＜ＳＦ（３４歩目）＞
不思議な科学現象「球電」からの正統派ＳＦ作品にどっぷり浸かる。

三体0【ゼロ】 球状閃電
劉 慈欣 (著), 大森 望 (翻訳), 光吉 さくら (翻訳), ワン チャイ (翻訳)
早川書房

「３４歩目」は「三体」シリーズの前日譚です。
この作品は、雷の一種の「球状閃電」（日本語だと「球電」）なるボール状の雷で、私は見たこともないものでした。

読んでいる際に、ちょっとYouTubeを調べたのですが、これは「すごい」と感じました。

この作品は、「三体」が大ヒットしたことから、まるで集英社の「少年ジャンプ」の様にどんどん風呂敷が大きくなり、風呂敷を閉じるのに苦労されていた劉慈欣さんが、原点に戻って書かれた作品。

故に、最も「文学的」であり、「愛（love）」が荒唐無稽にならずに、しっかり押さえられていて、単体の完成度をあげています。

おそらく、しばらくはこの様な新しいことに着目された単品作品を発表されていくと思われます。

上質の「愛（love）」をどんどんいただきたいと思います。

また、中国のＳＦ作品の中では割と普通に「中米戦争」が出てきます。

これだけは、回避していただきたい。（作品内でも中米戦争の後ですが、現実は回避をお願いしたい）

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