子どもの「やりたくない」は認めないといけない


今回は、子どもの「やらない」「やりたくない」という反応は認めないといけない(かもしれない)という話です。
この内容は、現場での経験と、G・ベイトソンのダブルバインド理論をぼんやり重ねながら書いています。(理論を正しく紹介するものではありませんので、興味がある方は別途お調べください)


「やらない」「できない」子どもたち


決めたことをやらない、できない、という子どもの姿は、古今東西共通のものであると言えます。子どもの支援をしている身としては、接する子どもにも当てはまるし、親御さんの抱える悩みとしても、よく出てくるものです。


しかし、「やらない」「やりたくない」という子どもの言動は、子どもからするとどうしようもないものかもしれず、それに対しての適切な理解がないと、発達を大きく阻害していく可能性があることを、留意する必要があります。

「やりたくない」という言動の背景にあるかもしれない『二重拘束(ダブルバインド)』


例えば、毎日1時間、おうちで持っているテキストを進める約束をしている、という状況があるとします。
この状況下において、子どもには、「やる」「やらない」の2つの選択肢があります。


「やる」「やらない」は子どもの選択次第である、という前提に立てば、やらなかったのは、「やる気がないからだ」という論理になりやすいです。
そしてその評価の結果として、「なんでやらなかったのか」「しっかりやりなさい」と怒られてしまう、ということが、よくあると思います。


しかし、子どもの立場からすると、「やる」「やらない」どちらの選択をしても最終的には嫌な思いをする、という理不尽ともいえる状況に置かれている場合があります。

つまり、
<やらなかった場合>
→怒られる

<やった場合>
→やり方がわからなくて進められない。やった結果全然できなくて内容が否定される
ということがあるかもしれない、ということです。


こういった状態が続くと、対人関係やコミュニケーションに対して疑心暗鬼になったり、主体性が失われていったりする可能性があるとされています。
(あくまでリスクの話であって、一概には言えませんが)


仮に、大抵の大人が望ましいと思っている、「やる」という選択を子どもがしていくためには、その選択をした結果上手く行く、プラスの評価をされる、となるようにサポートしていく必要があります。


不登校の子どもの場合

不登校になっている子どもも、同じような状況に陥りやすいです。

<学校に行く>
→嫌がらせをされる、授業を受けるのがつらい、など苦痛なことがある

<学校に行かず家にいる>
→学校に行きなさいと親に怒られる


このような二重拘束状態が続くと、一般的には状況が悪化していきます。
だから、構造としてどういう状態になっているのか、留意する必要があります。

打開の方向性


打開の方向性は、現実的に言うと大きく2通り考えられます。

1つは、「学校に行く」「家にいる」のどちらかにある苦痛を取り除くこと、
そしてもう1つは、第3の選択を見出すことです。


不登校の場合、現状では、学校の苦痛は様々な理由でどうしても取り除けない、ということが多いです。ただ、学校に行くという選択肢を取れた方が、一般的には教育の機会を確保しやすいので、出来るのであれば原因を取り除けるように働きかける価値はあります。


それが出来ない場合には、家に安心していられるようにします。つまり、学校に行かず、家にいることを積極的に認める、ということを行います。この段階を通して、本来の力が回復されていく、というのが医療・福祉の領域で取り入れられている一般的な考え方です。


また、どちらをとっても良いことがない、というダブルバインドの状態に置かれることで、第3の選択肢に焦点が当たる、というケースもあります。


例えば、塾に通う、居場所に通う、ということもありますし、私が関わったケースだと、毎日ブックオフに行く、年上の人と毎日遊びに出かける(かなり危なっかしいですが…)ということもありました。


方向性を見出すためには、個々の状態に合わせた方法を取っていく必要があります。いずれにせよ、まずは、個々の置かれている状況を構造として理解していくことが、私たち大人に求められています。

written by 武笠隼士


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