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3話で完結する短編小説です。 #00は補完的な超短編です
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夢の中で #01

夢の中で #01

都心のある街に新しいバーができたらしい。
会社の同僚が先日行ったみたいで色々教えてくれた。

『あ、そうそう。最近できたあそこのバー、知ってる?なかなか良いところだったよ。デートにも使えそうだし、1人で来てる人もいて、結構雰囲気良かったね。』

そのバーは店主ひとりで切り盛りしているようで、つまみや食事は無く、メニューは飲み物だけ。それなりに酒の種類も豊富だという。

仕事終わりに行ってみようと思

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夢の中で #02

夢の中で #02

カランカランッ

レトロな喫茶店さながらのドアベルが鳴る。

想像していたよりずっとカジュアルな店内で肩肘張らず過ごせる空間になっていた。

『おひとりですか?どうぞ。』

まだ早い時間だからか、他のお客さんはいない。
促されてカウンターの真ん中の席に座った。

店主は50代くらいだろうか、白髪混じりで太めのフレームの黒縁メガネをかけている。

『お飲み物、どうしましょうか。珍しいジンを仕入れられ

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夢の中で #03

夢の中で #03

気付くとグラスは空になっていた。

一気に飲んでしまったのか、ゆっくりちびちびと飲んでいたのか、記憶がすっかり抜けてしまっている。

ただ、幸福感が身体中を満たし、世界が少しだけ溶けているように見えた。

『次来たときはまた違うお酒を紹介してあげましょう。』

ニヤリと笑う店主。

ここは飲み過ぎるのも良くないと思い、チェックをお願いした。

『お代は結構です。オープン後の一組目のお客さんからはお

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夢の中で #00

夢の中で #00

周りの騒がしさで目が覚めた。

白い壁と天井。

ぼんやりとして何も見えない。

磨りガラスを通して世界を見ているようだった。

よく寝た、と思った。

起き上がろうとしても身体が言うことを聞かない。

誰かが抱きついてきた。

恋人だった。泣いている。

周りには家族や友人もいる。

何かを言っているけれど、雑踏の音のようにしか聞こえない。

深呼吸をひとつすると、疲れが押し寄せてきた。

もう

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