ジャズダンサーの感想文

元テーマパーク、元劇団四季。振付・舞台制作・映画制作・ヨガ(RYT200)・英語(TO…

ジャズダンサーの感想文

元テーマパーク、元劇団四季。振付・舞台制作・映画制作・ヨガ(RYT200)・英語(TOEIC905点)・海外ドラマ・映画などなど

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最近の記事

海外ドラマ『THIS IS US / ディス イズ アス』大人になれない大人に腹が立ち、共感する

『 THIS IS US / ディス イズ アス 』全6シーズン(106話)を見終わり、ふつふつと感動しています。 最終エピソードの 1つ前、シーズン6 の第17話で思わず声が出ました。 その後、一度混乱し、再度、声が出ました。 自分の予想した結果とは少し違いましたが、スッキリと、すごく納得感のある終わり方でした。 悲しみにあふれる世の中への 1つの回答を示してくれます。 このメッセージが温かく胸に残っています。 海外ドラマは打ち切りが多いので、変な気持ちで終わっ

    • Big Little Lies『ビッグ・リトル・ライズ』家庭のトラブルは見えない

      『 Big Little Lies 』(ささやかで大きな嘘)。 なかなかの問題作です。 エミー賞で話題になっていて、俳優陣が豪華なのですごく気になっていました。 HBOが制作しているドラマということもあり、放送コードに縛られない大胆で過激な描写、重厚な脚本が特徴です。 『ビッグ・リトル・ライズ』のあらすじカリフォルニア州モントレーの高級住宅街。 立ち並ぶ豪邸、ビジネスで成功する人々、可愛い子どもたち、すべてが完璧に見えるセレブライフ。 そんなある日、子どもたちの通

      • ディズニー『悪魔バスター☆スター・バタフライ』幸せなんて考えたら負けや

        ぶっ飛んだアニメが放送されているディズニーチャンネル。 ディズニーアニメは啓蒙的なことも多いですが、ディズニー・チャンネルになると話は別です。 ずっと見ているわけではないのですが、刺さったセリフがあります。 『悪魔バスター☆スター・バタフライ』に登場したセリフです。 『悪魔バスター☆スター・バタフライ』『セーラームーン』『ドラゴンボール』など日本アニメの大ファンであるダロン・ネフシーが制作したぶっとんだアニメです。 全77話、4シーズン続いた人気シリーズ(2015年

        • 村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』人間による破壊の衝動

          ふと手にとった『コインロッカー・ベイビーズ』。題名は知っていたものの、どういう作品か知りませんでした。 人情的な話かな、と軽く手をとり愕然。 SF小説に、かなりの衝撃を受けました。SF と言っても日常と地続きの SF です。 1日で上巻、2日目で下巻を読んでしまいました。 めちゃくちゃ怖い小説です。 なぜ人間は生きているのか……。 当時の若者の代弁小説の中では、個人としての人間としてだけでなく、人間自体についての問いが投げかけられています。 社会に矛盾を感じる人

        海外ドラマ『THIS IS US / ディス イズ アス』大人になれない大人に腹が立ち、共感する

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        • エンタメ感想文
          21本

        記事

          海外ドラマ『X-ファイル』の未来予言:シーズン1エピソード6

          使っていないDVDレコーダーを引っ張り出してみたら容量いっぱいに録画されていました。 今は亡き「D-Life」というチャンネルでは海外ドラマをたくさん放送していてました。録り溜めたエピソードがパンパンに入っていて最近ちょくちょく見ています。 よく見ているのが SFドラマ『 X-ファイル』。 驚いたエピソードがあります。 自分の記憶と内容がかなり違っていて、いま見ると懐かしくもあり、新しくもあり……。 当時の最先端の SFドラマなので、現在の科学とズレもあります。こ

          海外ドラマ『X-ファイル』の未来予言:シーズン1エピソード6

          ジェフリー・アーチャー著『ロスノフスキ家の娘』運命の2人の娘と息子

          1982年に出版された『ロスノフスキ家の娘』。1979年に出版された『ケインとアベル』の続編です。 前作では、アメリカの近代経済の歴史がわかりやすく理解できました。今作『ロスノフスキ家の娘』では1968年からのアメリカ政治の歴史がよくわかります。 実在の政治家がかなり登場します。著者のジェフリー・アーチャーは本を書くために2年間取材したそうです。 当時から女性大統領の登場が期待されていたアメリカ、女性総理の実現が遠そうな日本。結果的にどちらもまだ女性大統領が登場していま

          ジェフリー・アーチャー著『ロスノフスキ家の娘』運命の2人の娘と息子

          ジェフリー・アーチャー著『ケインとアベル』自由の価値観を取り戻す

          先日アップしたジェフリー・アーチャー著『ケインとアベル』。 自分の中の熱量がまだ高いのでもう少し書きたいと思います。 なぜか書いていたら詳しいあらすじになってしまいました。 本当の理解者でありながら、ライバルとしてお互いを傷つけ合う運命の2人です。 同じ日に生まれたウィリアム・ケインと、アベル・ロスノフスキ。 僕は最初アベルのストーリーに惹きつけられましたが、読み進めるとウィリアムのストーリーにどんどん引き込まれていきました。アベルはかなり野心的で荒々しい部分がある

          ジェフリー・アーチャー著『ケインとアベル』自由の価値観を取り戻す

          ジェフリー・アーチャー著『ケインとアベル』- 壮大さにたまげる

          読みごたえのある本はないかな、と探し、出会ったのが、ジェフリー・アーチャー著『ケインとアベル』(1979年出版)です。 上下巻合わせると1000ページほどあるので、読んだあと達成感があります。 長いのですが、一気に読み進めることができる作品です。 1900年代中盤までのアメリカの歴史や、アメリカの価値観が理解できるような内容です。 第1次世界大戦、世界恐慌、第2次世界大戦が起こった時代が舞台になっています(戦争にフォーカスが当たっている訳ではありません)。 直木賞を

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          映画『藁にもすがる獣たち』- 生きてさえいればどうにかなる…のか

          映画館のチケットをずっと使えずにいたコロナ禍。 2021年、久々に映画館で観た映画です。 映画館自体は混んでいたものの、この映画を観ていたのは僕をふくめ2人しかいませんでした。 日本の小説が原作の韓国映画原作は日本人作家・曽根圭介さんが 2011年 に発表した犯罪小説です。 日本の小説が、韓国で映画化されました。他国の作品を自国で映画化するほどの熱量があるのでは、と思い興味を持ちました。 あらすじ父から継いだ店をダメにしてしまった男。自分の借金のせいで家庭がくずれ夫

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          『リンボ』ハードボイルド白黒映画:残酷なのに美しい

          先月、東京国際映画祭が日比谷・有楽町・銀座で開催されていました。 メジャーな作品だけでなく、コアな作品、社会派な作品も登場し、日本で公開や配信のない映画を見られる良い機会です。 今さらですが、第34回「東京国際映画祭2021」で観た作品の感想です。 『リンボ』という香港を舞台にしたかなりハードな作品です。 『リンボ』あらすじ犯罪うずまく香港のスラム街。左手だけが残される猟奇的な連続殺人事件が起こる。 その手の持ち主は誰なのか、すでに死んでいるのか。暴力的なベテラン刑

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          有吉佐和子『悪女について』倫理観を整える

          1978年に出版された有吉佐和子著『悪女について』。 今読んでもめちゃめちゃおもしろいです。 500ページの大作ですが、27章に分かれていてすごく読みやすい小説です。 有吉佐和子さんのレビューを note で見かけたのがきっかけで今回書いています。 『悪女について』のあらすじ1970年代、女性実業家の富小路公子が日本橋の道路で亡くなる。 どうやら自分の所有するビルから転落したらしい。 自殺なのか、他殺なのか……。 一代で大金持ちとなった公子。大豪邸をかまえ、テレ

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          ミュージカル『ウィキッド』- ブロードウェイの観客500万人目の公演にいた不思議

          ブロードウェイ・ミュージカル『ウィキッド』。映画『オズの魔法使い』tろ並行する世界を描きます。 初演から20年目。 僕は初めての一人旅でニューヨークのブロードウェイに行ったとき、日本からチケットが取れませんでした。ダメ元で劇場窓口に行きチケットをゲット。 この公演が本当に素晴らしく、今でも鮮明に覚えています。 というのも、このとき500万人目の観客がいるという記念公演。 そして、人生を前に進めてくれた公演でもありました。 『For Good』僕が1番好きな歌『Fo

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          アニメ『風が強く吹いている』- 敗者の美学

          2019年ごろ。深夜にちょっとテレビをつけてみたらとても静かなアニメが放送されていました。 心にずっしりと響く作品ですが、基本的にはコメディタッチなので笑えるシーンが多いです。 箱根駅伝がテーマで、ランニング・シーンは疾走感にあふれます。 ちょっと見るつもりが気づいたら毎週見ていました。 アニメは全23話。原作は、三浦しをんさん。 クレジットで名前を見つけた時、ドバーッと鳥肌が立ちました。 あらすじ寛政大学のとある寮に住む9人。 この寮に住む清瀬灰二の誘いで、俊

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          『アクターズ・スタジオ』ハリウッドスターの本音

          NHKやスターチャンネルでかつて放送していた『アクターズ・スタジオ・インタビュー』。 俳優の本音を引き出すインタビューに定評がありました。 名物司会者だったジェームズ・リプトンさんは2020年3月2日、すでにお亡くなりになっています。 『アクターズ・スタジオ・インタビュー』あまり本音を話さない俳優でさえ、涙を流すほど熱くなることがある番組です。 その秘密は観客にあります。 このインタビューはニューヨークにある俳優養成学校「アクターズ・スタジオ」の授業の一環として行わ

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          「ワールド・バレエ・デイ」ライブ配信が進行中 - 素顔のレッスン風景

          毎年秋に開催されている「World Ballet Day (ワールド・バレエ・デイ)」。 24時間、世界中の62ものバレエ団が youtube や facebook で、各バレエ団のレッスン風景やリハーサル映像の生配信リレーをおこなっています。 本日、11月1日からスタートしています。 普段は見ることのできないバレエ団の裏側をライブ配信していきます。 日本からは「新国立劇場バレエ団」「K-Ballet カンパニー」が参加しています。 ライブ配信ワールド・バレエ・デイ

          「ワールド・バレエ・デイ」ライブ配信が進行中 - 素顔のレッスン風景

          海外ドラマ:撮影ミスと翻訳ミスにちょっとウキウキ

          幼少期から海外ドラマが大好きで、特に1990年代、2000年代、WOWOW や スカパー でヘビーに見ていました。 昔の海外ドラマは、「音響のマイクが映りこんでしまう」「つながっているシーンなのに小道具の配置が違う」というようなミスが、本当にときどきですが起こります。 そんなミスを見つけると、気づいているのは自分だけなんじゃないか、とちょっと嬉しくなっちゃいます。言ってもそんなに大きな間違いではないので、内容に影響はなく、クスッと笑える感じです。 日本語版でも、本当にと

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