【短編小説】旅立ち
窓辺に座る彼女は、小さな箱を手にして微笑んでいた。その箱には、幼い頃からの大切な思い出が詰まっていた。
他にも彼女の部屋は懐かしいアルバムや古びたぬいぐるみで溢れ、一つの棚には古い手紙が整然としまわれていた。彼女はその手紙を一つ取り出し、過去の言葉に思いを馳せた。
その手紙は親友からのもので、遠く離れた土地での新しい生活への祝福と別れの言葉が綴られていた。時間が経つにつれて、彼女たちはそれぞれの人生を歩んでいった。
箱にはガラスでできた貝殻、ビーズでできた指輪、初めてもらった花束の花びらが残っていた。一つ一つが大切な瞬間の記憶であり、彼女の心を温かな感慨に包んでいた。
彼女は箱を閉じ、窓の外を見上げた。青空に舞う桜の花びらが、春の訪れを告げていた。思い出の中に閉じ込めた幸せな瞬間が、彼女の心に新しい希望と笑顔を運んできた。
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