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【医療コラム】 6年間で4500万円の医学部学費を免除! 僻地の医師不足を解消する医学部地域枠


■医師不足の改善策 医学部地域枠とは

病気や怪我の治療にあたり、国民の健康を守る職業である医師。その医師の不足は常に社会的な問題となっています。
医師不足は単に国民の人数に対する医師の数が足りないというだけの問題ではなく「医師の偏在」も大きな問題となっています。
東京などの都市部では医師が多いが人口の少ない地方では医師が育たず、医師の不足する地域が出る場合や、外科などのハードワークが必要な診療科や小児科などの収益化が他の科より難しい科の医師が少なくなる場合などがあります。
そのような医師の偏在に対応すべく、各大学や各自治体が設定している制度があります。
それが「医学部地域枠」です。今回は医師の偏在に対応すべく設定された医学部地域枠について解説をしていきます。

■医学部地域枠とはどのような制度か
医学部地域枠は地域の医師偏在を解消するために設定されている医学部入試の選抜枠です。
大学のある地域や、大学の指定する地域で一定年数勤務することを義務付けられる代わりに、奨学金の貸与が行われます。この奨学金は定められた期間、指定の地域で勤務することで返済の義務がなくなります。場合によっては診療科なども指定がある場合もあります。
大学入試の際に一般入試と別に選抜される場合もあれば、一般入試を受験した学生の中で地域枠の希望がある学生に奨学金を貸与する形で地域枠を募集する場合もあります。

2008年ごろから地域枠の定員が徐々に増やされていき、2020年は全大学の医学部定員の合計9330人中1679人が地域枠での選抜となっています。これは医学部に入学する学生の6人に1人にあたります。地域枠が設定された当初と比較すると地域枠は一般的な制度となっており、医学部入試を検討する学生の多くが一度は地域枠での受験を検討しているという状況になっています。
ここでは大学医学部地域枠補助金を抜粋して表にまとめました。
地域枠における学費免除のすごさがわかります。


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