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【毒親】毒親自身も親のことで悩んでいる

以前書いた記事↓こちら

が、思いがけずたくさんの反応をいただいたので毒親で悩んでいるのは皆さんも一緒なのだなと感じ暖かい気持ちになりました。
読んでくださった方、スキをくださった方ありがとうございます。


わたしの母についてまた書こうと思います。
母は専業主婦業を完璧にすべく家庭の医学や健康法、栄養などについてよく本を読むひとでした。
高校生の頃、ハードカバーばかりの母の本棚に珍しく新書で「毒になる親(スーザン・フォワード著)」という不穏なタイトルの本を見つけました。こっそりと内容を読んだ気がしますが、母が自分自身のおかしさに気付いているとは思えなかったので、自覚があったのか!もしくは母も親に思うところがあるのだろう、気にしているから買ったんだろうな…と思うと、母も傷付けられた子どもなんだ、ということを知ってしまい衝撃を受けました。
ちなみに、調べてみたところ著者のスーザン・フォワードというイギリスの作家さんが子どもにとって悪影響な親を指す「毒親」という言葉を作った本人だとか。

わたしの母は典型的な機能不全家族、毒親育ちでした。たぶんアダルトチルドレンとも言うのかな(不勉強ですみません。)母方の祖父は会社員でしたがアルコール依存症で、仕事にも行かず出社拒否、そして家に閉じこもり一日中酔うようになっていきました。
依存症と発達障害も関連があると言われています。祖父も、もしかすると(きっとそうだと思いますが)発達傾向があって、社会に適応しきれず、家族を大事にしたくてもできずにお酒に縋ってしまったのではないかと思うと決して他人事には思えません。

母はあまり手は上げられなかったようですが、母のきょうだいはよく祖父に殴られたり、庭の木に縛り付けられたりしていたようです。母方の祖母は社交的な美人。(そんな引く手あまたの女性がなぜこんなダメ男と結婚したのか?と思いますが、なぜだかよくある話ですよね。ダメ男といい女がくっつくこの世の七不思議。)

そのうち母の両親は離婚し、祖母は女手ひとつで子たちを抱えて苦労します。世の中がバブルで浮かれる中で、貧しかった母は孤独感を強めていったでしょう。祖父は母が高校生の頃亡くなり、母は今も存命な祖母が好きで遠方に住んでいる割にはあれこれと世話をしたり定期的に電話をかけたりと仲良くしているようです。
自身が英語がとても得意で頭もよかったのに大学に進学しなかった(もしかしたらできなかったのかもしれない)ことを引き合いに出し、
「お前はお父さんが働いていて、お母さんが家にいて、こんなに恵まれているのに、なぜそんなに出来が悪いのか」と言うのですが。きっと母がわたしの環境にいたらCAになる夢を叶えることができたのに、甘ったれるなと言いたいのでしょう。

母も母で可哀想だと思います。つい最近まで恨んでいましたが、恨むという行為はまだ変わってくれるのではないかと期待しているから起こるんだと気付くとばかばかしくなりました。半世紀以上これで生きてきた人間が改心するはずない。今世では母との仲は諦めようと決めました。もちろん、こう思えるようになるまではかなり葛藤しましたし、時間がかかりました。

また、わたしの父もおそらく毒親育ちかと思われます。母とは違い暴力はなかったようですが、父の両親は2人ともが学者肌で、自分の仕事に没頭するあまりに子育てまで手が回らず、父は親戚の家にいつも預けられていたそうです。ネグレクトとはいいませんが、家事の能力もあまりない両親だったので食事を食べる前に腐っていないかどうか毎回匂いを嗅ぐ癖があり母とは違う意味で可哀想だなと思います。

そんな父と母がくっつき、それぞれが満たされなかった幼少期を埋めるべく子育てをしようとしたのだろうと思いますが…
わたしはADHD特性で普通の子よりも気難しく、なかなか寝付かなかったりなどと母に苦労をかけて申し訳ない気持ちと、だからといってあんなに傷付けられてもわたしだって辛い、という気持ちが同じくらいあります。
父にも、仕事ばかりで家に帰って来ず、精神を病んだ母の世話係をわたしばかりに押し付けないでほしかったと思ってしまいます。

いくら自分がつらい目にあったとしても、それと同じことを子どもにもしていいことにはなりません。それが怖いので私は子どもを作る気が全くありません。幸せな家庭というものがわからないのです。わからないものは自分で作れる気がしません。至極当然のはなしです。
毒されたらその子、孫、それ以降の子孫たちにまで毒が回る。遅効性で自分が子育てする頃に効いてくるとしたら、忘れたはずの痛みをぶり返す辛さと、同じことをしてしまった罪悪感で母もわたしといるのが辛いのかもしれない。もしかしたら父も。


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