コンタミ

なんでごめんなさいが素直に言えないの
私のカフェラテぶちまけておいて
何だよめんどくせぇなあくそって
あからさまに不機嫌になってる
もういい私が拭くからあっち行っててと
雑巾を取りに行く
淹れたばっかりだったのに
もったいないなあ
床一面にこぼれた乳白色のそれを拭きながら
なんで私がやらなきゃいけないんだろうと
ほんの少しだけ怒りを覚える
あなたの身勝手にはもう慣れたつもりだったのに
根拠のないプライドと俺様な態度に振り回される日々
付き合い始めの頃は
デートの待ち合わせの度に花を買ってきてくれるような
人だったのに
年月はこうも人を変えるの
それとも本性を隠してただけなの
やっとのことできれいになった床を見つめながら
ピカピカのフローリングに過去が映し出させる
優しかったのになあ
多くは求めていない
ただごめんって一言いってほしかっただけ
新しいカフェラテを淹れに行く
キッチンにあなたはいない
ほんの少しだけ期待した自分がバカだった
ごめんなって言いながら
あなたがカフェラテを作って手渡してくれるなんて
あるわけないのにねそんなこと
現実はまだ多分自分の部屋にこもって不機嫌なまま
どうしてたった一言すら素直に言ってくれないんだろう
それだけでよかったのに
後片付けまで求めてなんかいないのに
私がいつも飲んでるカフェラテ
どれだけ好きだか知ってるでしょう
それを一杯無駄にしたことに
ごめんって
ただごめんよって
欲しかったのはたったそれだけだったのに

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