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くやし涙

 朝のワークアウトを終え、歩いてると側溝の蓋の上にバナナの皮が落ちてました。「なんでこんなところに」と思うのと同時に、「ここでバナナを食べた人がいたんだな」「ゴミ箱まで持っていくのが面倒だったのかな」などと勝手に完結したのでした。

 冒頭の文章はタイトルとまったく関係なく、ただただ、読んでいただけた人に共有したかっただけです。

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 先日、こんなことがありました。

 ぼくが自宅に帰ると妻から「長男のことで......」と話しかけられたところから始まります。

妻「今日ね、保育園で長男くんが泣いたんだって」

ぼく「ほぅ、けど、別に珍しくないよね。わざわざどした?」

妻「保育園で運動会の練習をやっててね、リレーをしたんだって。そこで、彼のチームは毎回勝ってたんだけど、今日、初めて負けちゃったんだって。」

ぼく「あら、それは残念。」

妻「そこで、大泣きをしたんだってさ。しかも、午前中はそこから立ち直れなくなったらしくて、給食を食べて周りの子たちが心配して話しかけて話しかけて......って繰り返してたら、やっと持ち直した......なんて担任の先生から言われて」

 そう、我が家の長男、人生において初めての悔し涙を流したみたいなのです。いや、彼が泣くのは決して珍しくなく、むしろ、通常の子ども通りというか、ほんと、イヤなことがあったり、怒られたりしたら、言い方はおかしいですが"きちんと"泣きます。

 過去に、父親であるぼくがいたずら心で仕掛けた内容で本泣きさせてしまった記憶もありますが.......

 なので、"泣く"行為が珍しいわけではないのですが、悔し泣きをしたのかぁ、と驚きにも似た感情が湧いたのは確か。

 彼、リレーのアンカーを務めているらしいんですね。足が速いから、ってのはどうかわかりませんが、クラス内の子どもたちで順番を決めたらしく、彼は現在の保育園へ4月に転園してきたのもあり、周りの子たちが推してくれたのかもしれません。

 とにかく、彼は「最後に自分が走る」なんて役割に対し、真剣に受け止めていたようで、妻から悔し泣きについて聞いたのもあり、彼に対して話しかけて確認したところ、「悔しかったんだ」と。

 「それまでは自分の所属するチームが負けなかったんだ 。そして、みんなが頑張って走って繋いでくれたバトンを自分が最後にゴールする瞬間、勝ったのがわかるとスゴく喜んでくれてて、それが嬉しかったんだけど、今日は、それまで負けてなかったのに、自分が最後に勝てなかったからみんなも負けてしまって、それが悔しく悲してくイヤだったんだ。」なんて具合に彼らしい言葉で丁寧に説明してくれました。

 なるほど、彼の中では「自分が最後に走る=みんなの思いを受けて走る」に変換されていたのか。だから、自分が負けて悔しいのはもちろん、周りの子たちが負けたのも悔しくて泣いてしまったのか。

 それは中々に立派な責任感だなぁ、と思いながらも、なんて声をかけたものか考えてしまいました。

 今度は勝てるよ、なんて気休めでしかない。第一、リレーは他の子たちと、その相手になる子たちとの力量もあり、彼とその相手の子との力量だけでは測れないし、先の見えない勝負事なので、安易に「今度は」なんて声がけをすべきではない。

 どうしようか。と彼に問いかけても、きっと彼は「もっと速く走る」と、自らの疾走速度が2倍にでもなるかのごとく方言を放つだろうし。

 そんな風に考えていると妻がこう述べました。

 「先生(保育士さん)がね、『負けちゃって悔しいね。勝った時はものすごく嬉しかったし。けどね、本番も勝てるか、負けちゃうかわからない。だけど、きみはどうする?』って聞いてくれて、「がんばる」って答えたんだよね。」

 あぁ、なるほど。そのタイミングを逃さずに、きちんと声がけをしてくてれたのか。ちょっと偉そうに思えるかもしれませんが、すごく安心しました。

 初めて負けたタイミングで、ものすごく悔しい気持ちに寄り添いながら、勝った時の喜びや負けた瞬間の悔しさを、きちんと想起させながら、最終的に彼の"思い"を聞いてくれたってところに安堵しました。

 本人が示した意志は、その後、本人にとっての基準となりますから、運動会関連の活動をする際には彼自身にとって、周りの子たちにとっても、彼の「がんばる」は彼自身を支える"生きたことば"として浸透する機会にもなりました。

 その周りにも示した自分の決意を糧に、本番中も何度か気持ちが折れそうになりながらも、やり遂げられましたし、それを誇りにも感じていたようです。

 保育士さんと良い関係を築けているのだな、周りの子たちにも支えられてるな、と実感した出来事でございました。

 今日もお読みいただき、ありがとうございます。成長を目の当たりにする機会はたくさんありますが、自分だけでは乗り越えられない事柄も、支えられてなんとかって経験ができたのは、ぼくの立場としても嬉しいです。


ぼく:遠藤 涼介/Endo-san (@ryosuke_endo

#スポみら (元 #スポーツの未来に僕たちができること )オーガナイザー。 第一弾、新潟経営大学イベントの資金調達を目的に行ったクラウドファンディングは3サイトで募集し、すべて目標達成(総合達成率140%)#新潟 を #前向きな空気の溢れるエリア にすべく活動中。



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