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小説「ある朝の目覚め」第四章

夕暮れの広場で沢山の女の小人と魔女がパーティーをしている。魔女が小人に命じて、大きな鍋に不思議な食べ物を加えるとそこからボコボコと泡が立ち上る。その泡が弾ける度にわたしの下腹部に鈍く長く続く痛みが伝わってきた。魔女が大きくうなずくと、数人の小人が協力して大きな食べ物を鍋に放り込もうとした。わたしは怖くなり「もう止めて!」と声に出したところで目が覚めた。

月曜の朝。生理三日目。昨日か今日で痛みのピークを越えるはずだ。そう思ったところで目覚まし時計のアラームが鳴った。わたしは目覚まし時計を止めて、身体を起こす。痛みは昨日よりは楽かも知れない。

わたしは、毎朝の習慣をゆっくり行う。ポールハンガーには生理の日によく着る、身体の締め付けの少ない、それでいてスタイルをきれいに見せる形のチャコールグレーのセットアップスーツを選んでおいた。ホワイトブラウスも体型にフィットしつつ快適な素材でできている。着替えて顔を洗い、スキンケアをし、化粧をしてから、髪を整える。平日は柑橘系の香りを着ることが多い。朝食を摂り、ダイニングテーブルの椅子に座り少しノートを書く。今朝の夢も小人の話の続きだった。ノートと万年筆をバッグにしまい、バーガンディの幾何学模様のスカーフを首に巻きジャケットを着てベージュのトレンチコートを羽織り玄関に向かう。

全身鏡をのぞき込む。生理中だからか肌が少し荒れている。化粧ののりがいまいちだ。週明けの仕事に取り組むには戦闘服の武装が弱いかも知れない。わたしは不安に感じる気持ちを振り払うように口角を上げて笑顔を作る。「いってきます!」と声をかける。


わたしの職場は、関東近県の県庁所在地の都市の中心にある。わたしの住む街の最寄り駅は中央から電車で一五分程移動したところにある。最寄り駅から徒歩一〇分ほど歩くとわたしの住むアパートがある。通勤時間は乗り継ぎが良ければ四〇分もかからない。

わたしは職場の近くまで歩く。職場のビルの前を素通りし、その隣のビルの一階のテナントに入っている、スターボックス・カフェに向かう。週明けの月曜。朝のいつものカフェ。馴染みの女性バリスタがレジカウンターに立っている。

わたしは、レジカウンターの前に立つといつものグランデサイズのコーヒーを注文する。ふと思いつき、わたしは何気なく口に出す。「もし良ければ氷を五粒追加して少しぬるくしてもらえませんか?」 「かしこまりました。お客様は猫舌さんでいらっしゃるんですね」

女性バリスタは、親しげにわたしを見つめてこう言った。「お客様は、動物に例えたら猫ちゃんタイプなのかもしれませんね。私はどちらかというと犬系です。ちょっと構ってもらったらすぐに懐いちゃいます」

わたしは少し驚きながら彼女の顔を見つめる。彼女のナチュラルメイクの上からでも伝わる視線の強さと犬系のイメージが重ならなくて、わたしは思わず吹き出してしまった。わたしはその気恥ずかしさを隠すように、彼女のネームプレートを見つめながらこういった。

「Manaさんとおっしゃるんですね。わたしはあや子と言います。平仮名のあやに子どもの子と書きます」「まあ!お名前を教えてくださって嬉しいです。私は平仮名でまなと書きます。あや子さん、いつも当店をご愛顧くださりありがとうございます」わたしはまなに名前を呼ばれただけなのに、不思議な心地よさを感じた。

「まなさん、こちらこそいつも美味しいコーヒーを淹れてくださってありがとうございます。わたしにとって朝早くにこの店で過ごす時間はとても大切なものです。まなさんのコーヒーのお陰でわたしは心地よい時間を過ごすことができています」

「あや子さんにそうおっしゃっていただけると私も嬉しいです。これからも精進いたしますのでまた足を運んでいただけたら幸いです」まなはそう言って弾けるような笑顔をわたしに向ける。わたしもまなの表情に応じて、自然に大きな笑顔を返した。

わたしは、グランデサイズの紙カップのコーヒーを受け取り、いつものカウンター席に移動し座る。カップの裏面を見るといつもの笑顔の顔文字が描かれている。それを見てわたしは微笑む。この顔文字を書いた馴染みの女性バリスタは「まな」と名乗った。わたしは、心の中で何度かその名前を呟く。

コーヒーの紙カップの蓋を外し、香りを味わい、丁寧に息を吹きかけて冷ましてから、コーヒーを口に含む。コーヒーのコクと酸味が口の中に広がりわたしは喜びを感じる。毎朝コーヒーを飲んでいるけれど、同じ銘柄の豆でも淹れ方やその日の体調によって味わいは微妙に異なる。同じ味のコーヒーをもう一度味わうことはできない。わたしは毎朝、コーヒーとの出会いを通して、一期一会という言葉の意味を実感する。

店内が落ち着いているからだろうか。まながわたしの前に来て話し出した。「最近は日の光が高くなってすっかり明るくなりましたね。あや子さんは覚えていらっしゃるか分かりませんが、私は今年の一月一日にこちらの店舗に異動してきました。真冬のことでしたから、朝日の昇る時間も遅くて、私が早朝に出勤する頃は、まだ外は真っ暗でした」「そうでしたか。まなさんは冬の一番寒い時期にこちらの店舗にいらしたんですね」「ええ。その頃に比べて、いまはだいぶ日の出の時間も早くなって、朝日を浴びながらの出勤はとても気持ちが良いんです。人のまばらで静かなこの街を一人で歩いていると、まるで私のために用意された箱庭のように思えて嬉しくなるんです」

まなは、いつになく饒舌になっているようだ。わたしは、いままで見ることの無かった彼女の一面を知ることが出来て嬉しかった。
「まなさんが、先ほど自分は犬系だとおっしゃっていたことが少し分かってきました。わたしは、きっとまなさんに気に入られているのね」わたしはそう言っていたずらっ子のような笑みを浮かべてまなを見つめる。

「あや子さんは察しが良いですね。そうです。まなわんこはあや子さんにお名前を教えていただけて親しくなれたことが嬉しくて、つい興奮しちゃってるんです」まなは頬を赤くして照れている様子でこう言った。

「わたしも、まなさんと親しくなれてとても嬉しいです。まなさんのバリスタの時の表情はクールな雰囲気なのに、親しくなると途端にわんこになるんですね。そのギャップに萌えちゃいます」わたしもいつになく冗談めかしてまなに答える。

まなは嬉しそうに声を出さずに笑った。まなは客が近づいているのを横目で確認したようだ。「今日はあや子さんとお近づきになれてとても嬉しかったです!」そういって、まなは足早にレジカウンターに戻っていった。

わたしも、少し興奮しているようだった。頬が紅潮している。口元が笑っている。わたしもまなと仲良くなれて嬉しいと思っているのだろう。ゆっくりとコーヒーを飲みながらわたしは気持ちを落ち着ける。そしてバッグから万年筆とノートを取り出して、先ほどの照れている様子のまなを思い出して線画に描き、会話の内容をメモに残していく。続いて毎朝の儀式となっている今日の仕事の準備をする。

わたしは一通りの儀式を終えると、コーヒーカップに蓋をし、万年筆とノートをバッグにしまい立ち上がり、バッグとコートを手に取る。離れたところで備品の整理をしていたまながわたしの様子に気づき笑顔で「いってらっしゃいませ!」と声をかけてくれる。わたしも、いつもよりも大きな笑顔で応える。


わたしは、コーヒーを少しずつ飲みながら、スターボックス・カフェの隣のビルに入る。ここは、わたしの勤めるイーフラット・システムの地方支社の一つだ。一階は受付とショールーム。二階から六階までは社員の執務エリア。七階から十階は会議室と休憩室のエリア。その上は屋上になっている。

イーフラット・システムは、ソフトウェア会社だ。わたしたちは自分たちでソフトウェアを作り、それを企業へ販売し、ソフトウェアを使い始める際の業務改善を提案し、技術面の支援を行い、ソフトウェアの導入後も継続して運用のフォローを行う。自社で作ったソフトウェアに関わる一連の流れ、つまり開発から販売、サポートまでを自分たちで全て手掛けることが、わたしたちの売りの一つだ。

いまわたしの担当しているソフトウェアは、企業内のコミュニケーションを円滑にするよう支援するものだ。複数の部署間のコミュニケーションをまとめたり、社内文書を共有したりすることで、社内の情報のやり取りを効率よく透明化できる。また取引先の情報を共有し、最適なタイミングで適切な部署が顧客にアプローチできるようにすることで、営業支援する機能も備えている。更にこのソフトウェアは企業の様々な社内システムと連携する機能を備えている。通知の受け取りや社内システムへの情報登録などの追加機能も提供しており、カスタマイズも簡単にできる。顧客企業はこうした機能によって、自社の複数のシステム間を行き来することなく、わたしたちのソフトウェアだけで様々な情報を登録・参照・共有することが可能になる。

わたしは新卒でこの会社に入社し、その後の四年間は技術職として、このソフトウェアの開発や様々な企業への導入支援のプロジェクトを経験した。その間、技術面での信頼を得ただけではなく、相手の話をよく聞く態度やそれを言葉や文書にまとめる能力の高さ、なにより顧客の立場に親身に寄り添いつつ、技術面での基礎を踏まえた、顧客の課題解決のための提案の的確さを評価され、技術営業職に立場を変えた。


イーフラット・システムでは部門毎のフリーアドレス、つまり個人の固定席を定めない制度を採用している。わたしの所属する営業部の社員は、五階と六階からその日の席を自由に選ぶことができる。わたしは日光の入り具合や階下の眺めの良さから、六階の窓際の席を日替わりで選ぶようにしている。わたしは、席に荷物を置くと、個人ロッカーに向かい業務用のノートパソコンや書類の入ったケースを取り出してくる。まだ始業時間には間がある。人影はまばらだ。

わたしはノートパソコンを起動し、わたしの担当しているソフトウェアを起動する。これは、自社が販売するソフトウェアを社員が自ら使用することで、改善すべき点を把握することを目的としている。わたしは、社内の情報を集約した一覧のページであるコミュニケーションポータルにアクセスし、関係者の先週までの進捗報告を読み進めて、社内の状況を把握する。

イーフラット・システムの営業部の担当者は、金曜にその週の進捗報告を各自のコミュニケーションポータルにアップする。それらはソフトウェアによって自動的に収集され、顧客やプロジェクト毎に案件の進捗が図やグラフなどで可視化される仕組みになっている。月曜の朝に各自でそれらを事前に読んだ上で、十時から二時間の営業部の会議で課題を議論し、その週の各自の方針が定まる。

わたしは、残り少ないコーヒーを飲み干すと、コミュニケーションポータルの情報を読み込んでいく。同僚の一人が体調を崩して休職に入るらしい。その人の担当していた顧客のうちの一社は、わたしも技術職時代に関わったことがある。いまのわたしの業務量なら、追加で引き受けても問題は無いだろう。わたしが引き継ぐことを提案しても良いかも知れない。

「与田さん、おはようございます」顔をあげると少しとぼけた雰囲気の笑顔をした男性社員がわたしを見ていた。開発部の山本誠だ。山本姓の人は社内に多いため、よく下の名前で呼ばれている。「あら誠さん、おはようございます。花粉症かしら?ちょっと眠そうに見えるけど……」「分かりますか?ちゃんと調整して早くから薬を飲んでいるんですけど。それでも眠気が残ってしまうんですよね」

山本誠には、先週金曜に往訪した顧客の技術面の調査を手伝って貰っていた。わたしは、そのことの感謝を述べ、技術的な課題は解決する目処がついたこと。発注をいただける見込みであることを伝えた。「この案件は、調べてくれたから分かってると思うけど、重要な社内システムとの通信の仕組みが古くて少々特殊なの。既存の追加機能では対応していないから、カスタマイズすることになるわ。できれば、あなたにリーダーになって、カスタマイズと導入の段階を担当して欲しいと思ってます。今日の営業会議でそう進言しようと考えているのだけど、スケジュールは大丈夫そうかしら?」「そうでしたか。課題の目処がついて良かったです。スケジュールは調整できます。あの規模の案件だと私を含めて三名で一ヶ月くらいですね。あの通信の仕組みは、古いけれども日本ではまだ使われているところもあるでしょうから、経験という意味で若手の技術者をアサインできるように調整してみます」「良かった。助かるわ。よろしくお願いします」「こちらこそよろしくお願いします。正式にアサインされることが決まったら、また詳しく打ち合わせましょう」そう言って、誠さんは自席に戻って行った。

わたしは、またノートパソコンのディスプレイに視線を向ける。一通り、コミュニケーションポータルから情報を読み込むと、そこで得た気づきをノートに書き、今日の営業部の会議で報告と相談することを整理する。わたしは、勢いで話すタイプではない。事前に情報を整理し、話すことを準備することで、やっと人前で話すことができる。この準備の過程でも、ノートに書き出して言葉にするという作業はとても役に立つ。


九時五〇分になった。営業部の一部の人たちは上のフロアの会議室に移動し始める。以前は、全員が会議室に集まっていたため、役職のつかない者は立って参加し話を聞いていた。数年前の感染症の流行により対策が行われてからは、会議室には役職者のみ集まるようになり、その他の人は自席からテレビ会議に参加する形態となった。役職者もテレビ会議に入り顔を映し、音声だけ部屋の中央のマイクで集音してテレビ会議に流す仕組みとなっている。わたしは、自席でテレビ会議の準備をして、開始を待つ。

わたしは、いつからこの営業会議を苦手に感じるようになったのだろう。決まっている。わたしの上司であり、営業部第一セクションのマネージャだった裕司さんが異動した後からだ。後任のマネージャは、仕事に関わる判断や意思決定はそれなりにできるけれども、部下の仕事の過程を褒めたり慰労したりすることをほとんどしない。またコミュニケーションの仕方にも問題がある。話し相手を尊重する意識が少なく、相手のミスを大きく攻め立てて、常に自分が上の立場にいることを誇示する。昨年十月の人事の後は、わたしたちのセクションに所属する社員の意思疎通の質が下がったと感じている。まだ人事を経て半期も経っていない。評価はこれから下されるだろう。

営業会議が始まり、議事が進む。セクションごとに進捗報告と課題の相談をする。第一セクションに所属するため、わたしの発言の順番は会議の早い段階でやってくる。わたしは、以前から担当している三社の運用状況と、先週往訪した新規開拓中の一社について話す。当社のソフトウェアを導入するにあたって、先方の社内システムとの通信の仕組みの違いから技術的な課題があったこと。開発部の山本誠さんの協力を得て、調査を進め、追加機能をカスタマイズすることで、ソフトウェアを導入できる目処がついたこと。そのことを踏まえて先方から発注をいただける見込みであることを報告した。そして、カスタマイズと導入の段階では、調査に協力していただいた山本誠さんをリーダーに据えて進めたい意向を伝えた。既に山本誠さんとは調整を終えていることを伝えると、大きく揉めること無く、わたしの提案は受理された。続けて、わたしは、休職に入る同僚の担当していた一社について担当者と面識があり、いまの業務負荷であれば引き継ぐことが可能であることを伝えた。これについては、マネージャ間で検討し、近いうちに判断して返答することになった。

事前に資料を共有しているため、発言は要点だけを述べれば良い。それでも、この数分程度の発言で、わたしは緊張から冷や汗をかいていた。以前は、このタイミングで裕司さんから良くやったとチャットで褒められて緊張を和らげて貰えたものだが、いまのマネージャは冷ややかにわたしを眺めるだけだ。

わたしのこの会議での仕事は、ほぼ終わりだ。わたしは、他の発言を聴きながら、ノートに要点をメモしていく。わたしは、長い会議に参加すると情報のインプットの量が多いことから、人よりも大きく疲労してしまう。それを避けるために、インプットした情報をすぐにノートに書き出して、頭の中から外に移動させるようにしている。

わたしはここで今朝の夢を思い出した。まだ魔女は不思議な色のスープを作り、女の小人たちと一緒に食べているのだろう。室温が低いこともあり、朝からの生理痛がまだ続いている。痛みのために会議の議論に集中するのが難しくなってきた。わたしは、周囲に気づかれないように注意し、痛み止めの薬を口に含み、バッグからペットボトルの水を取り出して薬を飲み込む。


会議を終えると昼時になっている。外で昼食を摂り、またオフィスに戻ってくる。午前の営業会議を経て、今週のタスクが明確になってくる。わたしはノートにタスクを書き出し、予定を組む。山本誠さんとの今後の進め方を相談する打合せは明日の火曜に入れよう。わたしは、カレンダーに予定を入れて、山本誠さんに招待を送る。

さて、まずは開拓中の案件のフォローだ。先週金曜の往訪で出た議事を整理し、対応方法を明確にし、メールにまとめて送る。正式見積書を作成し、社内の監査部門にチェックし先方に送るように依頼する。山本誠さんとの打合せに備えて、事前資料を準備し、スケジュールと残課題のリストを明確にしておく。

続いて、運用フォローの段階に入っている三社の状況を改めて整理し、幾つかの提案を検討し、その資料を作り始める。うち一社には、早めに提案した方が良いと考え、往訪の予定を調整する。


そのようなあれこれをやっているうちに、わたしの月曜の仕事は進捗する。わたしは定時で退社し、自宅に向かう。わたしは、昨日炊事をしなかったことを思い出した。朝と同じ完全栄養食品のパウダーでももちろん構わないのではあるけれど。なんとなく今夜もルナ・クラシカに寄りたい気分になった。ルナ・クラシカは、カフェ・レストランであり、スペイン風の家庭料理を一皿から頼むことができる。定休日は火曜だ。

ルナ・クラシカは、昨日とは異なり、静かな雰囲気だ。色々な席を選べる状況だったが、わたしは少し考えて昨日と同じ満月の鉛筆画の飾ってある窓際のスツールの席を選んだ。メニューを受け取り、しばらく眺めて、トルティージャ・エスパニョーラとレンズ豆のスープを選んだ。

わたしは、窓に映った自分の顔を見つめる。今日のわたしは戦闘服をまとっている。少しは遠くまで飛べる鳥に成長しただろうか。そうかも知れない。わたしは戦闘服をまとうことで強くはなれるのだろう。しかし、どこに向かって飛んでいるのか。目的地がはっきりしないまま、距離だけ伸ばしても、永遠に幸せにはたどり着けないのだ。満月の光は、そんな彷徨う渡り鳥を導いてくれはしないだろうか。そう思い、右手の満月の鉛筆画を見つめる。そう言えば、まなは首元に円形の黄色いペンダントをしていた。わたしは、ノートを開き、ここ数日のまなの線画を確認する。彼女は毎日そのペンダントを着けているし、素敵なデザインなので気になっていた。もしかしたら、満月をあしらったものかも知れない。

自分は犬系だと言っていたまな。彼女のナチュラルメイクからでもわかる意志の強いまなざしは、自身の内面世界をしっかりと持っている人のものに感じられた。自分の意志で自由に大空を飛び回っている鳥のイメージが重なる。わたしの真の姿は無防備で弱い小鳥。それでも、わたしは生きるべき方角や目的地を探し求めて大空を懸命に飛ぼうとしている。そんなわたしを、まなならば受けいれてくれるのではないかとなぜか思った。


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