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戦争犯罪の総括のしかた「コリーニ事件」

<文学(83歩目)>
戦争犯罪の総括のしかたを研ぎ澄まされた小説から学ぶ。

コリーニ事件
フェルディナント・フォン・シーラッハ (著), 酒寄 進一 (翻訳)
東京創元社

「83歩目」は戦争犯罪の総括を新しい切り口で学ぶ、とても斬新な作品です。

フェルディナント・フォン・シーラッハさんの作品を一気読みしていて感じたこと。
これは、犯罪にかかわる様々な切り口の中で、刑事事件弁護士の視点で切り出す手法です。

私の読書の中での「犯罪もの」というと、「にわか」であることもあるのですが、「刑事」が活躍するもの(いわゆる、「体育会系」)。

そして、「探偵」が活躍するもの(いわゆる、「文化部系」)が主たるところで、これに「アクション」等々がトッピング。それでも、面白いのでかなり読み込んだのですが、地味に見えてシーラッハさんの得意とする「刑事事件弁護士」が活躍するものは、「理論系(とてもロジカル)」だと思いました。

無駄のない文体なので、シーラッハさんの作品は長編と言っても短い。
かなり手軽に読めるにもかかわらず、突いているとこは深い。

私の娘たちは理系女子になってしまったのですが、文系に親和性ある子どもならば、高校までにシーラッハさんの作品をすすめるといい感じになるかも?と感じました。

それにしても、自分自身が法学部なのに、大学卒業時まではまるで勉強していなかったことを痛感させられます。おそらく、学生時代には、勉強は一ミリもしていなかった気がする。卒業後は常に勉強であり、周回遅れで苦労しました。(笑)

もっと、将来の進路に刺激的な話を高校までに聞ける環境が必要ですね。
そのままところてんで内部進学して、更に大学時代はほぼ勉強していなかったことを悔やみます。

こんなおバカさんを輩出しないように、卒業生の講演会もありますが、たったランチ1~数回分で脳に刺激を与える機会を高校生までに行う環境整備(読書)が良い学校にする一案だなぁと感じました。

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