横田ブンガク

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横田ブンガク

Youtubeチャンネル「老人と文学社」の横田の方です。 https://www.youtube.com/@rojintobungakusya ツイッター @BunGaku_Yokota

最近の記事

GPT2-chatbotによる散文詩の出力、とそれを添削するぼく。

突如として現れた「GPT2-chatbot」。その異常とも思える出力を実際に試してみたくて、chatbot arenaで使ってみました。 5月1日3時現在、chatbot arenaから「GPT2-chatbot」は消えています。 プロンプト 「人が生きる楽しさと寂しさを同時に表現する散文詩を作ってください」 プロンプト 「人が生きる楽しさと寂しさを同時に表現する散文詩を作ってください」 GPT2-chatbotが出力した散文詩初見の感想素晴らしい。まず生成された散文詩

    • 映像表現とはなにか?についての一般化された答え

      ようやく自分自身納得できるひとつの答えを見出せたような気がします。まだ整理がついていない部分もありますが、それなりに見所のある考え方だと思えるので共有します。 また映像表現独自の特徴というわけではなく、表現についての一般的な議論が中心となります。 「予測と、その予測の修正」一枚のフレームに無くて、映像にはあるものはなにか それは、観賞する側の「予測と、その予測の修正」です。 例えば、月面での映像を考えます。 わたしたちが日常的に捉える重力は1Gです。地球のどこかで手に握

      • さよならの推論

        起もうすぐ春です。新しい場所での新しい生活。そして新しい出会い。人生は驚きと冒険に満ちています。 春は別れの季節です。聞きなれた声、嗅ぎ慣れた匂い。独特な考え方。新しい出会いとはうらはらに、新しい別れがそこにはあります。 お別れをどうするか、それがぼくには重要な関心ごとなのです。 承映画「リトル・ダンサー」について ビリーは11歳。炭鉱夫の父と同じく炭鉱夫の兄、祖母と暮らしています。お母さんはいません。労働組合のリーダーである兄と父を含めた炭鉱夫たちはストライキの真っ只

        • 補間されたフレームの実感

          林さんのポスト。フレーム補間が生むデジタルの嘘を比喩的に切り取っています。カメラは光を”記録”する装置であり、その存在の情緒を鋭くとらえる視点だと思います。共感もできます。しかし、それと同時に違和感を持ちました。今回この記事では、その違和感に迫ってみます。あらかじめ断っておきますが、林さんのこのポストは表現として優れていると思うし、好きです。 違和感の原因”現実には存在しないフレーム” フレーム補間により生成されたフレームは現実には存在しないのか?このことを検討してゆきま

        GPT2-chatbotによる散文詩の出力、とそれを添削するぼく。

          言語化について言語化する(失敗)

          このところ「言語化」の重要さを説くひとを立て続けに見かけ、「よし!自分でもなにかやってやろう」と、言語化の言語化にチャレンジしてみたものの失敗しました。 失敗した理由と、主張しようとしたことの概要、付録として失敗したやつそのものを公開します。失敗したのですが、読み返してみるとよい感じに狂気に満ちていて愛おしくなってしまったのです。 失敗した理由 □実力不足 ぼくはメタ認知に若干の問題を抱えているようです。自己と他者の境目が曖昧となってしまい、視点が錯綜してしまうことが

          言語化について言語化する(失敗)

          竜のアダンの物語り

          雨が千日ほど続いた。 厚い雲が光を遮り、命あるものは暗い気持ちのなかに沈んだ。そんな毎日があまりにも長く続くので、暗い気持ちが底の方で繋がってしまった。 命あるものすべてが繋がり、混ざり合って、雨と土と、命あるものとで、大きなひとかたまりの泥になった。 はじめのうち泥の中には光以外のものならなんでもあった。ただし全部ごちゃ混ぜなのでどこをとっても泥には変わりがない。 はじめのうちは泥の中から世界の残り香がした。それは長い髭のような形をしていた。 その匂いも段々と薄くな

          竜のアダンの物語り

          ぼくがアインシュタインを好きな理由

          ぼくはアインシュタインが好きだ。 アインシュタインは誰でも使える方法だけで世界を変えた。 アインシュタインは世界の全部が反対しても自分の戦争を戦い抜いた。 アインシュタインは孤独だった。 とても重要な引用 https://www.iwanami.co.jp/book/b263059.html アインシュタインは孤独だった。 才能に恵まれ、家族や友人に恵まれてもなお、孤独を感じていた。 そのあまりに明晰な思考の鋭さは、 他人との隔たりを感じさせるには十分だっただろう。

          ぼくがアインシュタインを好きな理由