見出し画像

プロポーズ編(夫は優柔不断☆)

今回は記憶があやふやになる前にわたしたちがどうやって結婚を決めたのかについて書いておきたいと思う。


わたしにもプロポーズへの憧れや理想がそれなりににあった。
でももう私自身三十路も過ぎ、彼の性格をよく知っていた私はロマンチックなシチュエーションは起こりえないから普通に話を切り出してくれさえすれば良いと考えていた。
別に片膝ついて指輪をパカッとや、夜景の見えるレストランで・・などはもやは求めていなかった。

結局なかったプロポーズ

結論からいうと13年交際した夫からのプロポーズはなかったのだ。
これについてはちょっと今でもどうかと思っている。
令和の時代にこのような事を言うとあれだが・・男としてどうかと思う。
それも若くてお金がないとかそういう人ではなかった。
もう40代後半で例えばバツイチでもなく借金もなく、わたしたちにはなんの壁もない状況だった。

まぁ彼の言い分もあると思う。
私が恋人としては好きでも嫁として不足な部分もあったのかもしれない。

それがそうなら「この人とは結婚はできない」と言うべきだと思う。
(私の母もそう言っていた。親にはかなり心配をかけていたはずだ。)
ズルズルといくのははっきり言って不誠実だ。

別れ際の「これからどうするか考えてね」

これは私が彼に言ったセリフだ。
もちろんわたしたちの将来どうするかという意味で。
ずっと関西と関東の遠距離恋愛のわたしたちは数ヵ月に一度会う。
そして彼の住んでいる京都に滞在していた私が関東に帰る朝、喫茶店で最後の最後に思いきって発したのが上の言葉だった。
なんだかわからないが、これを言った時泣きそうだった。
というかほとんど涙目だったかもしれない。
これは自分から言わないといけないという悔しさ(?)なのか、彼の反応への不安なのかやっと言ったという安心感からなのか・・正直自分でもよくわからない。
おそらくこの全てがない交ぜになった感情だったのだと思う。

それも彼がもう喫茶店を出て出勤しなければいけないギリギリの瞬間に言った。
最後に言ってやろうという気持ちではなく言い出せなくて間際になってしまった。
(これについては時間がないタイミングになってしまったことは反省している。)

彼がなんと返事したのか、


「前向きに、本当前向きに」

13年間付き合ってきた一回り以上年上の彼の答えがこれだった。


「前向き」を反芻する

これを聞いて私が最初に抱いた感情は「良かった」という安心感だった。
渋い顔はされなかったし、最悪ここで別れるといった話にもならなかった。
私はこの後喫茶店を出て新幹線に乗って家に帰った。
新幹線や乗り換えた在来線でもぼんやりとこの言葉を頭のなかで繰り返し再生して、なんだかほっとしていた。

でも家に帰って荷物の片付けをした後、なんだかこの「前向き」という言葉に対して違和感が猛烈に芽生えてきた。
「前向き」はなんだかポジティブで色好い言葉と最初は受け取っていたのがだんだんと黒い色に変わっていった。

13年経って方向性しか決まってないじゃん。

と怒りが沸きだした。
一見前向きなワードがなんだか社交辞令みたいに思えてきたし、よく仕事でも言う「前向きに検討します。」みたいな都合のよい定型文に思えて「なんだそれは」と怒りに変わってきた。

「もう別れようかな」

これは正直半々で考えていた。
というか三十路を過ぎた私が考えなくてはいけないことだった。
私は結婚することを望んでいたし、絶対ではないが子どももいずれ持てたらと考えてきていた。
だからもうこの人に見切りをつける時かもしれない。
大好きな彼と別れられられるのだろうか?でももう決断すべき時に来ている。と真剣に考えた。

「見切りをつけるべき」と「私には彼が大好きで離れることなんてできない」の間でグラグラ揺れていた。

そこで私がとった行動はいつも通り彼に連絡することはできないと判断することだった。
なんだそんなことかと思うかもしれないが、私と彼はくだらないことで毎日何度もLINEをしている。
当然1日でも途絶えたら、「あれ?」となる。
でもこのままいつも通りのやりとりをしてうやむやにしたくなかった。
それに考える時間が必要だった。

そのまま約2日経った。
彼からはなんとなく日常のメッセージや写真が来ていたが私は無視していた。

電話で話そう

関西と関東で遠距離のわたしたちはすぐに会うことはできない。
それともうひとつわたしたちの習慣で電話で話すということがほぼなかった。
なんとなく照れ臭かったり、メッセージで済むからそうしてきたのだと思う。
遠距離のカップルで電話を全くしないというのは珍しいかしれない。

それが彼から
「一昨日最後バタバタと出たけど、先のことお話したいので、夜電話出きる?」とLINEがきた。

それに対して私は連絡しなかったことをとりあえず詫びて、
正直に考える時間が必要だった宗を伝えた。

そして次の週末に電話することになった。

時間ぴったりにかかってきた電話

わたしはこの電話で話し合うまでの数日間ポジティブな気持ちとネガティブな気持ちがぐるぐるぐるぐると目まぐるしく胸に沸き起こったが傍目には普通に過ごしていた。
一緒に住んでいる母もなにも気がついていなかったようだし。

そしてLINEで「21時頃に電話かけて」と彼には言っておいた。

これは後々別の記事にしたいのだが、夫の特徴に非常に時間にルーズという面がある。
なので慣れている私はどうせ21時10分や15分に電話が鳴るであろうとたかをくくっていた。

なので油断していると、21時ぴったりにスマホが鳴って驚いた。

ベッドに寝転んで、ふぅと一息だけ入れて通話ボタンを押した。

「もしもし?」とかお互い言ったと思う。
正直細かい会話は忘れてしまったが、
彼は「健康診断で久しぶりに体重計ったら痩せてた」となんとも間の抜けたことを話し出した。
私は「うん、LINEで聞いた」とちょっと拍子抜けしたのと「この期に及んで・・」と感じながら答えた。
それを察したのか彼は
「将来のことやけど・・」と切り出した。

ドキドキ
なんか緊張感と妙に安心感もある気持ちだった。

「本当に前向きに、実は前から話したかったんやけど。ついついいつもバカな話ばかりしてしまう。でもこれからもずっと一緒にいたいと思ってる。」
と言った。これはほぼこんな言葉だったのを覚えている。


プロポーズはなかったと書いたが、強いて言うならこれが彼なりのプロポーズだったのだろうと今は思っている。

それからお互いの両親に挨拶に行かないとね、などと話して会話はせいぜい15分位だったと思う。
そうして電話を切った。

心からほっとした。


結局彼が考えていたこと

これはどうも本当にただただ優柔不断で、
ややこしいことは後回し☆な彼の性格で13年間経ってしまってたということだった。
彼もわたしとずっと一緒にいたい、添い遂げたいと思っていたようだ。

終わりよければすべて良し・・・

婚約中の今私はとても幸せだ。
もうすぐ始まる結婚生活が楽しみだし、彼に対する気持ちは静かだがこれまでにないほど深い。

だがやはり思ってしまう

「ならもっと早く言えや!!」

その後の気持ち

このnoteはわたしたち夫婦の観察日記なので結婚をひかえた今の気持ちを正直に記しておく。
先程も書いたがこれまでにないほど夫を大切に思っている。
結婚の準備で見えてきた彼の深い思いやりでどんどん愛情が深まっていくのを感じている。
もっと早くいえばいいのに・・は今も思っているが、これがわたしたちのタイミングだったのではないかとも考えられるようになった。


とても長くなってしまったがこれは年をとっても覚えておきたい出来事なので事細かに書いておきたかった。

もしここまで読んでくださった方がいたら、、本当にありがとうございます。
そしてもし結婚か別れか・・と岐路に立っている方の参考に少しでもなれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?