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栗とアーモンドミルクの秋プリン

朝の空を見上げれば、巨大な雲は小さく千切れ、
すっきりとした秋晴れ。
報道に翻弄され、右往左往していた数日が嘘のようです。

引っ越し先の居住まいにまだ不慣れなうえに、
こんなに海の近くで台風襲来をただ待つ心地に
なかなか落ち着いていられず、
ちょうど買っていた初物の栗1キロの袋を湯につけてしまいました。
こうならばもう、あとへは引けなくなり、
ただただ栗と向き合う時間の始まり。

柔らかくなった栗の鬼皮を、小さな包丁で一つ一つ剥きます。
お尻の方に、渋皮を傷つけないよう注意しながら包丁の刃元を当てて剥きます。

剥き終わったら渋皮栗の重さを計り、その半分の重さの砂糖を用意します。
私はきび砂糖を使いました。

鍋に栗がかぶるほどの湯を沸かし、重曹を小さじ1加えてから渋皮栗を加えて10分ほど、中火で時折りあくを掬いながら茹で、ざるにあげさっと洗います。

再び湯を沸かして、ざるにあげた栗を入れて10分茹で、ざるにあげます。これを4回繰り返し、最後は茹で汁を1/3ほど残して水を加え、手が入れられるほどの温度にします。
柔らかく煮上がっているため、急に水にとると、崩れやすいという理由です。

一つ一つ、楊枝で太い筋を取り、細かい筋は楊枝の房の部分を使って優しくこそげるようにしてガサガサした部分を取り除いて綺麗に洗っておきます。

栗が一列で並ぶ口径の鍋に栗を入れ、水を優しくヒタヒタに注ぎ、砂糖の半量を入れて、紙蓋を乗せ、中弱火にかけます。
煮立って2分ほどしたら残りの砂糖も加えて、じっくり30分ほど煮て、そのまま冷まします。
ブランデーなど少し混ぜると香りがつき、日持ちも良くなります。

たっぷりとできた栗の蜜も、香りがうつっておいしいもの。
この蜜を使って、プリンを蒸しました。
牛乳の代わりに、無添加のアーモンドミルクを使い、バニラビーンズの鞘を縦に割って包丁でこそげたものと卵と蜜をただ混ぜて漉しただけの卵液を型に流し、オーブンで蒸し焼きしました。
カラメルソースは、あってもなくても。

分量は思いつきの割にうまくいきました。
卵2個、アーモンドミルク180cc、栗の蜜50ccです。バニラはお好みで。
この倍量作って、4個できたので、プリン型2個分でちょうど良いです。
栗の蜜がない場合は、温めたアーモンドミルクに砂糖を40g入れて溶かし、冷ましてから溶き卵を混ぜて漉せば同様にできます。

プリンの型を並べたバットに熱湯を張り、
150℃に予熱したオーブンに入れて50分ほど蒸し焼きしました。

食べ始めると止まらない渋皮煮。
すぐに足りなくなって、毎年5回はやってしまいます。
また、冷蔵より冷凍の方が味わいが保たれるので、多めに作ってお正月料理に加えるのもお勧めしたいです。

気づけば波立っていた心のほうもすっかりなりをひそめ、凪のように落ち着きを取り戻せていました。

人それぞれ、不安の宥め方や解決の手立てはあると思います。
積極的に解決に乗り出すのも良いでしょう。
けれど、頑張っても下手な考えしか浮かばない時も。
そんな時には少し目線を外して、
ただ手を動かして大好物をこしらえるのも 
なかなかの効き目。
試すたびそう思わされます。

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