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河童のお皿【水にまつわる詩を三篇】

河童のお皿

大好きな人から
河童のお皿を一枚ゆずっていただきました。

かぶってみたら、
頭の上に小さなお池ができました。
そこには小さなお魚が棲み、
ミズスマシがいて、マツモムシもいる。
透き通った水草が、水の底でゆらゆら踊る。
日差しは、
「いつでもふりそそぎますよ!」と
いわんばかりに笑っている。
わたしは自分の頭上に、小さな天国を得た。

あとは、決して水を涸らさぬこと。
潤いを、自分自身にそそぐこと。

わたしの大事なお皿のために。
決してそれを忘れない。



noteの魅力の一つは、表現方法が自由なこと。
せっかくなのだから、自分を自分の型にはめたくないなあと、うすぼんやりと感じていました。

最近、文章が少しずつ長くなっているのも感じていたので、今回は思い切って、短く短く伝えたいと思い……自作の詩を三篇、投稿させていただきました。
説明を省き、短い言葉で伝えるのは……勇氣、いりますね!
詩を書かれる方って、すごいなあ!とあらためて心から思います。

冒頭の「河童のお皿」。
以下にご紹介する「空色の水たまり」「不安とさざ波」。
どれも水にまつわるものとなりました。
お楽しみくだされば、幸甚です。


空色の水たまり

流れる言葉を使いたいと願う。
留まらず、
滞らず、
淀まない。
さらさら流れる水のような言葉。
流れることで澄んでいく、
透きとおっていく言葉。

それでもわたしは、
淀んだ水たまりに出会ったら、
たぶん立ちどまって、
映る空を眺めてしまう。
淀んでいるから映るもの。
そこにしかない、空の色。

流れたい、流れたいと願う。
それでも、
なにかみつけるたびに立ちどまる。
わたしのように。
わたしの言葉も。

不安とさざ波

わたしが泣きたいときにかぎって、
あのこはあらわれる。

うんと落ち込んで、
大泣きしたいようなときではなくて、
ちょっと失敗しちゃったな、とか、
そんなつもりじゃなかったのに、とか、
小さな不安や後悔で、
心がざわざわしてるとき。

そういうときがいちばんきれいなんだよ~と
あのこはのんきな声でいう。

ざわざわした心が、
あのこはいちばん好きなんだって。
水面に広がるさざ波が、
きらきら光ってみえるんだって。

わたしにはみえないから、ざわざわ。
あのこにはみえるから、きらきら。
わたしにもみえたらいいのに。
そうしたら、不安な心を大切に思えるかな。



短い言葉は、やっぱり好きです。
読んでいただけて……とても幸せです。
ありがとうございました。

くりすたるる




こちらの記事に、数週にわたり、計3つのコングラボードが届きました。スキをくださったみなさま、本当にありがとうございました!↓↓↓

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