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現世のトラウマと前世の記憶を 辿る 最終結末は・・・

セッション 4 結末は・・・

前のセッションで、鳥籠のような牢屋の中に閉じ込められている、という前世の記憶まで辿り着いて、ここからさらに色々明らかになっていくと思っていたのに、結末は意外な展開になってしまったのでした。

約束のセッションの時間に行くと、彼の様子がいつもと違う。いつも穏やかで、良い意味で感情が現れない、揺れない人。怒りの感情など知りあって以来一度も見たこともなかったのに、珍しく彼の身体全体から険しい怒りが溢れ出ていたのです。

そしてとても無愛想に怒ったように「もうセッションはできないから」と顔も見ずに言われてしまった。
いつもの彼とはあまりに違うので驚いて「どうして?体調でも悪いの?」と聞くと、ただ怖い顔をして「とにかくもう続けられないから!」と言って出て行ってしまった。

理由がわからない・・・・なぜ?
先週のセッションはいつもと同じく穏やかに進んでいって「ではまた来週、さらに深く辿っていけると思うよ」という柔らかな会話で終わったのに。
でもエネルギーワークをしている人達は、感情や波動に敏感だから、占い師が”何かを感じて”「あなたを占うことはできません」という時もあるみたいなので、私もいきなりその立場になって驚いたけれど、本人が続けられないというのだから、とても残念だったけれど諦めるしかなかった。

そしてお店のオーナーにその話をすると、オーナーは優しく微笑んで「それはあなたのことが好きなってしまったからよ。だから彼は自分の感情のコントロールできなくなってしまったのよ」と。 

そしてオーナーが彼のプライベートなことを話してくれた。

彼は母親からの過剰なコントロールのトラウマを持っていた。彼が好意を持つ女性を母親はことごとく受け入れず、引き離し、寄せ付けなかったらしい。母子家庭の彼にとって母親は絶対に大切な人。抵抗などする気持ちは起こしてはいけないと自分の感情を制して生活してきた。そして誰に対しても感情を揺らすことなく、平坦な状態で常に穏やかにいられるように、自分自身エネルギーワークを学んで、母親との距離を置くことができるようになり、今の彼になったらしい。

あの穏やかすぎる、感情の波が全くない彼の心の中はこれが原因だったとわかって納得した。自分の感情を身体の奥へ奥へ押し込んでいくうちに、感情が無にな理、それが普通になってしまったのだ。

それなのに、私とのセッションで、何かのきっかけで、彼の感情が戻ってきてしまった。ずっと抑えられていたから、自分でもそんな感情を持っていたことさえ忘れていた彼は、驚きと怒りが湧き出てきてしまったらしい。

そして、クラインアントに恋愛的な感情は持ってはいけない事がカウンセリングのルールであるから、彼は自分でもどうしていいのかわからなくなってしまって、自分自身に苛立ちプロとしてのプライドを保つには、この感情を断ち切るしかない、と思ったらしい。

彼はオーナーにその話をしてお店を辞めてしまった。

それは私のせいなのか?
私が「私に近づいてくる男性は皆私を性的対象としてみて近づいてくる。これがなぜ何か知りたい」ということを信頼して彼に話したから、彼がその感情を持ってしまった恥ずかしいという気持ちもあったらしい。

だから私の現世のトラウマと前世の記憶を辿る道はこの時点で終了してしまった。不完全燃焼な結末で。

でもそれ以後、常に私に付きまとっていたその感情にとらわれないで生活できるようになったように思うのは気のせいなのか?
中途半端に終わってしまったように思えるけれど、
あの時、必要な前世までは辿れる事ができ、その時のトラウマ的記憶は浄化されたのかもしれない。
そしてあれ以上先には辿らない方が良い、という事だったのかもしれない。

今でもこの時の記憶は忘れる事なく思い出せて、それが現世で起こったことではない記憶であることははっきりしているし、思い出すとどれも納得がいき、心にスッと馴染んでいく。

彼はあれからどうしたのだろう・・・
彼自身のトラウマが浄化されていたのだろうか・・



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