ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』(岩波書店)
これまで歴史上でバラバラだと思われた事象が、一つの大きな環になったように思える読書体験を味わえる本。戦後の世界の流れから現在に至るまでの世界システムの変遷を知るための必読書になると思われる本書は、読み終えたと同時に「目からうろこが落ちる」本であった。この本の内容はコリイ・ドクトロウ『リトル・ブラザー』(早川書房)にも関連している。どちらかというと『ジェニファー・ガバメント』『宇宙商人』的ディストピア世界への移行の可能性があるのか、現在進行中の現象について取り扱った本といえよう