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モモナと不思議な卵

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モモナという女の子が、ある日思い立ち旅に出ます。 不思議な生き物と出会い、ちょうど良い時ちょうど良い所へ、ともにあちこち歩いて行きます。 どうぞ見守ってあげて下さい。
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記事一覧

⑩モモナといねむりヒーロー

⑩モモナといねむりヒーロー

うたた寝達人のネムさんは、どうしてうたた寝旅をするようになったのか、話してくれました。
「物心つく頃には家中を布団持って歩いて、寝ていただよ」
「どうして普通の所で寝なかったの?」
モモナは尋ねました。
「普通っていうと、畳の上とか?」
「うん、そうだね」
「畳っちゅうのはさ、上に居る人が心地よく過ごせるよういつも規律正しく頑張って、とても誇り高いだよ。だから畳の上で眠るときは、ぼくも一所懸命寝る

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⑨モモナと春のネム

⑨モモナと春のネム

 

山は霞に角が取れ、川はとろりと流れる春。
モモナとまるるが土手の上を歩いていると、何やら見えてきた丸こい形。
近づいてみるとそれは、へこんで膨らんで、いびきをかいています。

 眠る人はモモナが覗き込むと、あくびをしながら目を覚まし、「こんにちふあ~っ、目を覚ましたら素敵な出会いが待ってたなあ、やい」と背伸びをしました。
「こんにちは、私はモモナ、この子はまるる」
「ぼくたち旅をしてるんだよ

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⑧モモナ兎とキャンプする

⑧モモナ兎とキャンプする

ちびウサギ達はそれぞれの夢を語り始めました。
「私はパン屋さんみたいなおもち屋さんを開きたい」
「おいら、流しの餅つき屋になる」
「あたしはお餅教室の先生になるの」
「ぼくはモチバーをやってみたいな」
「ウチはカフェ」
「俺、モチ屋台やる」
「……師匠と一緒にお餅の定期お届け便やります」

⑦モモナとちびウサギ

⑦モモナとちびウサギ

「まずは、おもちをどうぞ…………」
ほんのりと甘く、優しいおもちの香がモモナの口いっぱいに広がります。
するとまるるが黄色く光り始めました。
「わあ!モモナの幸せな気持ちがほわ~っと伝わってくるよ」
「ほんとにおいしい。ぎゅ~っと、幸せが丸めてあるみたい」
その時、周りからワッと歓声が上がりました。

⑥モモナとうさぎ

⑥モモナとうさぎ

二人は歩きます。
川の流れをさかのぼり。
「モモナが歌うとぼくホワ~ってあったかくなるよ。また歌ってほしいな」
ぺったんぺったん ぴしゃぴしゃ
ぺったんぺったん ぴしゃぴしゃ
「……不思議な歌だね、モモナ」
「ちがうの私が歌ったんじゃないよ」
その音はどうやら峠の先から聞こえて来るようです。

⑤モモナとポンチョと歌

⑤モモナとポンチョと歌

「モモナ、ぼく仙人岩に会ってみたい!」
「そうだね、そうしよう」
まるるは頭のうえで嬉しそうに小さく飛びはねます。
その時、一陣の風に吹かれてはらりと何かが落ちてきました。
「それならこれを着ていくと良い」

④モモナと木じい

④モモナと木じい

「これはモモナのお家?」
「そう、旅をするお家、山を登って下って里からここまで来たんだよ」

③モモナとタマゴの名前

③モモナとタマゴの名前

私の名前はモモナ。
桃の花の下に菜の花の咲くときに生まれたからモモナ。

①モモナ旅に出るるるるる

①モモナ旅に出るるるるる

ある日、モモナが縁側で日なたぼっこをしていたら