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【手書き自由詩】四月の記録。

2021年4月。
Twitterにて春の自由詩を毎日更新していました。


「四月。春爛漫の、窓辺から。」


これはその記録です。少し長いけれど、よかったら読んでくださるとうれしいです。

「四月。春爛漫の、窓辺から」

お別れすることも忘れるような、
優しいやさしい匂いがする。
花弁が散らかる4月の窓辺。

今日から30日間、優しい香りを掬うように、今春の輪郭を記録します。
4月2日、なんだかとってもいい匂い。
伸ばした指先に届くひかり。
心が弾む、その方角へ。
4月3日、ほったらかしにしていても、動いてしまう心なら。
すべて憂いのせいにして、刹那の君を逃したくないのです。
4月4日、吐く息は、何色?
4月5日、君の住む町と、僕の住む町の中間地点。
春の大三角形で待ち合わせ。
4月6日、扉は隠したはずなのに、
一体どこから入ってきたの?
4月7日、目の前にある答えの正体を、本当は知っていたみたい。
4月8日、慈しむ、指先で撫でるよるに。息をする、そっと。
4月9日、桜の終わりを見届けて、毎年思うはおなじこと。
4月10日、あなたの心とおなじように、大切に扱ってくれるなら。
4月11日、フレイアお月見倶楽部は真夜中の生き物ならどの子も歓迎です。
どうぞお気軽に☎︎xxxx-xxxx
4月12日、花にはことばがあることを、あなたは知っていますか。
4月13日、過去を通して、あたたかな春の日をみつめている。
4月14日、雨が降っても。
4月15日、夢中にいる心地のまま、生きていけたらいいのにね。
4月16日、違いの溝を見つめるよりも、互いの形を愛しあえるように。
4月17日、今も聴こえる、無声の聲。
4月18日、逆さまの夢を繋ぐ、水槽の鯨。
4月19日、ねぇレディ。
そこから見える世界は、美しいですか?
4月20日、眠りに落ちてしまえば、守っていられる大切なもの。
4月21日、ひとつ終わって、また始まりのはじまり。
4月22日、未来へつづく、大切な今日という橋を渡って。
4月23日、ひとりきりで見つめる世界に、知らなかった時間を教えて。
4月24日、メメントモリ R.I.P.
4月25日、夏よりも、秋よりも、冬よりも。
4月26日、傷つくことを嫌っていては、私はあなたを選べない。
4月27日、自然と私とが呼応するとき、抱えきれないほどの愛の恩恵を受けている。
4月28日、眺めていたあたたかい風景の中で、きっと笑い合える未来。
4月29日、受け入れた光と、続いていく夜と。
4月30日、集めた言葉は、窓の外へ還してしまおう。
次の季節に引き継がれるものだけを連れて。


*********


4月31日、

窓辺から記憶を解いたら来年へ。
春そのものになった体で
目覚めた世界の息吹をなでる。



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《八月。曹達水とロマネスク。》


《十二月。奏者の指は、物語をめくる。》

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