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駐在員妻など全く望んでいなかった

20年ほど前、駐在員妻(以下駐妻)としてアジア某国の大都会で暮らしていました。今回はその当時の思い出話をしたいと思います。

夫に海外転勤の辞令が出たと聞いた時、私は涙が止まりませんでした。

間違っても「海外に住める!」と喜んだからではありません。夫が私や子どもになんの相談もせず、家族帯同の海外転勤を承諾した身勝手さに深い怒りを覚えたからです。

当時再就職に向けて動いていた私はもちろん、転勤で友達と離れる子どもたちにとっても、夫の海外転勤は災難以外の何物でもありませんでした。

過去に2度、私の出産直後に引越しを伴う転勤辞令を出した会社です。だから小学校入学と同時に転勤辞令が出ることは想定済み。転勤先で仕事を探すことを検討していました。

しかし、よりによって妻の就業が禁じられている海外への転勤とは、一体なんの嫌がらせでしょう。夫や夫の会社にはもう殺意しかありませんでしたね……(遠い目)

ただ、私が拒否すれば、夫が立場を悪くして生活が成り立たなくなります。それで涙をのみ、渋々一家で海外に行く羽目になりました。

当時はまだ駐在員妻に憧れを抱く女性が多かった時代。夫の同僚のご夫人方にも、「海外駐在員のポストを狙うように」と、夫を焚きつける人が結構いました。

そのようなご家庭に限って夫に海外への転勤辞令が出ず、私のように全く望まぬ人間が海外に行く羽目になるとは……可能ならぜひ喜んで代わって差し上げたかったのですが、さすがにそれは無理でした。

かくして、初めての海外転勤にテンションMAXの夫を尻目に、私と子どもは非常に嫌な気持ちで海外に赴いたのです。

今日はここまで。気が向いたらまた続きを書きます。

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