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今年最後のレッスンのはじめの言葉。「料理を楽しむこと」

オンライン料理教室「イタリアのマンマ直伝パスタクラス」は今年最後のレッスン「イタリアンおせち2023」を行いました。

毎年大好評のおせちレッスン、1年の集大成として90分で5品作っていく、お祭りレッスンです。

さて、そんなレッスンの始まりに言ったことを文章に残しておきます。
全く同じ風には言っていない&もっと短かったはずですけれど、伝えたかったことなので、覚えている範囲で。

はじめの挨拶

皆様年末のお忙しい中、お集まり頂き、ありがとうございます。
今日は今年最後のレッスンですね。良いお正月を迎えられるように、これから一緒に楽しいおせちを作っていきましょう。

お正月は、イタリアのクリスマスと同様に、家族にとっては1年で1番大切な行事の1つで、料理も特別に華やかなものが並ぶ日ですね。

今、私は第二の家族の元におり、ちょうどクリスマスが終わったところです。

イタリアではクリスマスが1年で1番大切な家族行事。
順番に子供たちが帰省してきて、おばあちゃんの家に行く。子供たちはいとことの再会を楽しみ、遊び、おばあちゃんやマンマや叔母さん達がキッチンに立って、いそいそと料理の準備をする。居間では子供たちが小さかった頃の写真を見たり、親たちの結婚式の写真を見たり。

そんな様子、空気は、まさに私が過ごしてきたお正月の空気を思い起こさせるものでした。

子供たちの無邪気な顔。新郎新婦の緊張と幸せに満ちた顔。本当に良い写真ばかり。写真を見ると、撮った人のその瞬間の気持ちが思い浮かびます。写真にはその撮り手の心が反映されますよね。

料理も同じ。今も台所から漂ってくる香りやかちゃかちゃと調理器具を鳴らす音、その香りや音の向こう側には作り手の心があります。

家庭料理というのは、完璧なものではないし、完璧でなくて良いのですが、そこに食べ手への想いがあります。

そして、その想いはその時でなくても、いつか必ず伝わるものです。子供の時は、いとことの遊びに夢中で、母たちがどれだけ台所に立ち尽くして頑張って作っているか全く意識の及ばないところではあったけれど、27になった今、異国の地でこの文化を違う視点で見て、自分の祖母や母のおせち料理を思い出して、毎年のこの料理で育ってきたことを感じる瞬間があったりします。

イタリアのクリスマスや日本のお正月の料理は、年に1回だから、良い食材を使い、たくさん時間をかけて作りますね。力を入れて頑張るけれど、失敗することもあります。何せ毎日作るものではないので、力試しです。そして、大変なプレッシャーですよね。みんなが一堂に集まりお腹を空かせて待っていて、品数も量もたくさん作らないといけないし、毎年同じものでは飽きられるのですから。

だから、全部うまくいくわけではない。でも、それで良いんです。もっとうまく出来たかもしれないけれど、それはまた今度の楽しみ。

だけど、大切な家族のために一生懸命料理をするのは、本当に本当に素晴らしいことなのです。食卓を作る場を作ること、その豊かさを共有すること、それ自体が尊いものです。

なので、まずは、イタリアのクリスマス料理を食べてきてその感動を味わったばかりの私は、これから日本のおせち料理を作る皆様を心から尊敬しているのです。

皆様は、ここにいる時点でなんらかの理由で料理を学びに集まって下さっており、それは家族に少しでも美味しいおせちを食べてもらいたいという気持ちだったり、イタリア料理を学びたいという気持ちだったり、それぞれ違う理由があると思うのですが、すでにここにいらっしゃる時点で皆様素晴らしい方々だと思っているわけですが、今日は1年の最後ということで、私からはぜひ、何よりも皆様が楽しんでいって頂ければと思います。

今回ぜひ皆様に2つ持ち帰って欲しいもの。

まずは、シンプルで美味しい、イタリア料理のマンマの知恵です。

マンマの料理は食材も身近なもの、作り方もシンプルなのですが、本当に美味しい。それは、代々受け継がれてきたマンマの知恵があるからなんです。

イタリア中を回ってきた私が、その知恵をぎゅっとお伝えします。

今年最後の1回ということで、5品の中にエッセンスをたっぷり詰め込みました。
今回のメニューは、作り置きできて、短時間で品数多く作れて、見た目が華やかで、美味しい。ということを意識していますので、普段料理にも行かせると思います。

それから、もう1つは、料理を楽しむ心です。

食べるという行為は、1日3回訪れるもので、たまには面倒になったり、料理が好きでない場合は苦行だったり、家族を食べさせるプレッシャーを感じたり、嫌になることもあると思います。

でも、やっぱり料理って楽しいのです。

これは、本当にそう。イタリア中のマンマと料理をしてきて、私が何よりも感じたこと。

料理は、楽しいものですし、楽しんで良いのです。

完璧でなくて良いのです。自由に楽しむもの。
気分や手元にある材料でレシピを変えてみて良いし、新しいレシピも失敗を恐れず試せば良いし、それで上手くいけばレパートリーが増えるし、少しずつ上手くなったら嬉しい。

私なんかは、皆さんと比べたら、料理歴も浅く、へなちょこで、大雑把でこれで良いの!?と思うかもしれませんが、こうして皆さんで一緒に作って、自分なりに料理の楽しさを再発見して頂ければこの上なく幸いです。

だから、今日は皆さんが1番楽しんで頂ければと思います。

もう一度言います。料理って楽しいもの、楽しむものです。

だから、皆様に料理を楽しいって思ってもらうこと、これが私からの今日のメッセージであり、この1回に込める願いです。

それでは、皆さんPronti?準備は良いですか?

はじめましょう。

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