海外放浪から市議会議員になった私が、茶畑の中で拠点をつくった話。
話を聞いた拠点オーナー
天空の茶屋敷 (福岡県八女市)
ー治郎さんが、八女に移住するまでのご経緯を教えてください。
18歳から自衛隊にいたんですが、自分の知らない海外への好奇心と、半ば日本社会から逃げるような形で、海外放浪の旅を始めました。
24歳でバックパッカーになり、約6年間で65カ国程訪れました。ニュージーランドやカナダではワーホリもして、カナダでは犬ぞり操縦士のお仕事なんかもしてました(笑)
ヨーロッパにいた時は、「自分らしく生きる」ことや「人生を楽しく自由に生きる」という価値観が根付いているのが感じられ、とても良い刺激を受けましたね。楽しく生きることを追求する姿に影響を受けました。
5年程放浪したタイミングで、ずっとこのまま海外放浪をしているだけの人生ではもったいないなと思うようになり、スローライフ、ストレスフリーな暮らしができる田舎に移住を検討していたところ、縁あって八女に移住してきました。
ー天空の茶屋敷を立ち上げたきっかけを教えてください。
八女に移住してきた当初は、”どのようにして生活していこうかな”と考えながら生活をしていました。
当初は人と人を繋ぐと色んな方に喜ばれたこともあり、人手不足の農家と農業を体験したい人を繋ぐ「農業体験ツアー」だったり、茶畑と茶畑を体験したい人を繋ぐ「茶畑体験ツアー」なんかをやっていました。
そんな活動をしていたところまた縁があって、今の拠点となる古民家を頂くことになりました。古民家を仲間内で改装するところから始めて、改装したのは良いけれどその後どうしようかな・・・と考えて、ゲストハウスでもやってみようか、という流れで始めました。
ー現在では拠点運営に加え、市議会議員もやられていますが、どのような経緯だったのでしょうか?
チャレンジ精神や好奇心もあったのですが、今の政治って若い人が参加する雰囲気がそもそもないなと思っていて。子育て世帯から一人でも、まずは自分が立候補することで町への印象や雰囲気も変わると思い、立候補しました。
その結果当選させていただいて、今はこうして議員の活動もさせていただいています。
また、1年ほど前、八女市のPRのためにお茶を売りながら歩いて日本縦断をしていたんですよ。
そこで、様々な人にお会いしたんですが、他の地域の議員さんにも会ったりしていて、そこで「今度の選挙に出馬してみなよ」などと話していただいて、徐々に市議会議員に興味を持ったのもきっかけですね。
ー今まで様々な挑戦をされてきていると思うのですが、意思決定はどのようにしているのでしょうか?
純粋な好奇心も大きいのですが、「やりたいことをやらないまま死ぬこと」と「やりたいことをやってから死ぬこと」を天秤にかけた時に、必ず後者を選択したいという思いはあります。
高校時代の話なんですけど、何もない普通の一般的な高校に通っていたんですね。
多くの人はここで青春時代を過ごすと思うんですけど、私はなんにも楽しくなかったんですよね。
その時の、「何もなく普通に過ごすこと」に対する後悔がとても大きくて。その反動もあり、自分のやりたいと思ったことには挑戦しよう、と決めています。
失敗なんて、人生の先にいってみないとわからないですしね(笑)
ー今後の治郎さんの夢を教えてください。
八女への移住者を少しでも増やしていきたいと思っています。
もちろん日本全体の人口減少の大局には抗えないと思っていますが、何もしないでこのまま衰退を待つよりは、少しでもできることがあればトライしていきたいです。
何をやっても無理かもしれないですが、何もしないよりはましじゃないですか?(笑)
ー最後に、拠点でのおすすめの過ごし方を是非教えてください。
都会では味わえない、「なにもしない贅沢」を是非しにきてください。
古民家の前後には壮大な茶畑(八女名産の八女茶の茶畑)が広がっていますし、目の前の景色は絶景です。近くには棚田も川もあるので、是非散歩もしてみてください。
都会からいらっしゃる方からは、「都会でこんなにダラダラ過ごしたら罪悪感があるのに、ここではダラダラするのが一番の贅沢に感じます!(笑)」と言っていただけるので、是非ダラダラしに来てください!
看板猫の「小治郎」にも会いにきてください。可愛いですよ。
治郎さんのお話はいかがでしたでしょうか?
是非、贅沢なのんびり時間を体験しにいってみて下さい。