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2016年7月の記事一覧

ボール

ボール

僕が投げたボール
君は両手で抱きかかえ、僕に微笑む

君が投げたボール
ワンバウンドして僕の胸に飛び込んで、僕はそれを胸へとしまう

僕が投げたボール
君は見過ごす、目線も合わせないまま

消えたボール、探す僕
僕の想いどこへ行った?

君への気持ちは受け取り手が消えて、どこか彷徨う。
僕の元へと帰っておいでよ、悲しいけれど。
居場所のない僕の気持ちの方が悲しいから。

探す僕、消える君、彷徨う想

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measure

measure

均等に書かれた小さな線
短い線と少し長い線
15センチ

均等な線がさらに多くなり
少し長くなった。
30センチ

君のものさしは何センチだろう
15センチや30センチのものさしで
自分が進む道も
他人の望む未来も
判断していいのだろうか。

心の移り変わりなんて
季節の移り変わりより激しくて
天気予報のように予想することもできない。



A地点からB地点。
まっすぐ進む道なんてあるのだろうか

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7月1日 今年も半分が過ぎました。

7月1日 今年も半分が過ぎました。

7月1日。
2016年も上半期が終わりました。
今年もあと半分だそうです。

7月、毎年海開きのニュースで夏の始まりを知ります。実際に海に行くのはだいたい8月。本格的な暑さと夏の日差しと心の浮かれようは比例していくようです。9月も終わりの頃になれば、気持ちも落ち着き、まだ残暑が残る季節にも関わらず、夏の終わりの寂しさと切なさを感じるのです。
10月、11月はあっという間に過ぎ、あれよあれよと12月

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ナミノート

ナミノート

照りつける日差しが、キラキラと波を輝かせ、私の背中にも暑い視線を注いでいる。

ビート板よりも何倍も大きな板に上半身だけを乗せて浮いている。
背中に注がれる視線が後々私を苦しめるなんてことをこの時は考えない。

押し寄せる波に揉まれて、その大きな板から落とされる。
まるで、お前は俺には勝てないと、笑われているように。

その大きな波を越えて、私も穏やかな沖に向かいたい。
キラキラ光る波の上、ゆ

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te to te

te to te

来いの手に、跳ねるハート
進む歩

恋の手に、弾む緊張
伝わる汗

置いた手に、重なる温もり
安らぐ心

老いた手に、重ねた年月
深まる愛

合いの手に、奏でる会話
2人のリズム

愛の手に、相手の温もり感じては
離しても消えぬ、心の温かさかな
#書き物 #詩 #愛をください #zoo

賑わう街

賑わう街

時代の流れに身を投げて
月日だけがやたらと早く過ぎ去っていった。

ボヤける目線の先には
なにが写っているのだろうか。

先を行く者
流れに乗れる者
取り残される者

同じレールではなくとも
同じ時代を生きている

競い合わず、己のペースで流れていたとしても
何かに迫られるこの圧迫感は世の常なのだろうか。

焦点の合わないこの目は
見えるものも見ようとしない
頭の中だけが動き回り、疲れ果てる。

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星想い

星想い

星空が川を作ったところを見たことがない。
彦星と織姫は今年は会えるのだろうか。

狭いベランダから二人でみつめる。
片手には缶チューハイを持って、雲が覆う夜空をもう30分は眺めている。

「蚊に刺された〜」
O型の彼女は刺されやすいようだ。

「中に入る?」

「う〜ん」

曖昧な返事の時はその意と反対の時。
まだここにいたいんだな。

“天の川 場所”

指先で簡単に調べられる時代という

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贅沢時間

贅沢時間

静かな部屋
ひろく開けた窓から
雨音がポツポツと、聞こえてくる。

目を瞑ってしまえば
それは子守唄
意識が遠のく頃には無音の世界

手元の本を開けば
それは壮大なドラマのBGM
吸い込まれる頃には無音の中

暗い空を見上げていれば
この世界に浸れるのか
大小異なる雨音のmusic

働き詰めの脳みそも
器用に動く指先も
一日身体を支えた足の先までも
力が抜け、ソファの中へと沈んでいく

何もない

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満月

満月

いつからだろうか。
月の満ち欠けを気にするようになったのは。



小学生の頃、獅子座流星群が観れる、といって友達と夜の河川敷で集まったことを思い出す。
母親とベランダから夜空を眺めていたこともあった。

始めて流れ星を見たのはやっぱり獅子座流星群だった気がする。
途中まで頑張っていた母親も寝てしまい、私は1人、真夜中の夜空を見上げていた。
数は多くないが、一瞬にして消えていく星を何回か

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呼吸

呼吸

呼吸の音が部屋中を包み込む

楽に組んだ脚
左右のお尻に均等に体重を乗せ
背骨を一本一本積み上げていく
積み上げた背骨に力を委ね
頑張る背中の筋肉は解放しよう
両手は膝の上
手の重みを感じて肩の力を手放していく
軽く顎を引いて
首の骨をスーッと伸ばし
今の自分の呼吸へと耳を傾ける

吸って、吐いて…

ただただ呼吸を繰り返す
どこを膨らませるか、へこますか
そんなことは関係なく
今の自分の

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花

君は◯で、僕は△
あの子は□で、あの子も◯

外見は同じ人間で
中身は違う心があるね

私は少し縦長の◯で、あなたは等しい△
あの人は□というより台形ね
あの子は私と違う真ん丸

同じに見えて、少し違う
僕の見方と私の見方



みんな一緒から
一緒にしないでに
コピーからオリジナルに
集団は個となり
新たに生み出す新世界

個性が散らばるアスファルトの上
根を張り花を咲かせるか
それともアスフ

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海の見える街

海の見える街

潮を含んだ風が私の身体にまとわりつく。
一定の流れる波を見ていると、すべての感情を連れ去ってくれるような気がする。



暗い夜の海に浮かぶ船、明るいライトを照らしているのはイカ釣り漁船だから、そう教えてくれたのはあなたでしたね。

地元にもこんなに綺麗な海があったことも、その海への近道も、教えてくれたのはあなたでした。

車の中はいつもあなた色でしたね。
好きな音楽は同じでも、選曲はまったく違

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光

見上げた夜空
厚い雲が月を隠す

流れる雲間から
時折見える月の輝き
周りの雲さえも
輝きの一部となり
眠れぬ私たちを照らしてくれる



次々と消える街の灯り
今日はどこで眠ろうか。

怖いと泣くわが子を見て
ただ身体を温めるしかできない

誰かこの子を助けてくれたら

想いは届かず
ベトベトの油をかけられる

何も出来ないまま
ここで終えようか

怖いと泣くわが子
静かにしないとまた怒られる

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sea

sea

眠ってしまいたい

暑い日差しをパラソルで遮り
熱い砂浜をシートで和らげ

眠ってしまいたい

子供のはしゃぐ声も
きっと1オクターブ上がっているだろう女の声も
周りに目配せしながら歩く集団の男の声も

気にせずに眠ってしまいたい

汗をかいた素肌に
潮の香りと浮ついた砂浜とともにやってくる風が通り過ぎる

私は眠っていたい

気がつけば身体がヒリヒリしていた
天高く昇った太陽がニヤリと笑う
熱さ

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