儚ければ儚いほどそれは完璧な青春だ。【映画『溺れるナイフ』】
ジョージ朝倉原作、小松菜奈・菅田将暉主演の映画『溺れるナイフ』は、「神さん」が棲むと言われ神聖化された海のそばの町「浮雲」を舞台に、十代の若者の剥き出しで危うい恋と衝動を描いた作品だ。
伝説的少女コミックの実写映画化、神がかっていると言われたキャスティング、これが商業長編映画デビューとなる新鋭・山戸結希監督の撮る映像美と、話題性には事欠かなかった本作を観て、私が一番に感じたのは「違和感」だった。何故なのか。このレビューでは私が感じた「違和感」の正体を紐解いて、違和感を感じな