傘をさすことが鬱陶しくて
外出することを躊躇してしまう
部屋では独り、音楽を聴いている
今の時間昼寝をしてしまったら夜に眠れなくなるだろう
困るのは良人、判り切ったことなのに
馬鹿じゃないかと思う
わたしと対峙するのが怖いのか億劫なのか
小さな画面と常に向き合って
貴重な休みを過ごす良人も悲しい
何も話すことはない
空っぽな夫婦生活も悲しい
胃の腑

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詩 告白

詩 告白

喫茶店でホットケーキ全域に
バターを塗りたくっていましたら
向かいの席でコーヒーを飲んでいたあなたが

すきだ
の三文字でいいよ
難しい言葉はいらないから
勇気を持っておいで
と言い出しました

あなたは何も知らない
わたしのことなど何も
好きなものも
嫌いなものも

わたしはとっても勇敢です
告白ぐらい速攻で
好きな人にはいたします
なめんな

詩 大阪は西にある

詩 大阪は西にある

世界地図でみれば
ほんの数ミリの緯度と経度のずれで
話す言葉が全く違うね
新幹線で何時間かで
辿り着けるはずなのに
異国の地のような気さえするよ
あなたの生まれた場所
わたしが生まれたかった場所

詩 危ない

堕ちていく堕ちていく
二人手を繋いで
ここから
消えていく消えていく
二人歩みを揃えて
怖くないの怖くないの
二人ならきっと
ここから
世界から出ていこう

詩 万馬券

詩 万馬券

さぁさレースの発走だ
わたし何もわかんない
騎手のことも血統もどこの厩舎かも
それでも馬連
あなたの誕生日
いつかは当たる?
そこのけそこのけお馬が走る
1600メーター1分33
あららまた外したわ〜
他人事みたいに呟いて
どのみちお金は賭けていない
もしももしも当たったら
告白すべきかどうしよか

詩 知りたい

詩 知りたい

あなたが
今朝
どんな気持ちで
その靴下を
選んだのか
知りたい

あなたが
今夜
どんな顔して
その靴下を
脱ぐのか
知りたい

詩 素足

詩 素足

ジーンズの裾からのぞく素足を
無防備に見せる
あなた
はだかを見るよりも
ありがたい
そんなことを考えている

詩 蒼海

詩 蒼海

薫るは沈丁花 匂うは百合の花 枯れるは薄野原
御神楽 祭りの灯 賑わう人の群れ
貴方の影は見えぬ
この哀しき儚い現身
すぐに逃げ出したくもなるけど
一縷の望み やっと繋いだ あの日交わした約束

波の音が記憶を呼び覚ます 
甘い台詞も 横顔も
失せぬ想い 何度も描き出す 
下弦の月を待ち侘びる
ずっと君を待っていた松原 
君のいた夏は戻らない
それなのにただ明日を見据えて
生きてゆく運命をたどるの

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詩 全てを肯定することは全てを否定することに繋がる

にこにこと愛想笑い
悪いことは悪いと
言えなかった今日のわたし
絶望を飴のように味わう
あぁあふぁああ
部屋についたらすぐ枕に顔をつけて
叫びたい
恥ずい哀しい悔しい切ない情けない
正しいものに成りたいだけなのに