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視点の自由研究No.005「視点_企画の考え方」

みなさんは企画って考えたことありますか?様々な業種でプレゼンはあると思います。広告業界は企画立案の天才たちで作られてきたといっても過言ではありません。ご多分に漏れず、我々のような弱小企業も仕事の始まりは企画からになります。そこで今回は私が心掛けている企画の考え方を書いてみたいと思います。歴代の天才の考え方は、数多の書籍で網羅されてきていますので、興味を持った方はぜひ一度広告の先駆者、トップランナーたちの書かれた名著に触れて頂くのをお勧めしつつ、ちょっと「視点」を変えた考え方を書かせて頂きます。

「ストライクゾーンを作る」

さて私の企画の考え方ですが、それは一言で言うと「ストライクゾーンを作る」という心がけで作っています。企画にストライクゾーンというと不思議に思われると思いますが(余談ですが私は野球未経験者ですので、お手柔らかに)このストライクゾーンという言葉が自分ではとても腑に落ちる感覚があります。
昨今、映像業界はパソコンの性能、カメラの性能、はてはスマホ性能の格段の向上により、撮影編集はそれほど重宝される技術でもなくなってきました。おまけに1日間にアップロードされる映像時間も何万時間というレベルで多種多様な動画に一瞬で触れることもできます。クオリティ、企画、ストーリーどれをとってもほとんどにルーツを見出すことができるレベルで映像は発展してきているなと感じています。
映像制作している我々ですら見切れない量の映像があり、クライアントの皆さまも相当の数の映像に触れているのが現代と呼べます。そんな現代を考えると斬新な企画は、ほぼあり得ないといってもいいと思っています。仕事を発注するクライアントもすでに映像に慣れ親しんでいるため、ある程度は自分たちの中に答えに近いものが存在しているのも、ここ最近の流れとして感じています。

「クライアントと答え合せ」

そんな中で企画を考えていくにはどうすればいいのか?何度も提案していく中で得た答えは、クライアントの中の考えと答え合わせを行うことでした。ただクライアントもそんなに明確に答えを持っているわけではありません。そうすると、その答えをどう導き出すかになります。そこで冒頭の「ストライクゾーンを作る」に至ったのです。

「決め球を魅せるために」

「ストライクゾーンを作る」すなわちクライアントが望む企画の許容エリアを見極める、もしくはそのエリアを広げること。よくコピーライターの方がたくさんのコピーを書いた上で一つ目を採用されたという話を耳にしますが、それに近いかもしれません。自分でも最初の企画が一番いいなと思うことはありますが、それだけでは真ん中の直球だけです。クライアントを打ち取ることはできません。決め球は直球だとしても、それをより豪速球に見せるには変化球は欠かせません。あるいはストレートだとしても内角高めか外角低めかで企画の視点は変わります。ですので、自分が企画を考える時も最初に思いついた企画をド真ん中においたとして、その外側、内側、どんな変化をつけるか、速度を変えるか、などで調整していきます。すると不思議と企画数も増えていきます。中にはその変化球が抜群に切れ味が良かったこともあります。また一つだけの企画提案ですと、それが違った時とても大変ですが、いくつかの球数があると相手の求めていることも浮き彫りにしやすいです。その中からもう一度、ストライクを取りに行くのはそんなに難しくはありません。ここでちょっとあまりに外れた視点で企画を考えると、ボールになってクライアントにも刺さりません。このあたりのストライクゾーンの作り方は本当に経験によるところが大きいと思いますが、うまくストライクゾーンを作れた提案はクライアントにもご満足頂けていることが多いと思います。

これが正解はない

今書かせて頂いたのは、私なりの企画出しのコツみたいなものです。本当はちゃんとした広告論やデータを元に企画を考えていくべきだと思います。しかし、商品のことを一番知っているのもクライアント。そのクライアントの考えもまた貴重な企画なのではないかと思っています。ですので、本当に正解の出し方もないなと感じている毎日です。

自分は特に企画を考えることが好きなタイプですが、ちょっと苦手という方、ぜひ一度、相手のストライクゾーンをイメージしてみてください。どうでしょう?ストレート?カーブ?スライダー?またはフォーク?なんとなく投げたときにストライクが取りやすい企画が意識できる気がしてきたら幸いです。

次回は、企画の流れからデジタル化したコンテンツの中で、我々が新たに感じたものづくりの仕方、視点を書いてみたいと思います。

映像でお困りの方、静岡で撮影されたい方、ぜひ一度お声掛けください。