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人間にもアップデートが必要な時代

自分がそうできているかはかなり怪しいのだが、人間にも頻繁なアップデートが必要である。
最近はその頻度が急速に増しているから、ちょっとでもアップデートを怠ると、すぐに取り残されてしまう。
そんな時代に、自分たちは生きている。

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ちょっと前に、NHKで「人間は神になる!?『ホモ・デウス』とは」という特集が組まれたことがある。
「サピエンス全史」の著書、ユヴァル・ノア・ハラリ氏のコメントや別の著書「ホモ・デウス」について取り上げたものだ。
この特集の中に、以下のようなコメントが出てくる。

人類の進歩を列車に例えてみます。
歴史をひもとくと、産業革命などいろいろな変革の『駅』がありました。
乗り遅れても、後から走って列車に飛び乗ることができました。
ところが今の変革期を離れるのは『最終列車』になります。
1度乗り遅れると、もう2度と追いつけない、そういう段階にきてしまっているというわけなんです。

さながらコンピュータのようである。
コンピュータだって、古いOSやソフトウェアを使い続ければ、アップデート対象から漏れてしまい、保護を受けることができなくなる。
そうなってしまうと、様々な攻撃に晒されるリスクが高くなり、まともに使うことができなくなる。
古くて危険ものをメンテナンスしてくれるお人好しも、なかなか見当たらないだろう。

人間もそれと同じで、アップデートを怠れば使い物にならない。
今回引用した部分は、これをとても厳しく言ったものであろう。
このアップデートを逃したら、もう古いまま生きていくしかないのである。

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ここまでの「メジャーアップデート」は、長い人類の歴史の中でも稀であろう。
日本で言ったら、終戦と戦後の大変革とか、東日本大震災とか、それくらい大きなインパクトがあるものに付随して、アップデートが求められる。

でも、「アップデート」そのものの頻度や重要性は極めて高い。
近年の外国人人材の増加もそうだし、働き方改革による休暇取得の義務化もそうだし、電子マネーの広がりもそうである。
そう言った、軽微ではあるがインパクトのある変化についていかなければ、いずれにせよ「乗り遅れる」ことになる。

この手のものは、対応しなくても最初は困らないかもしれない。
でも真綿で首を絞められるように、気づいたらどうにもできなくなっていることがあるし、いつまでもアップデートしない人間には、誰も手を差し伸べてくれなくなる。
ちょっと前に「電子マネーの普及は老人殺しだ」的な論調のジャーナリストが、世間から冷笑を浴びたのは、記憶に新しい。
このジャーナリストは「アップデート」されていなかったのである。

こういう「乗り遅れ」が積み重なって、“最終列車”にも乗り遅れてしまうのだろう。
自分の価値観や意識が古いまま残されていないかどうか、定期的にチェックする必要がありそうだ。

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ついこの前、新宿駅の窓口で外国人旅行客が駅員さんと会話をしていたのだが、あまり会話になっていなかった。
これは駅員さんは悪くなく(むしろ英語がバリバリ出来そうな雰囲気だった)、その外国人旅行客がまったく英語を話せなかったためである。

このシーンを見て、「外国人対応には英語で十分」という自分の意識を恥じた。
「英語に不慣れな外国人が日本に来る」ということが、当たり前の時代になっている。
今までインバウンド対応では英語力が求められてきたのかもしれないが、それはもしかしたら欧米の話で、アジアの一員である日本においてはそうではないのかもしれない。

こういう日々の何気ないシーンにおいても、アップデートの重要性が転がっているのである。

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