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【第1回】考え方のグラデーション「対人関係にひそむ10のゆがみ」



はじめに

こんにちは、元手術室看護師で心理カウンセリング・コーチング業HOLISTIC CURE JAPAN代表のChica Yoshikawaです。普段は仕事以外で学んだことや個人的なエッセイ、3分書評、映画評などなど興味あることを書いていきますが、前回に引き続き医療観点を踏まえた真面目な「認知」の話をしていきます。

前回【初回】あなたは気付いてる?「対人関係にひそむ10のゆがみ」から始まりました、連載「対人関係にひそむ10のゆがみ」。

今回は「全か無か思考」についてお話しします。さらに後半には「自分の感情を理解することについて」も書き示しておこうと思います。

「全か無か思考」all-or-nothing thinking

さて、本題の「全か無か思考」に入っていきます。これはつまり、物事を極端に、白か黒かどちらかに分けて考えてしまう考え方の傾向です。

例えば、

  • ”いつも100点が取れるはずの小テスト、今回は88点だった。その時の「もう完全にダメだ、もうこの教科を勉強したくない」という具合に感情が乱れて気分が沈んだりする。”

  • ”新しいことにチャレンジしてみたけど、思った以上にキツく難しかった…人生嫌になった。”

この考え方も「全か無か思考」の一例です。

この考え方のベースには完璧主義があります。
”私は完璧主義じゃないよ、だって、自分がただダメなだけなんだ”と思う方もいるかもしれません。しかし、その考え方そのものが「全か無か思考」なのです。それは脳があなたの心の中を処理し、それにただ意味を与えているだけのことなのです。

このような「全か無か思考」は非現実的でもあります。ある人が全面的にどこをとっても優れている、その人はダメであるということ自体がこの世にありえないことなのです。

この世の中には”完全”ということは存在し難いことで、あなたが「全か無か思考」を強く持っているならば、あなたが現実と折り合いをつけようとしない限り、あなたの考え方と感情は辛いままなのです。一助として、次に考え方の癖を和らげる術《すべ》を書き示します。


あなたの感情を、あなたが正しく理解すること

まずは、考え感情を切り離すことを知りましょう。今の気分・感情はあなたの考えの産物でもありますから、あなたの考え方次第で、感情や気分を変容させることも可能なのです。

次に、過去のいやな出来事・体験で

  • 今までやってきたことが無意味に思える

  • 幸せは錯覚だったと感じる

  • 達成してきたことが、無に帰してしまった など

このような感情がよぎったことはありませんか?この感情ゆえに、ぐったりと疲れたり、気分が沈んだりします。このような感情に嵌《ハマ》ってしまう時、その直前か最中に何かマイナスな考え方をしているはずです。

あなたがダメだ、嫌になった、と思ったことを一部分だけ取り出すのではなく、グラデーションのように捉えていきます。考えを変えることで、感情も変わるのです。まずは、マイナスな感情が出てきた時にマイナスな考え方をしていなかったか、振り返ってみる。それが第一歩です。


終わりに

前回にも述べましたが、「認知の歪み」は誰にでもあり、ゼロにはできません。今回お話しした「全か無か思考」のように、現実には100%の完全無欠なんてあり得ない話なのです。
正しい物事の認知ができるように自分の思考をコントロールしていくことが大切なので、連載「対人関係にひそむ10のゆがみ」第2回をフォローの上、ご参照ください。

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参考書籍:David D. Burns著『Feeling Good:The New Mood Therapy』

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