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19年4月開"校?" N中等部について調べてみた

こんにちは。E研究員です。
先週末は関東で雪が降って非常に寒かったですね⛄️。
雪のなか都内のプログラミング教育イベントに参加したところ、「N中等部」について紹介があったため気になって調べてみました。

1. そもそもN中等部って何?

公式サイトの学校紹介によると、学校法人角川ドワンゴ学園が運営する"新しいコンセプトのスクール「プログレッシブスクール」"だそうです。

「プログレッシブスクール」とは、第4次産業革命による不確実な将来をしなやかに生き抜くために課題解決型学習によって「創造力」を養う、進歩的なスクールです。(https://n-jr.jp/about/)

中学生向けに「創造力」や生きる力を養う「スクール」のようですね。
特長として、生徒自らが興味がある分野を探求し、課題や解決方法を見つけてゆく実践型プロジェクト教育、とのことです。
2019年4月からスタートします。

2. N高の中学版みたいなもの?

「じゃあ、こちらの記事で紹介した通信制高校である「N高等学校」の中学生版のようなものかな?」
と思っていたのですが、どうやら違うようです。

N中等部は既存の中学校に在籍しながら通うダブルスクール型の"学校"です。
私立中学の感覚で「N中等部だけに在籍する」ということはできません。
既存の中学校と相談しつつ、中学校と「N中等部」の両方に籍を置いて学ぶスタイルです。なんだかややこしいですね。
1週間のうちの通学日数は選べるようですが、実際にどうやって既存の中学校と折り合いをつけるのかは19年4月以降に見えてくると思います。

3. どんなことを学べるの?

授業内容についてもざっくり調べてみました。

国語・数学・英語の基礎科目に加え、プログラミングを生徒全員に学ばせるようです。江戸時代の「読み・書き・そろばん」のように、将来を生きるために必要な(でも身につけ損ねる)基礎能力をしっかり学ぶスタイルです。

プログラミングに関しては、Scratch や レゴマインドストームを用いるようですね。これらは巷のプログラミグ教室・ロボットプログラミング教室と似ているかもしれません。

また、基礎能力を身につけさせた上で楽曲制作・小説制作・機械学習・ファッション・パティシエ(お菓子作り) などを選択して学べます。
角川ドワンゴの特色が出ていて面白そうですよね。ちなみに楽曲制作は「DTM・ボーカロイド授業」とあるので普通の音楽の授業とは全く違うと思われます。

漫画を学ぶ大学が近年話題になりましたが、中学時代から創作を専門に学んだらどんな人物が輩出されるのか、個人的にとても気になります。もし映画「響」の主人公のような10代がゴロゴロ現れたら面白いですよね。

4. その他の特徴は?

通学方法はN高と同じように「キャンパス通学型」と「通信教育型」の2パターンの学び方から選択できるようです。キャンパスは東京と大阪に開校予定です。

塾のような放課後学習ではなく、通常の学校のように朝から夕方まで学習するスタイルです。

さらにダブルスクール型なだけあり、通学頻度を週1日、週3日、週5日から選べます。部活や家庭の事情に合わせて選択できますね。

ちなみに、全校生徒にMacBookの購入を指定しています。ITスキルの形成に力を入れているので、こういう点にもこだわりがありますね(^.^)

5. ところで、授業料は?

「どうやら素敵な"学校"だということは分かったので、授業料はおいくら?」と思った方もいると思います。そのため学費を公式サイトから探して紹介します。

N中は1年を12学期(長期休みを除いた1年を12等分した期間)に分け、1期ごとの学費を提示しています。1期はおそらく3週間強に相当すると思います。

学費と教材・設備費の両方が期ごとに発生するため、年間48万円〜84万円かかります。これに入学金やMacBook費用、その他臨時で発生する費用があると思います。

料金表を見るからに、運営側としては「週3日」か「週5日」の通学スタイルを選択させようとしているように見えますね…(わざと割高な「週1日」を提示して「週3日」を割安に見せるテクニックかと勘ぐってしまいました笑)

ダブルスクールにこれだけの費用を払えるとなると、通えるお子さんはそれなりに意識が高い家庭か裕福な家庭に限られると思います。ただし、お子さんの将来への投資と考えると学費に対するイメージも変わってきそうです。

まとめ

「N高はすごいな!」と最近感動し、さらに同様の教育が中学生向けに広がっていく様子を見ると凄い時代が来たなと思ってしまいます(月並みですが)。

また、ここが重要なポイントだと思いますが

もしかしたら不登校やいじめ問題、周囲に馴染めない子への救いになる?

という示唆も得られました。中学のいじめ問題は直接の関係者だけでなく、周囲の子達にも影響します。「ターゲットにされないように自分は目立たないようにしよう」という意識が働き、この思考は大学生や社会人になっても尾を引いているように見えます。

通信教育が選べるN中等部は学区や土地に縛られないため、もしかしたらこれらの問題に"副次的に"効果をおよぼすかもしれません。その効果は、開校後の様子を見ていきたいと思います。

また最新の教育事情について調べて報告していきます。それでは。
追伸:
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